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大学教員・研究者になるには

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卒業研究・修論研究を経て研究者になろうと考えている方々向けの記事を集めていきます。大学教員・企業研究者など。
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#大学教員になるには

大学教員公募の振り返り①

需要はないかもですが、私も以前諸先輩方が書かれた文章を参考にさせていただいていたので、誰かの参考になれば・・・と忘れないうちに書いておこうと思います。 私は教員ではないお仕事からの転職でした。 博士の学位を取って、実際に公募を出し始めたのが、転職活動1年目の10月頃・・・その当時、大学公募戦線は、夏がピークで10月も過ぎたあたりからは募集がフェードアウトしていくことすら知らなかった・・・ 1年目は2件出してみました。1件目は書類選考で落ちました。 しかし、ここで業績の書き方と

【大学教員公募】選考を通過しない人の特徴

 最近、研究者間の対面での交流がようやく復活しつつあり、私と同世代(20代、30代前半)の若手と語り合う機会が増えてきました。結婚や子育てといった研究外の話からアカデミックな話まで、色々なことを話しますが、一番盛り上がるネタはやはり大学教員公募に関する話でしょうか。採用から1~3年ほどしか経っていない、あるいは公募戦線真っ最中の人がほとんどである若手ならではの話題だと思います。  話していれば、悲しいかな、選考を通過しポストを掴んだ人と、なかなか選考に通過しない人の差が見えて

大学教員になってよかったこと。

 雪の降る季節になりましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。私は雪を見て犬のように駆け回っています。  さて、今年一年私の拙い書き物にお付き合いいただきありがとうございました。はじめは大学教員になりたい人のために書き始めたnoteですが、いつまにか教員の日常生活を書き綴る記事ばかりなってしまいました。ただ、今まで自分のことを一切発信せずに生きてきた人間にとってみれば、何気ない日常をさらすだけでも結構勇気のいることです。さらには、何事も継続しない私にとってはこれだけ続いた

大学教員公募で工夫したこと:「公募餌に群がる魚群の1匹」から釣り手を唸らせる「金の魚」になるには

魚釣りをするとき、我々は餌を撒くか、餌付きの針を水面下に垂らします。仮に魚が多くいるところであれば、時には魚群が押し寄せてきます。ふつうは、そのうちの一匹が連れればいいやという感覚で釣りをします。ここで、餌に食らいつく魚群が目に見えるとしましょう。そして、魚群の中に、ひときわ大きく艶も申し分ない魅力的な個体がいたとします。釣り人は、是が非でもその魚を釣りたい!と強く願うでしょう。この瞬間、釣り人と魚の立場は逆転します。釣り人は、その魚の魅力に釣られているのです。 回りくどい

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大学教員には簡単になれない。

 連日猛暑が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。私は洗濯物がすぐ乾くので家の中でウキウキしています。  さて、最近大学教員になるための方法について記載された記事を見ました。そこには博士号を取ってから大学教員になるのは難しいが、実務経験やコネ等を活用すればなれるといったようなことが書いてあったかと思います。(飛ばし読みなので、記憶が曖昧です。)恐らく、このような記事を何度か見かけましたが誤解を生むかもしれないので、改めて私の意見を述べておきます。  まず大学教員になる

大学教員になるためにすべきこと:公募の書類作成、面接、模擬授業に向けて(更新用)※2023年4月3日更新

 私が執筆した中で最も閲覧数が伸びているのは、大学・研究関連の記事です。大学教員公募に関する有料記事へのアクセスも伸びています。ご購入いただいた方、感謝申し上げます。  本記事は、1か月に1度くらいを目途に更新しつつ、私が執筆してきた大学教員公募、学振、研究関連の記事の道案内的な役割を目指すものです。トップに固定しているのは、こうした理由からです。  最後の部分では、私が公募戦線で戦うにあたり、特に参考にさせていただいた記事を紹介させていただきます。公募は、学問分野によって状

【生々しい話】大学教員になれるか、なれないかー両者を比較ー

大学・研究業界の生々しい話、現実について綴ります。大学教員を目指して奮闘中の公募戦士にはなんとしても戦線を勝ち抜いていただきたく、研究者としての一歩を踏み出した院生の皆さんにはやがて直面する現実への備えをしていただきたく、研究者を志す学部生・中高生には覚悟を固めるために現実をお見せしたく、錯綜する気持ちを正直に本稿に込めます。自分の体験談と、身近にいた(いる)方のかなり生々しいお話しです。 モチベーションを是非上げていただきたく、今回は大学教員に「なれた」後の話から始めます

「大学の教員になるにはどうしたら良いですか?」という質問について

はじめに毎年、1~2人の学部学生から「大学の教員になるにはどうしたら良いですか」というざっくりとした質問を受けます。研究者になることをリアルに考えている学生は、具体的なことを尋ねてくることはあっても、あまりそういうざっくりした質問はしてこないように思います。 大学の教員には初等中等教育のように「教員免許」はなく、大学教員のカタチは多様であると思われます。「大学の教員になるにはどうしたら良いですか」の質問に対して、「こうすればいい」というわかりやすいアンサーを返すことは難しい

大学教員になるための就職活動について。

 大学はお盆休みですが、研究室の掃除をしたいので今日も大学に行く予定です。  さて、大学教員になりたい人は多いと思います。ところが、その採用活動をどのようにするかは以外と知られていません。私も情報収集では苦労しました。そこで、記憶がなくならない前に私の就職活動を記録しておこうと思います。  私は博士論文を提出した2017年10月から就職活動を開始しました。この時点でまだ博士号を取得していませんが、「博士課程修了見込み」ということで応募することができました。ちゃんと証明書も

大学教員になるには。(つづき)

 穏やかな天気が続いていますが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。私は朝から2回目の洗濯に勤しんでいます。  さて、突然ですがみなさんは大学教員という仕事にどんなイメージをもっておられるでしょうか。私は大学教員になる前は、好きなことを研究して好きなことを発言できる偉い人だと思っていました。しかし、実際になってみるとそうでもないことが何となくわかってきたのです。そこでなるべく普段の何気ない大学教員の日常を綴ることによって、みなさんに大学教員のリアルを知ってもらった上で大学教