育つのは、俺だった。「はなれたくない」
娘(三歳半)は保育園でバイバイするときだいたい泣く。
「お迎え早く来るからね」
と言うとさらに泣く。
「はなれたくない」
と言って泣く。
親としては当然ぐっときてしまうわけだが、いつまでもこれじゃ困るなとも思う。
もちろん娘も日々成長しているので、
ただ悲しくて泣いているというよりも我慢してて溢れてしまうような泣き方に変わりつつある(と信じている)のだが、やはり「はなれたくない」と言う。
三歳児は自分の中にあるまだ少ない単語の中から、そのときに一番合っていると思われる言葉を探しては話している。そんな娘が「はなれたくない」と言う。
俺に対しては「行かないで」でもいいはずなのに、まずは「はなれたくない」という自分の意思をはっきり伝えるための言葉を選んでいるのだな。いま自分がどうしたいかを。
俺なんかよりよっぽど自分の意思を伝えている。
育つのは、俺だった。
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