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和楽器のためのバーチャル合奏システム「無限段物」(むげんだんもの)とは
「無限段物」は、約400年前・江戸時代から存在する日本の伝統的な音楽ジャンル「段物」(だんもの)をアップデートし、和楽器のためのバーチャル合奏システムを開発するプロジェクトです。
1. 段物(だんもの)とは
![](https://assets.st-note.com/img/1702186261783-MGBdu0oPGt.png?width=800)
段物は、「段」と呼ばれるいくつかのセクション(西洋音楽でいう楽章)から成り立っており、各段が「52拍子」(たまに54拍子)と、フォーマットが厳密に定められています。
![](https://assets.st-note.com/img/1703313365640-dxPqE6TQeV.png?width=800)
この段物が面白いのは、規則的で統一されたフォーマットの上に成り立っているため、「異なる楽曲や楽章同士を自由に組み合わせることが可能」というところです。
例えば以下の動画では、「六段の調」と「八段の調」という2つの別々の楽曲を、2人のプレイヤーがそれぞれ演奏しています。
つまり、段物のフォーマットの上で作られた曲ならば、まるでレゴブロックのように、何でも自由に組み合わせて、新たな作品を作ることができてしまう、ということです。
![](https://assets.st-note.com/img/1703313310402-Gqr7QhvU41.png?width=800)
実際に、昔から和楽器の愛好家たちは、異なる楽曲同士の合奏を楽しんできました。(タイミングとテンポさえ合わせれば、適当に組み合わせても合奏になってしまうって、面白いですよね!)
これと同じことをコンピュータ上で再現し、発展させていこうというのが、「無限段物」の基本的な発想です。
2. システム概要
![](https://assets.st-note.com/img/1702186315438-9ES28IUXOG.png?width=800)
無限段物の開発は、サウンドプログラミングソフト「MAX」にて行います。
まず、和楽器奏者の演奏を大量にレコーディングし、録音データを集めます。
次に、集めたデータをMAXに取り込み、それらを合成・加工するプログラムを作成します。
最初はシンプルなものからスタートしますが、プログラムの規則性を変えたり、さらなる音源や楽器を追加したりすることで、合奏のバリエーションを少しずつ増やしていきます。
段物をデジタルに落とし込むことにより、従来はできなかった以下のようなことが可能になります。
・膨大な組み合わせを試す
・様々な加工を施す(カット/リバース/ディレイ/テンポチェンジ/ピッチシフト etc.)
・24時間ずっと演奏し続ける
こういったデジタルならではの強みを活かし、約400年前の伝統芸術に、もう一度光を当てます。
3. 使用例
![](https://assets.st-note.com/img/1702186333016-bhfkwnMCQ5.png?width=800)
無限段物は、一部の伝統芸能の愛好家だけに向けたものではありません。
様々な用途を想定し、一般社会での活用を目指しています。
ここでは、具体的なアイデアを4つ紹介します。
①演奏家がセッション相手として使う
![](https://assets.st-note.com/img/1703313481467-9Y7WFGjEP3.png?width=800)
演奏家は、「無限段物」と合奏することで、1人でもセッションをすることができます。
PC一台あればどこでも使用できるので、海外への輸出も非常に簡単です。
将来的にはアバターを使って、「バーチャル演奏家」をメタバース空間に召喚することも可能になるでしょう。
空間や距離に縛られないデジタルの恩恵を受け、演奏家のライブパフォーマンスの幅は大きく広がります。
②教育コンテンツとして使う
![](https://assets.st-note.com/img/1703313515194-BtPXet7nqi.png?width=800)
冒頭で話した通り、段物は「レゴブロック」のようなもの。
子供の創造性を刺激するにはうってつけの教材です。
また、生徒に音楽を再生するプログラムを書かせてみるなど、プログラミング教育的なアプローチも可能です。
伝統音楽を学びながら、創造性を育んだり、プログラミングを学ぶことができる。
無限段物を使えば、革新的な教育コンテンツを生み出し、伝統文化教育を「もっとおもしろく」することができるかもしれません。
③アート制作に使う
![](https://assets.st-note.com/img/1703313534264-6ReSyBpAx9.png?width=800)
「チームラボ」のようなデジタルアート作品の制作にも、無限段物は応用できます。
これは、僕が最も可能性を感じ、ワクワクしている使い方でもあります。
例えば、「風や鳥のさえずりに連動して自動演奏する」みたいな作品は普通に作れそうです。
ビジュアルアートと絡めて、「和楽器の音をトリガーとして、色や形が変化するアート作品」みたいなのも面白そうですね。
