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ピーター・グリーンズ・フリートウッド・マック

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Fleetwood Mac / Fleetwood Mac (1968)

英国のロック・バンド、フリートウッド・マックにかんしては、ピーター・グリーンが在籍していたブルーズ・ロック・バンド時代のことにしか興味ないんですけど、そのころのフリートウッド・マックのことはほんとうに大好きなんですね。

なかでも最高だと思っているのがデビュー・アルバム『フリートウッド・マック』(1967年録音68年発売)。しかしこれもSpotifyにはオリジナル・アルバムどおりのがないんですね。拡大版だけ。もとのレコードは12曲目の「ガット・トゥ・ムーヴ」まで。上にジャケット写真を出したのはリイシューもの。

このアルバムのころのフリートウッド・マックはほんとうにストレートなブルーズ・ロック・バンドで、1968年の作品ですから、UKブルーズ・ロック・ムーヴメントにあってはちょっと先駆け的なポジションだったかもしれませんね。その後、ジェフ・ベック・グループやレッド・ツェッペリンなど有名バンドがいくつもデビューしました。

ご存知ないかたも聴いていただければそのサウンドで納得できると思いますが、この独特のザラっとした質感のギター・サウンド、それこそがピーター・グリーン時代のフリートウッド・マックの特徴です。鍵盤専門奏者がおらず、2ギター(ヴォーカル兼任)+ベース+ドラムスだけっていうシンプルさなんですが、ファットでリッチな響きをしているのもおもしろいところですね。

実際、このアルバムでもピアノなど鍵盤楽器はほとんどゼロに等しくて、もっぱらギター・サウンドで組み立てたブルーズ・ロックなのが大好きなんですね。レパートリーはアメリカ黒人ブルーズ歌手がやった有名曲とマックのオリジナルとが半々くらいかな、でもオリジナル・ソングもまったく米黒人ブルーズ・ソングそのまんまのスタイル。

オリジナルだって、聴けばハウリン・ウルフとかエルモア・ジェイムズとかオーティス・ラッシュを想起させる部分も大きいこのアルバム、じゃあマックのオリジナリティは?と問われると思わずちょっと口ごもっちゃいますけど、1967/68年当時、英国で、白人が、これだけ真摯にストレート・ブルーズを追求したんだっていうひとつの記録ではありますよね。やっぱりブルーズ・ミュージックとはならずにブルーズ・ロックになっているのは彼ららしいところ。ピーター・グリーンとジェレミー・スペンサーのツイン・ギター・サウンドが快感でしょう。

(written 2020.10.29)

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