VOA Learning English記事 "How to Keep Mentally Healthy During a Quarantine" 英文解説②

前回より、VOA Learning English に掲載の易しめの英語で書かれた記事、"How to Keep Mentally Healthy During a Quarantine" の英文テクストを扱って解説しており、今回はテクストの後半を扱います。前回扱ったテクスト前半より語数は少なめで、英語としても前回よりも易しい文が多いです。

※ 今回使用するVOA Learning English の記事は、University of Virginia のニュースサイト、UVA Today に2020年3月18日付で掲載された記事、"How to Protect Your Mental Health During a Quarantine" の内容を基にして、英語学習者向けに易しく書かかれた記事です。英語中上級者の方は、原文記事の方も読まれることをお勧めします。
https://news.virginia.edu/content/how-protect-your-mental-health-during-quarantine

使用記事の英文テクスト後半

Go outside

Like most health experts, Allen also advises people to make sure to spend time outdoors. Being in nature can help to ease boredom and other tensions of quarantine.  So, take a walk.  Work in the yard if you have one.  Start a garden.  Explore some woods or wild areas.  Get sunshine on your face.  Wash your car or bicycle.

Use social media wisely

Social media does connect us.  But too much of it might cause harm.  Psychologist Claudia Allen says some studies show that social media can make some people feel left out or “less than.”  She suggests using it wisely.  One way is to meet with friends, family, neighbors and others over video messaging services.

Find ways to help

Allen says helping others is another way to lift your spirit during quarantine. This could be as simple as calling someone who is alone or greeting a neighbor from your window.  You could also provide a service online.  For example, if you are a teacher, you could offer online homework help to friends who must now home-school their children.

And, keep a check on your own feelings. If you are experiencing difficulty from the effects of quarantine, contact a health care provider, a community organization or an emergency hotline number.
この英文記事は、2020年3月23日付で、VOA Learning English サイトに掲載されたものです。
https://learningenglish.voanews.com/a/how-to-keep-mentally-healthy-during-a-quarantine/5338332.html
記事の使用を許可して頂きました VOA (Voice Of America) には心より感謝申し上げます。
This English article was originally published on the VOA Learning English website: https://learningenglish.voanews.com/a/how-to-keep-mentally-healthy-during-a-quarantine/5338332.html
I would like to express my sincere appreciation to VOA (Voice Of America) for permitting me to use the article.

Key words, phrases, and expressions

▼ 第5パラグラフ
outdoors:【副】屋外で(⇔indoors「屋内で」)
    ☆ spend time outdoors:屋外で時間を過ごす
boredom:【名】退屈(感)
    ☆ relieve/ease the boredom of quarantine
          隔離(生活)の退屈(感)をしのぐ、和らげる
    ※ boredom のコロケーションとしては、relieve の方がよく用いられる
 ・ tension:【名】緊張(感)
    ☆ ease the tension of quarantine
          隔離(生活)の緊張(感)を和らげる、緩和する
yard:【名】〔アメリカ英語では〕家の庭
garden:【名】〔アメリカ英語では〕庭[yard]の一部の花壇、菜園
explore:【動】~を探索する、探検する、探究する
    ☆ explore woods:森を探索する、探検する

▼ 第6パラグラフ
harm:【名】害
    ☆ Using social media too much might cause harm.
         ソーシャルメディアの使いすぎは害をもたらす。
feel left out:疎外感を感じる、取り残されているように感じる
                             蚊帳の外に置かれているように感じる
    ※ left out は句動詞 leave out「~を省く、除外する」の受動態 be left out
        に由来する。ここでは、feel の補語として形容詞的に用いられている。
feel less than:劣等感を感じる、人よりも価値のない人間だと感じる
    ※ ここでは、less than はひとまとめで単独の形容詞扱い。feel の補語。  

▼ 第7パラグラフ
lift someone's spirit:<人>の気持ちを高める
provide a service online:オンラインでサービスを提供する
・offer help to~:~に助け[援助]を差し伸べる
home-school:【動】<子ども>に在宅教育を行う
    ☆home-school one's child/children :子どもに在宅教育を行う

