台湾ネオ・ソウル新世代 〜 9m88
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9m88 / 9m88 Radio
在NYの台湾人ネオ・ソウル/ジャズ・シンガー、9m88(ジョウエムバーバー)が今秋に渋谷で来日公演をやるみたい。好きなのでちょっと行きたいかもと思ったのに、WWW Xでのライヴはオール・スタンディングとのことで、自分の現況をかんがみるに、う〜〜ん…。
この歌手、ぼくが出会ったのは今年リリースの新曲「若我告訴你其實我愛的只是你」(2023)で。Pヴァインの紹介だったこれが初邂逅で、な〜んてさわやかでチャーミングでジャジーなんだと好きになっちゃいました。しかしこれ一曲しかなく、アルバムならSpotifyにあるのは『9m88 Radio』(2022)が最新。
新曲シングルはかなりジャジー、ほぼジャズ・ピースでしたが、『9m88 Radio』はやはりネオ・ソウル〜コンテンポラリーR&B色が強いといえます。シティ・ポップ香もあり。ってかそれらのジャンル区分ねえ、台湾新世代の前では無意味ぃっ。
個人の好みだけ言わせてもらうと「若我告訴你其實我愛的只是你」の感じで満たされた30分くらいのアルバムが出ればとてもうれしいんですが、いまは『9m88 Radio』をくりかえし聴いています。バーバーのばあいサウンドに台湾ローカル色は皆無で、世界で通用する才能と思いますね。
オーガニックな生演奏楽器を中心に組み立てながら、そこにまじる適度なコンピューター・サウンドやデジタル・エフェクトの使用もいい塩梅。エリカ・バドゥっぽい音楽をベースにヴォーカルはかわいらしいふわっとしたチャーミングさを感じさせる部分もあります。また一曲ごとに多彩なゲスト・プロデューサーと組んでいます。
個人的にことさら好きだと感じるのは、やはりジャズ・カラーが強い2「Tell Me」、シティ・ポップな5「A Merry Feeling」あたりは特に。クラシカルな9「Dark Night / Sunlight」もいいし、ディアンジェロあたりを彷彿させる11「Star」なんかも抜群。
湿度の低いカラリさわやかな音楽ですね。
(written 2023.7.15)