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チェンチェン・ルー『ザ・パス』のアナログ・レコードを買った

(6 min read)

Chien Chien Lu / The Path

このリンクはSpotifyにあるチェンチェン・ルー『ザ・パス』ですが、先日ぼくはこのアルバムのアナログ・レコードを買いました。いやあ、LPレコード買ったのなんて、1995年の引っ越し時にプレイヤーを処分して以来ですから。

だから、26年ぶりっていうことになるんですか。ターンテーブルはやっぱりいまでも自宅にないので、レコード盤買っても聴けないのに、それでも買うだけ買うっていう、これはなんでしょうね、熱狂的ファン心理?

チェンチェンの『ザ・パス』LPは、2021年12月22日、世界で唯一、日本のPヴァインが独自商品として限定発売したもの。ぼくはディスクユニオン通販で買いましたが、街のレコード・ショップ店頭にもならんでいるようです。

チェンチェンは台湾出身、現在はアメリカのニュー・ヨークに住み活動しているジャズ・ヴァイブラフォン(&マリンバ)奏者。ソウルフルでメロウなR&Bグルーヴへの熱情を聴かせる音楽性で、マレット二本でガンガン叩いていくスタイルが持ち味。

チェンチェンのこのアルバムがどんだけすばらしいか、個人的にどんだけ好きで愛聴しているか、いままでなんどもくりかえし書いてきました。

もとは2020年秋にデジタル・リリースされていたもの。CDも今年八月にやはりPヴァインがリリースしていて(本人の公式サイトでも売っている)いまでも容易に入手できるし、ぼくもCDプレイヤーならいまだ常備してあってときどき使っているんですが、そもそもチェンチェンの『ザ・パス』は聴くのならべつにサブスクで困りません。消えるようなものと思えないし。

だから聴くためじゃないんで。物理的に所持して部屋に置いて眺めるために買ったんですから。それだけだったらCDよりレコードのほうがいいです。届いたのを開封しジャケットに写るチェンチェンの顔がバ〜ンと出現したときちょっとビックリしたっていうか、12インチ・レコードってこんなデッカいものだったっけなぁ〜?って、若いころはあんなにどんどん買い狂う日常だったのにねえ。

チェンチェンの『ザ・パス』アナログ・レコード盤を買ったのには、本人と約束しちゃったからという理由もあります。Instagramでチェンチェンと友人関係なんですけど、『ザ・パス』アナログ・レコードが日本で出ますと、11月末に投稿されていたのにさっそく反応してしまったんですよね。

もちろん日本在住のネット友人だってファンだっているでしょうけど、すくなくともそのインスタ告知にはだれひとりそういうコメントをつけていなかったから、じゃあ日本に住んでいるぼくがぜひ一枚買うよって、思わず勢いでコメントして、チェンチェンからの「届いたらどんな感じか教えて」というリプもありました。

言った手前買わなくちゃいけなくなって、さがしたら12/22発売予定になっていたのがディスクユニオン通販で一ヶ月前から予約可の状態でボタンがアクティヴになっていたので、ポチッ。そうなると届くのが待ち遠しかったです。

日本リリース盤ならではの帯がついていて、Pヴァインが考案しただろう謳い文句が日本語で記載されています。ひっくりかえして裏ジャケには曲目の下に演奏パーソネルやプロデューサーほかクレジット関係が英語で載っていますので、サブスクでだけ聴くという自分やみなさんのため、ここに転載しておきましょう。

Chien Chien Lu / vibraphone, marimba
Shedrick Mitchell / piano, organ
Richie Goods / acoustic & electric basses
Allan Mednard / drums
Jeremy Pelt / trumpet
Quintin Zoto / guitar
Ismel Wignall / percussions
Yoojin Park / violin
Phoebe Tsai / cello
Lisa Lee / vocal

Producer / Richie Goods
Exective Producer / Lisa Lee, Gz Lee
Recorded at Bunker Studios, Brooklyn, NY on February 20-21, 2020
Recording Engineer / Alex Conroy
Mastering Engineer / Dave Darlington
Photography by Brian Doherty, Tracey Yang
Designed by Nicole Wang

盤面がこう(ってあたりまえのレコードだけど)。6曲目「ブルー・イン・グリーン」までがA面です:

さらにフォト・シートみたいなのが一枚入っていて、その裏面にチェンチェン自身が書いた英語と台湾語でのライナー・ノーツが記載され、末尾にサインが入っています:

台湾時代と2015年からのアメリカ時代といういままでのキャリアをふりかえり、コンポーザー/ミュージシャンとして生きるとはどういうことか、もとはクラシック畑の打楽器奏者だったのがなぜプロのジャズ・ヴァイブ演奏家としてこの世界に入ったか、このファースト・アルバムをつくることになったきっかけなど、くわしく書かれています。

レコードを買いこれらを目にしたからといって、チェンチェンの『ザ・パス』で展開されている音楽をどう聴くか、どうとらえるか、どう好きかはぼくのなかで変わりませんし、ライナーにもアルバムの音楽内容に具体的に触れるような文言はないんですけどね。

フィジカルだから、ヴァイナルだから、いいっていうことも特になくって、ただなんとなくレコードがほしい、買ってみようかなって感じたのと、お金を払いたいという応援の気持ちと、本人と約束しちゃったからっていうのと、この三つで届いたチェンチェンの『ザ・パス』アナログLP。眺めながら、音楽はこれからもサブスクで楽しんでいきたいと思います。

(written 2021.12.24)


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