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初めての海外旅行はシンガポール

初めてカードをつくり、パスポートも取得

初めての海外旅行はシンガポール、大学の卒業旅行だった。
仲の良い女友達5人、おそらく全員が初海外。
およそ35年前、大学の卒業旅行で海外に行く人は割と多くて、お金がある人達はヨーロッパやアメリカに、私のようにバイトはしていてもきっちり蓄えていない者たちは東南アジアやリゾート地に行くことが多かった。
最終的にシンガポールが渡航先に選ばれたのは、治安がよく清潔、価格も手ごろだったから。正確にはいくらかかったのか忘れてしまったけれど、パックで10万円くらいだったのかなあ。
ヨーロッパに行くとなると予算は20万円を優に超えるから、プラスアルファかかる費用を考えると難しく、もっとちゃんとバイト代貯めておけばよかったと後悔したものだ。

海外は行ったことないし、一体どんな用意をしたらよいかも分からないから、海外に詳しい友達(とはいえ、彼女も初海外だったんじゃないかな)に引っ張られる形で、渡航先を選び、内容も選び、言われるがままに必要書類を準備した。だから、行くまでの過程のことはあまり覚えていない。トラベラーズチェックを持っていた方が良いと言われて、それも準備した。

シンガポールは初海外に最適の地だった

35年前のシンガポールはまだ経済発展の途中で、街中はとてもキレイだったけれど(当時から、ゴミを捨てると罰金とかの制度があった)、海辺のいたるところで建築工事がされており、東南アジアの一リゾートって感じだった。今は日本も追いつかないほどの経済都市になっちゃったけど。
面白いのは、いろいろな人種民族がごちゃまぜになった国(他民族国家)なので、中華街、インド人街、アラブ人街など、それぞれの民族が形成した街があって、それぞれのエリアに入るとがらりと街の印象が変わることだ。
お土産や食べ物も、それぞれの民族性豊かなものが売っているので、町を探索するのも面白い。比較的安全な上、1ヶ国でいろいろな国の雰囲気を味わえるのがいい。
いかにも観光地っぽいお土産も買えるし、高級ブランドを扱う商業施設もあるのでそういう買い物もできる。
食事も屋台から高級レストランまでバリエーション豊富で、シンガポールを初海外の渡航先として選んだのは正解だった気がする。

シンガポールには実質5〜6泊ぐらいしたのかなと記憶しているが、女5人、長く滞在していると、それぞれに行きたいところややりたいことの自己主張が起きて、2人と3人に分かれたり、5人で合流する約束をすっぽかされたり、小さないざこざもあった。とある屋台では、ぼったくられたこともあった。
しかしながらチームのリーダー的存在のしっかりものの友達が、下調べから現地での行動までを細やかに先導してくれたので、私などは特に自ら何もせずにただただ付いていくのみ。そのチームリーダにひたすら任せっきりだった。
その後、どこかのタイミングで海外に目覚めた私は、一人でいろいろ海外を旅したが、初海外当時の私は、ただのポンコツだった。

インド人街で過去世に目覚めた友達

旅行の途中、2人と3人に分かれて行動した後、5人で合流する約束の時間に1時間以上も遅れてきた2人は(当時は携帯電話というものがなかったので連絡がとれなかったのです)、インド人街に行っていて遅くなったと謝ってはいたが、額にインド人の女性のように赤い小さな印をつけていて、それが可愛らしかった。そして興奮した様子でそこでのできごとや飲んだチャイがいかにおいしかったかを話してくれた。
1時間以上、3人を待たせながらも、インド人街での体験がよほど面白く印象に残ったようで、聞いていて私も、私もインド人街の方に行けば良かったかなと少し後悔した。
そして仕舞いに、その1人が大真面目にポツリとつぶやいた。
「たぶん私、過去世でインド人だったと思う…」

ここはシンガポールだけどね。
他の4人は全員思ったと思う。ここはインドじゃないし…って。

真剣に過去世を語る友達が可愛くて、私もインド人街に行ったら自分の過去世に出会えるのかな??とちょっぴり興味が湧いたが、その旅行でインド人街に行く機会はなかった。残念。まあ、アラブ人街でも中華人街でも、そもそもシンガポールでも、自分の過去世には出会えなかったけど。

その後ずいぶん経ってから、私は一人で本当のインドを旅したけれど、そこでも自分の過去世は見つけられなかった。
「私、過去生でインド人だったことはないわ、たぶん」

#忘れられない旅 #シンガポール #インド人

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