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大学教員・研究者になるには

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卒業研究・修論研究を経て研究者になろうと考えている方々向けの記事を集めていきます。大学教員・企業研究者など。
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2021年5月の記事一覧

コラム#6. 博士号の取りやすさ(課程博士・ラボ選び)

 課程博士を無事に所定年数(修士課程を除いて通常3年)で終えられるかは、本人の能力もさることながら、学術論文必要数とラボのアクティビティーに大きく依存すると言えます。  規定年数を1年くらいなら超過してしまっても良いという方は、ざっと見積もっても400万円から1億円の損失を許容するという意味であることを理解してください。 ### 1年の損失の内訳・働くのが1年遅くなる(入るはずだった1年の年収が入らず、退職金が減る。)・希望職種に就職できる可能性が50%程度減少、生涯年収

論文博士のススメ#1. Introduction

 日本には、2種類の博士がいます。課程博士と論文博士です。2つの取得方法があるともいえます(厳密に言えば、もう1つ、功績を上げた人に授与される名誉博士というものもありますが、ここでは扱いません。)。「日本には」と書いたのは、欧米では課程博士が一般的であるからです。よって、日本は少し例外的であると言えます。  課程博士と論文博士も、名称を名乗る際には同じ博士であることに変わりはありませんが、それぞれメリットとデメリットがあります。  このNoteでは、その知られざるメリット