ドアをあけたまま、10秒だけ待って。
ひーくんが小学生になってから、
それまで、保育園に「一緒に行く」だったのが
「いってらっしゃい」と見送るようにかわった。
玄関まで行き、
「たのしんできてね!」とタッチして
ひーくんが玄関を出る姿を見送る毎日。
ある朝、ひーくんが水筒を忘れていたので、
あわててマンションの階段を降りていくと
玄関のドアまでお母さんが出てきて、
小学生の娘さんを送り出す姿があった。
あ、いいな!
玄関をあけて子どもを見送るその姿が、
玄関の手前でバイバイする私よりも
なんだかすてきに思えた。
さっそく次の日から、
玄関のドアをあけて見送るようにした。
ひーくんもいつもより嬉しそう。
そして、ひーくんが学校から帰ってくると
「ママ、朝バイバイするときさ、階段降りたところでママのほう見るから、明日からドアをあけたまま10秒だけまって!」
とお願いがあった。
玄関を出て、またくるっと振り返ったときに見ていてほしいなんて…かわいすぎる!!
「いいよ!」とふたつ返事でOKをして、
次の日から玄関のドアをあけ
ひーくんが階段を降りて振り返るまでを見守る
のが日課になった。
階段をおり、くるっと振り返るひーくんは
私の姿を見てどんなことを思っているんだろう?
ランドセルを背負って歩く後ろ姿、
そして、くるっと振り返って見せてくれる笑顔。
玄関をあけてからの10秒間に、
ママもがんばるぞー!
と、私の方が元気をもらっている気がする。
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