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【7日間ブックカバー】 2日目 - 高橋克彦『楽園にようこそ』

Facebookの仲間達からバトンが渡されて7日間ブックカバーを開始。これは備忘録として記録しておきたい。

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【7日間ブックカバー】2日目 -  高橋克彦『楽園にようこそ』

高橋克彦による2007年のエッセイ『楽園にようこそ』。私は彼の小説『火怨 北の燿星アテルイ』、『炎立つ』、『天を衝く』といった東北を舞台にした小説が大好きで、更にそれ以外の彼の想像力が羽ばたく伝奇小説も含めて大ファンである。

理由は、彼が勝者によって改竄或いは抹殺された歴史を、彼独自の歴史観で掘り起こし、小説家としてのクリエイティビティで、素晴らしい「物語」に仕立て、私達を楽しませてくれるから。

このエッセイの中には「滅ぼされた楽園」という章がある。

「なぜ東北は執拗に攻め滅ぼされなければならなかったのか。それへの問いかけが私のスタートとなった。歴史的資料の乏しさが壁となってはだかっている。仕方なく伝説や民話を手がかかりとして東北を歩き回っているうち、天啓のごとく閃いた考えがある。東北には縄文時代のシステムがそのまま生き長らえていて、稲作という管理社会が基本である弥生以降の国家にとって最大の脅威ととらえられていたのではないか。狩猟採集を基盤とする縄文世界は稲作文化と違って土地に縛られず、搾取構造にもならない。上下の人間関係も成立しない。ある意味で理想的な社会主義を実現できる。家族単位の行動が軸となるから疎外や競争も生まれない。それがわずかの範囲内のことであるなら無視もできようが、東北という広大な土地にそういう自由を満喫している人々が暮らしていることは、集権国家にとってまさに見過ごすことのできない大問題であったのだ。

私は日本の歴史における東北の位置づけに、非常に興味を持っており、高橋克彦ではないが、なぜ日本の政府は常に東北に攻め込み、彼らを蔑み、敗者扱いしようとしたのかが、疑問だった。その答えの1つは、このエッセイの中にある。また東北に関心を持つと、必ず自然と共棲して豊かな文化と生き方を構築して、人生をエンジョイしていた縄文文化に行き着く。今のような時代には、立ち止まって、悠久の歴史を紐解くのもいいと思う。まずは、このエッセイで「楽園」とは何かを読んで欲しい。表紙と裏表紙に書かれている言葉も読んで。

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【目的とルール】
●読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、参加方法は好きな本を1日1冊、7日間投稿する
●本についての説明はナシで表紙画像だけアップ(書いても良い)
●都度1人のFB友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いする

【バトン】
バトンは、私の大切な友達のYamamoto Shogo さんに渡します。昨日はZoomで奥さんも含めて、4歳の娘さんと1歳の息子さんと対面してお喋りしました。娘さんは車で我が家に遊びに来ると言っていたけど、多分飛行機だと思う(笑い)。彼との付き合いも長く、今は素敵な家族を持って何より。起業家のしょうごさん、お願いします。

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#BookCoverChallenge #day2

サポートどうもありがとう。あなたのサポートがあれば、私の書くことへのpassionはもっともっと続くと思う。