▼ 第8パラグラフ
・keep a check on~:~をチェックし続ける、~に目を光らせておく
experience difficulty from~:~(が原因)で困難を経験する。
contact someone:<人>と連絡をとる
    ☆contact a health care provider:医療提供者と連絡をとる
emergency:【名】緊急事態、非常事態 【名】緊急の、非常用の
    ※ emergency number:緊急電話番号
○ Key expression:使役動詞 make を用いた無生物主語構文 
<無生物主語> make+O+原形不定詞
     「S が原因で、[S のせいで、S のおかげで、]O は・・・する」
    ※ 直訳は「S は O に~させる」だが、主語が物・事の場合は、
         S を<原因・理由>、O+原形不定詞を<結果>と意訳した方が
         より自然な日本語になる。
  ☆ social media can make some people feel left out or “less than.”
      直訳:ソーシャルメディアは、一部の人々に疎外感や劣等感を感じさせ
                 る可能性がある。
      意訳:ソーシャルメディアが原因で一部の人々は疎外感や劣等感を感じ
                 るようになる可能性がある。

第5パラ

第1文、第2文

Like most health experts, Allen also advises people to make sure to spend time outdoors. Being in nature can help to ease boredom and other tensions of quarantine. 

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ほとんどの健康に関する専門家と同様、アレンは、必ず屋外で時間を過ごすようにすべきだとアドバイスもしています。
自然の中で過ごすことによって、隔離生活がもたらす退屈とその他の緊張を和らげてくれる可能性があります。

第1文
第5パラグラフでは、4つ目のアドバイスとして、屋外に出ることが勧められています。第1文はトピックセンテンスです。

○ 構文上のポイント
advise+O+to不定詞の advises people to make に関して
  「O に~するように勧める、アドバイスする」
make sure to不定詞の help to ease に関して
  「~するのに役立つ」

第2文
第1文を受けて、第2文では特に自然の中で過ごすことの効果について書かれています。第2文の Being in nature「自然の中で過ごすこと」は第1文の spend time outdoors「屋外で過ごすこと」を受けています。

○ 構文上のポイント
・Being in nature「自然の中で過ごすこと」に関して
    直訳は「自然の中にいること」ですが、日本語として、より自然な訳にな
    るように be動詞の部分を「過ごすこと」と意訳しました。
help to不定詞の make sure to spend に関して
  「必ず[確実に]~するようにする」

第3文~第8文

So, take a walk.  Work in the yard if you have one.  Start a garden.  Explore some woods or wild areas.  Get sunshine on your face.  Wash your car or bicycle.

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だから、散歩をしなさい。
自宅に庭があるなら、庭いじりをしなさい。
菜園や花壇[園芸]を始めなさい。
森や野生地域を探索しなさい。
日光を顔に浴びなさい。
車や自転車を洗いなさい。

第3文~第8文は、屋外での活動の具体例について書かれています。
yard と garden の違いに関しては、上のWords and phrases と解説図でも説明したとおり、yard「庭全体」ー  garden「庭の一部としての花壇、菜園」の関係となっています。厳密には同じ意味での言い換えではない点に注意!
その他は、特に問題ないかと思います。

第6パラ

第1文〜第3文

Social media does connect us.  But too much of it might cause harm.  Psychologist Claudia Allen says some studies show that social media can make some people feel left out or “less than.”

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ソーシャルメディアは、本当に、私達をつないでくれます。
しかし、ソーシャルメディアを利用しすぎると、 弊害をもたらすかもしれません。
心理学者のクローディア・アレンが言うには、いくつかの研究によると、ソーシャルメディアが原因で一部の人々は疎外感や劣等感を感じるようになる可能性があると判明しています。

第1文
第6パラグラフでは、5つ目のアドバイスとして、ソーシャルメディアの賢明な活用が勧められています。
但し、第1文〜第3文では、アドバイスそのものではなく、そのアドバイスの前提となる背景、根拠について書かれています。
第1文ではソーシャルメディアの効用について書かれています。