コンセプト次第でアイデアは無限に出てきそうです。
④AI学習と組み合わせて使う
![](https://assets.st-note.com/img/1703313547078-XhavJYwK5Y.png?width=800)
これはもう少し先の話になりそうですが、集めた大量の音源をAIに学習させることも視野に入れています。(*演奏家には許可を取っています)
学習結果を元に、一から演奏パターンを生成する「AI演奏家」も不可能ではないかもしれません。
4. アドバイザー
![](https://assets.st-note.com/img/1702186347211-h5IkDTe4Xh.png?width=800)
当プロジェクトのアドバイザーとして、生田流箏曲演奏家・沖政一志先生に全面的にご協力いただいております。
5. クラウドファンディングの実施
12/26(火) 19:00より、CAMPFIRE(https://camp-fire.jp/)にてクラウドファンディングを実施します。
目的は大きく2つあり、1つは音源のレコーディング費用とシステム開発費を集めることです。
特に、膨大な録音データを必要とする当プロジェクトは、多くのレコーディング費用を必要としますので、その費用を集めたいと思っています。
目的の2つ目は、クラウドファンディングを通した「盛り上がり」を生み出すことです。
CAMPFIREには「人気のプロジェクト」という仕組みがあり、有望なプロジェクトがサイトの上の方に表示されます。
選出の基準は公開されていませんが、どうやら「SNSで話題かどうか」も基準になっているようです。
「人気のプロジェクト」を見てみるとやはり、キャッチーで分かりやすいものや、実用性が高いものが多く、ここに和楽器のようなニッチなプロジェクトが載るのは、なかなか難しいかもしれません。
しかし、僕はこれまでのSNSの経験から、ニッチなジャンルだからこそ生まれる「密度の濃い熱狂」というものが確実に存在すると思っています。
和楽器を、日本文化を愛する皆さんの協力が必要です。
約400年前の音楽を扱う、このニッチなプロジェクトが「人気のプロジェクト」に名を連ねる様子を、皆で一緒に目撃できたら、感無量です。
プロジェクトのURLはこちら↓です(プロジェクト開始後に有効になります)
https://camp-fire.jp/projects/view/720236?utm_campaign=cp_po_share_c_msg_mypage_projects_show
クラウドファンディングが始まりましたら、プロジェクトページだけでもご覧いただけると本当に嬉しいです🙇♂️
何卒よろしくお願いいたします🙇♂️
※CAMPFIREで支援をするには、会員登録が必要です。初めて利用する方は下記ページから、ぜひ会員登録をお願いいたします!!🙏
【新規会員登録ページ】
https://camp-fire.jp/signup?from_guestback=false
【会員登録の手順はこちら】
https://help.camp-fire.jp/hc/ja/articles/5491357384985-新規会員登録の流れ
6. 演奏家募集
無限段物プロジェクトに演奏家として参加いただける方を大募集しております。
演奏家でない方も、お知り合いにシェア・拡散いただけますとめちゃくちゃありがたいです🙇♂️
※予告なく募集は終了する場合があります
【対象楽器】
箏/ 尺八 / 三味線/ 篠笛 / 笙 / 篳篥 / 龍笛 / 琵琶 /小鼓,太鼓,締太鼓 / 和太鼓
(ジャンル・流派を問いません)
【条件】
下記①②両方を満たす方
①プロとして一定の演奏やレコーディングの実績がある方、それに準ずる技術がある方*
*音大生など専門的な音楽教育を受けたことがある学生は、実績がなくても「学生枠」としてご応募いただけます。
②オーディオインターフェースとDAWを用いた宅録*が可能な方、もしくは都内スタジオでのレコーディングに参加可能な方。
*宅録の方は、録音機材についてお聞きする場合があります。
【内容】
約1分30秒の即興演奏 × 3パターン
→クリックに合わせて演奏していただきます。テンポやスケール、曲想など、ある程度の指定があります
【ギャランティー】
有償*(お見積もりをお願いします)
*学生枠の方は別途連絡の上、相談させていただきます。
「興味がある」「内容次第でやってもいい」という方は、「演奏家募集の投稿を見た」旨をDMかメールしてください!詳細を送らせていただきます。
詳細をご覧いただいた上で、実際に引き受けるかどうか判断いただければと思います。
何卒、よろしくお願いします🙇♂️
📩連絡先
各種SNSのDM
X(旧Twitter): https://twitter.com/hisashi_musik
Instagram: https://www.instagram.com/hisashi_musik/
YouTube: https://www.youtube.com/@hisashi_music
または、以下メールアドレスまでよろしくお願いいたします。
*質問などありましたら、お気軽にご連絡ください。
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