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#ACPって、、、父の話

  この間まで、暑い!暑い!と言ってましたが、涼しくなりました。朝晩は、ひんやりとして、少し寒いような感じもあります。すっかり秋ですね。秋といえば、“スポーツの秋”、“読書の秋”、“食欲の秋”、“芸術の秋”と、様々な秋がありますが、みなさまにとっての秋はどんな“秋”でしょうか。


 私は、とても自然豊かな町で生まれ育ち、40年余り暮らしていました。小学校の図画の授業では、よく校舎の裏山に写生に行きました。春には、つくしや桜を題材に、秋には、赤や黄色の木々、さらには道端に落ちた松ぼっくりやどんぐりを描きました。
 大人になって、趣味というほどではないですが、ハンドクラフトを作って楽しむようになりました。自分で集めてきた自然の材料を使って、リースを作るのはとても楽しくて、出来上がりを想像するとわくわくします。父に畑で切ってきてもらったブドウやキウィのツルをくるくると丸めて土台を作り、気に入った形の木の実や松ぼっくりを思うままに貼り付けていきます。松ぼっくりはそのままでも素敵ですが、カラースプレーで色付けすると、一気に趣が変わります。お菓子などの包装に使用されていたきれいなリボンやオーガンジーで飾り付けると、おしゃれなリースが出来上がります。季節ごとに気分を変えて玄関先や室内で飾るのもいいですし、ちょっとしたプレゼントとしても喜んでいただけました。


 先日、“断捨離決行!!”との思いで、クローゼットを整理していたら、何年もすっかり忘れ去られていた箱を見つけました。箱を開けたら、作品がいくつか入っていました。日々の生活に追われて、過ごしている私ですが、作品とともに、亡き父との思い出も蘇ってきて、元気だった頃の父を思い出し、とても懐かしい気持ちになりました。

 近年、厚労省は、「人生会議」という愛称で、アドバンス・ケア・ プランニング(Advance Care Planning)の認知向上を図っています。私なりの言葉だと、「ACPとは、自分自身の希望や価値観に沿った生活や医療・ケアを受けるため、自分で考えたり、家族など信頼できる人たちと話し合うこと」という感じでしょうか。。。

 元気だった頃、少し物忘れがひどくなってきた頃、がんの告知を受けた時、、、。長い月日の中で、父が口にしていた言葉を思い出しながら、母と相談して、治療方針や病院を決めた。「父なら、こう決めただろう。こうしてほしいはず、、、。」
 母も私も、「しっかり見送くれた」と納得できたのは、我が家なりのACPもどきのおかげであったと思う。

 改めて、認知症の家族の気持ち、そしてがん患者の家族の気持ち、薬剤師としての関わり方を学ばせてくれた父に感謝。

みなさんも大切な方と、語ってみませんか?
ぜひ、人生会議のお時間作ってみてください。



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