ご褒美になってますか?よしよし、ギュー、ちゅっ!

「あ〜、パジャマ忘れた…」

子どもたちと入っていたお風呂から上がると、私のパジャマだけがない。マンションで比較的温かいとはいえ、リビングを抜けて奥の部屋までパジャマを取りに行くのはかなり気が引けた。

そこに現れた、ひと足先にお風呂から上がり、もうパジャマに着替えたひーくん。

「ごめん、ひーくん。ママのパジャマ、あっちの部屋から取ってきてほしい〜!」

ひーくんは、「えー、どこにあるかわかるなぁ…」と乗り気じゃない顔をしながらも、パジャマを探しにいってくれた。

そして、きちんと私のパジャマを抱え、すぐに戻って来た。

「めっちゃ助かる〜!ひーくんありがとう!」

と言うと、即

「ご褒美は?」

と返された。

ご褒美!? うーん、ひーくんに助けてもらったけれど、ここでお駄賃をあげるのも、ゲームの時間を増やすのも何が違う…。人が困っていたら助けてあげる、ありがとうが嬉しくて動く。そんな風であってほしいもんなぁ…と考え

「じゃあ、ご褒美はママのよしよし、ギュー、ちゅっ!どれでもいいよ〜!全部でもいいし!」と言ってみた。

するとひーくんの反応はなく、全く別の話を始めてしまった…。うーん、、やはり私の愛情表現はご褒美になりえなかったか…。

「どれも、いらないんやねー」

と私が少し残念そうにつぶやくと、

「ふぇんぶ!」

「え?」

「だから、ぜ〜んぶ〜」

と、目線を合わせずにひーくんが言う。

ひーくんの頭をよしよしとなで
ギューっと抱きしめ
ちゅっとしようとしたとき

「抱っこも!」

と追加リクエストが入り、
抱っこしてほっぺにちゅっとした。

すると、ひーくんもちゅっと返してくれた。


か、かわいすぎるー!!!

2年男子がこんなにもかわいいなんて、母はすっかり骨抜きに。どっちのご褒美だったのか、まるでわからなくなっていた。

すっかり満ち足りた気持ちになり、にまにましてひーくんを見ると、私がお風呂上がりに顔に塗ったクリームが苦かったらしく、ペッペッとつばを吐いていた…。

ひーくん、ごめん!
ちゅっのお返し、めちゃうれしかったけど、今度かやお風呂上がりはママからだけにするね。



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