「もう、かえっちゃうの?」
小2のひーくん、5歳のさーちゃんには、すぐ近くに住む小3男子のあーくんと、小1女子のはーちゃんといういとこがいる。
ほんとにご近所だから、一時期は4人全員が同じ保育園に通い、毎日顔を合わせていた。年齢も近く、でも少しお姉さんのはーちゃんは、さーちゃんの憧れであり、大好きな存在。
そんな、はーちゃんと遊べるのを、もう何日も前からずーーっとたのしみにしていた。
そして、待ちに待った今日。
朝から男子たちは市民マラソンに参加。
その間も、さーちゃんは、はーちゃんにべったり。お互い持ち寄ったすみっこぐらしのとかげと、ポムポムプリンの人形を葉っぱのお部屋へ招待し、木の実のご馳走をふるまってとても楽しそう。
お昼からはわが家へ移動し、お昼ごはんを食べて、ゲームをして、おやつを食べて、また遊んで遊んで。
なんやかやんやで気がつけば、もう外は真っ暗。
「あ〜、今日はいっぱいあそんだね!そろそろ帰るからお片づけしよ〜」とはーちゃんママが言った。
それをきいたさーちゃんは、
「え?もう帰っちゃうの!?」と叫ぶなり、私の元へ駆けて来た。身に付けていたエプロンの下にもぐりこんで、顔をまったくみせようとしない。
「はーちゃんとお別れするのが、さみしいんやね」
私がそう言うと、エプロンの中で顔をぶんぶんと横に振り、ますますエプロンを深くかぶってしまった。
そうこうしているうちに、はーちゃんが帰ることになり、なんとかなんとか力を振り絞って、さーちゃんがエプロンから顔を出した!
「さーちゃんバイバイ!」と言われると、バイバイと言わずに手を振って見送った。
そして玄関のドアが閉まると、はーちゃんは号泣。
「大好きなはーちゃんが帰っちゃって、さみしいんやね」と言葉をかけると、こんどはこくんとうなずいた。
はーちゃんには、さみしいことがバレるがイヤだったんだ。
いまを全力て生きてるさーちゃん。ちょっと強くみせたいさーちゃん。我慢できずに泣いちゃうさーちゃん。
その全部が、ママは愛おしいなぁと思ったよ。
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