○ 構文上のポイント
・Social media does connect us. の does に関して
    この does は動詞 connect の強調で「本当に~」の意味です。
    S + 助動詞+ Vの原形 の形になることに注意!
    ※ もとの文:Social media connects us.
                          「ソーシャルメディアは私達をつないでくれます」
help to不定詞の make sure to spend に関して
  「必ず[確実に]~するようにする」

第2文
第2文では、第1文とは対照的に、ソーシャルメディアの弊害について書かれています。
harm「弊害」は明らかにマイナスの意味合いを持つ語ですので、チェックしておきましょう。単に「弊害をもたらす」だけでは抽象的ですので、次の文で具体的に説明されているはずと踏まえて読むことが大切です。

○ 構文上のポイント
・主語 too much of it に関して
    it は第1文の Social media を受けています。
    直訳では「ソーシャルメディアがあまりにも多いこと」となりますが、
    より分かりやすい英語で言い換えると、
    using social media too much「ソーシャルメディアを利用しすぎること」
    となります。

▼ 第3文
第3文では、第2文の「ソーシャルメディアがもたらす弊害」に関して、その弊害を示す研究結果を示して具体的に説明しています。
その弊害として、feel left out or less than「疎外感や劣等感を感じる」ようになると書かれています。

○ 構文上のポイント
    次の3点に関して、より自然な日本語になるように意訳をしています。
    (1) Psychologist Claudia Allen says
         直訳:心理学者のクローディア・アレンは~と言っている。
         意訳:心理学者のクローディア・アレンが言うには、~
    (2) some studies show that節
         直訳:いくつかの研究は、~ということを示している。
         意訳:いくつかの研究によると、~と判明している。
    (3) social media can make some people feel left out or “less than.”
         意訳:ソーシャルメディアが原因で一部の人々は疎外感や劣等感を感
                    じるようになる可能性がある。
         ※ <無生物主語> make+O+原形不定詞の構文に関しては、
               Key expression の説明を参照

第4文、第5文

She suggests using it wisely.  One way is to meet with friends, family, neighbors and others over video messaging services.

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(従って)彼女はソーシャルメディアを賢く活用するよう提案しています。
1つの方法は、ビデオメッセージサービスを通じて、友人、家族、近所やその他の人と会うことです。

第4文
第4文で、このパラグラフの主題「ソーシャルメディア賢明な活用」が提示されています。

○ 構文上のポイント
suggest ~ing「~することを提案する」の suggest using
・動名詞 using が導く名詞句 <using it wisely>の it は、
    第3文の social media を受けています。

第5文
第5文では、第4文を受けて、ソーシャルメディアの具体的な活用法の1つを説明しています。

○ 構文上のポイント
・<to meet with friends, ~ messaging service>に関して
     名詞的用法の不定詞 to meet が導く名詞句で、名詞句全体が補語です。

第7パラ

第1文

Allen says helping others is another way to lift your spirit during quarantine.

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アレンは、他人を手助けすることは、隔離生活中に気持ちを高めるもう1つの方法である、と言っています。

第7パラグラフでは6つ目のアドバイスとして、他人を手助けすることが勧められています。第1文はトピックセンテンスです。

○ 構文上のポイント
way to不定詞「~する方法」の another way 〔to lift ~〕に関して
    to lift 以下の内容は、another way の内容を具体的に説明しています。
    形容詞的用法の不定詞が導く形容詞句〔to lift your spirit during
    quarantine〕が another way を修飾しています。

第2文〜第4文

This could be as simple as calling someone who is alone or greeting a neighbor from your window.  You could also provide a service online.  For example, if you are a teacher, you could offer online homework help to friends who must now home-school their children.

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これ[=他人を手助けすること]は、孤独な人に電話をかけてあげたり、自宅の窓から近所の人にあいさつをすることと同じぐらい簡単なことかもしれません。
また、オンラインでサービスを提供することも可能でしょう。
例えば、もし、あなたが先生ならば、現在自分の子どもに在宅教育をしなければならない友人に対して、オンラインで宿題の手助けをして差し上げることができるでしょう。

第2文
第2文〜第4文では、第1文を受けて、他人を手助けする方法の具体例について書かれています。
第2文では、直接対面でできる方法について書かれています。

○ 構文上のポイント
・全体の大まかな文構造に関して
    A could be as simple as B or C.
  「A は B や C と同じぐらい簡単なことかもしれない」
    A ~ as <形容詞の原級>as B「A は B と同じぐらい~」の構文です。
    ここでは、B の部分が B or C となっています。
    A、B、C はそれぞれ以下のようになっています。
    A:This「これ[=他人を手助けすること]」
    B:動名詞が導く名詞句 <calling someone who is alone>
                                              「孤独な人に電話をかけてあげること」
    C:動名詞が導く名詞句 <greeting a neighbor from your window>
                                              「自宅の窓から近所の人にあいさつすること」
    to lift 以下の内容は、another way の内容を具体的に説明しています。
    形容詞的用法の不定詞が導く形容詞句〔to lift your spirit during
    quarantine〕が another way を修飾しています。

第3文
第3文、第4文では、他人を手助けする方法の具体例として、オンラインでできる方法について書かれています。第3文はその要点です。
provide a service「サービスを提供すること」は、第1文の helping others「他人を手助けすること」とつながりがあります。

第4文
第4文では、第3文を受けて、オンラインで他人を手助けする方法について、さらに詳しい例を挙げて説明しています。

○ 構文上のポイント
・名詞句 friends〔who must now home-school their children〕に関して
              「〔現在自分の子どもに在宅教育をしなければならない〕友人」
    関係詞節〔who must now home-school their children〕が friends を修飾

第8パラ

And, keep a check on your own feelings. If you are experiencing difficulty from the effects of quarantine, contact a health care provider, a community organization or an emergency hotline number.

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そして、自分自身の感情(の変化)に目を配り続けなさい。
もし、隔離生活の影響でつらい経験をしているならば、医療提供者や地域社会組織、緊急ホットラインと連絡をとりなさい。

第1文
第8パラグラフでは、最後のアドバイスとして、自分自身の感情の変化に目を配り続けることを勧めています。
なお、このパラグラフでは、英文テクストにサブトピックの見出しはありませんが、解説図では第1文の訳をそのままサブトピックの見出しとして追加しました。
また、次の第2文、さらに、この英文テクストの元になっている原文の内容を踏まえると、ここでは「感情(の変化)に目を配り続ける」として「の変化」を補った方がより分かりやすくなるかと思います。

第2文
第1文を受けて、自分自身の感情の変化に気づき、つらいと感じた時の対処法について書かれています。

○ 構文上のポイント
・主節の動詞 contact「~と連絡をとる」の目的語に関して
    contact A, B or C の形です。解説図を参考にすれば分かるかと思います。

今回の解説全体図

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今回も、最後まで英文テクストの解説をご覧頂き、本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。
もし、何かお気付きの点や良きアドバイスなどございましたら、twitterかnoteでコメント、メッセージなど頂けると大変ありがたく存じます。
次回は、別の VOA Learning English の記事を扱います。コロナ情勢を受けた日本のビジネス習慣の変化について扱った記事の英文テクストを扱って解説する予定です。

現在、英語教育関連職を希望して求職中の大変厳しい身ですので、気に留めて頂き♡やフォロー、コメントなど頂けると大変励みになります。
どうか、今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。

もし、私の英文テクスト解説記事をご覧頂いた上で、英語教育関連・英語教材関連の業務、その他の英文関連業務で、何か私にお役に立たせて頂けそうなことがあれば、ご連絡を頂けると大変幸いにて存じます。

私の経歴に関してですが、関西在住で、過去に、市販の青山・立教大英語入試対策問題集に掲載されている、New York Times の記事が出典の900語超の立教大過去問英語長文問題の解説執筆、ICU英語入試対策問題集に掲載されている、ICU過去問英語長文問題の解説の分担執筆の経験があります(ともに、翻訳、語句注、論理チャート、設問解説の執筆)。
また、市販英検2級対策問題集の共著者の1人として、英検2級過去問リスニング問題の解説執筆に携わらせて頂いた経験もあります(簡潔な設問解説と語句注の執筆)。
さらに、TOEIC985点を取得しており、過去に International House Vancouver の1ヶ月短期集中のTESLプログラム修了経験があります。

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