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景色も人もどこか懐かしいベトナム。舟上での押し売りも良い思い出_海外ベトナム編

ベトナムを一緒に旅したのは、身ぐるみ剥がされたスペイン旅同行の友達二人。今から20年以上前の話なので、旅の記憶も一部曖昧なところがあることをあらかじめ断っておく。
当時ベトナムに行くにはビザをとる必要があり、渋谷の職場から、仕事の合間に同僚に借りた自転車でベトナム大使館までビザの申請に行ったことを覚えている。
一緒にベトナムに行く友達の分まで代理でビザを取ったあげたのか? そこは全く覚えていないのだけれど、渋谷周辺には多くの大使館があるので、やっぱり東京って便利だなと思ったものだ。

オプショナルツアーは現地申込みが安い

HISでエアチケットとホテルなどの外郭部分は予約した。
ベトナム旅は、ホーチミンを避け、ハノイ、フエなど国土の中央より北側を中心に観光し、その2都市に宿泊したが、空港からホテルまでの送迎や、2都市間の送迎も付いていたので便利だった。
細かいオプショナルツアーは現地で頼んだほうが安いからと、自分たちで旅のプランを立てることにしたが、不安もあったので1つか2つはあらかじめ日本での申し込み時点でオプショナルツアーを頼んでおいたと思う。

コロナになってから海外には行ってないし、近年はエアチケットもホテルもネットで頼んでしまうので、現状の旅行会社を通じて日本で申し込むオプショナルツアーと現地で申し込む同様のオプショナルツアーの差額は正確には分からないが、現地なら日本の半額以下が相場だと思う。

そんなこんなで女子3人がそれぞれの希望を叶えつつ、観光の目玉として挙げたポイント+現地で行って良かったポイントは以下。
※ホーチミンを含む中央より南側には行けなかったので記載なし。ベトナムは「また行きたい!」と思った国だけれど、それ以降行けてないので、早めにまた行きたいな♪ 今度はホーチミンも。

ベトナム中央〜北部観光の目玉

1>ミーソン、クアンナム遺跡群など
カンボジアのアンコールワットを見てみたいと思いつつも、未だ行けていない女子3人。似てる??というわけでもないけれど、ミーソン、クアンナム遺跡群は観光の必須ポイント。
実際、一体どの遺跡に行ったのか、記憶は少し曖昧なのだけれど、フエ??か、その周辺のどこかの船着き場からドラゴンボート???みたいな舟に乗ってその入口まで行った気がするんだよね。
そういうオプショナルツアーをこの記事を書くにあたって探してみたけれど、ピンと来るものがなかったので、ホテルのコンシェルジュに相談して、現地でアレンジしてもらったのかもしれません。
そこでのお話は後ほど詳しく!!

2>ハロン湾一日観光
これはもうベトナム観光の目玉。クルーズ船で島やコウモリのいる洞窟、鍾乳洞を巡り、船上で豪華な海鮮ランチを美味しくいただき、食後は船上でお昼寝。ベトナム行くならハロン湾には絶対行くべき!!
3人共、満場一致で絶対ハロン湾に行きたかったので日本のHISで申し込んだかも(記憶はあいまいです)。

3>水上人形劇
伝統芸能を鑑賞したくて…ハノイ市内観光のついでに劇場窓口でチケットを事前購入。夕方、ホテルからタクシーで。記憶だと宮廷料理を食べながら鑑賞したような気がするんだけれど、ネットで調べるとそういうツアーはなさそうだし、あいまいな記憶を整理すると、フエで食べた宮廷料理と記憶が混同しているんだろうな。ただ何かしらの民族音楽とか踊りとかを鑑賞しながら宮廷料理をいただいたことは確実。フエに行くなら宮廷料理を賞味してみるのも一興。
水上人形劇はそれほどタイトなスケジュールでなければ、事前に申し込むよりも現地でチケットを購入したほうが安いし、宮廷料理のツアーも現地で頼んだほうが確実に安いと思います。

カラフルでお手頃価格のベトナム雑貨はお土産にオススメ

4>美しいベトナム刺繍
日本だったら絶対に手に入らないような色鮮やかで精緻な刺繍絵、美しい刺繍が施されたバッグや服、布製品が、現地では割とお手頃価格で手に入る。ベトナム刺繍については、ベトナムに行く前から興味があった訳ではないが、現地で刺繍工房を見学したり、カラフルでかわいいベトナム雑貨にたくさん出会い、ベトナム刺繍の魅力にハマった。価格も安く、お土産についつい沢山買い込んでしまった。色鮮やかで精巧な刺繍の施されたバッグやポーチ、シューズなど、雑貨を見て回ったら一日なんてあっという間。日本だったら絶対に買えないような価格で刺繍のバッグや服が手に入るのは嬉しい。20年以上たった今でも、ベトナムで買ってきたお土産が家には沢山ある。滞在中のホテルでその美しさに見とれて衝動買いしてしまったベトナム刺繍絵も、少し色褪せてはいるけれど実家のリビングに飾ってある。
ベトナム刺繍工房を訪ねた際、考えさせられたことがいくつかあるので、そのことは後ほど。

5>どこか懐かしい牧歌的な田園風景
実際にベトナムに行き、街を散策、食事、買い物して、各所でベトナムの人たちに触れ交流して感じたのは、ベトナム人は穏やかで優しく、勤勉な国民性を備えていて、どこか日本人に通じるところがあるなってこと。
所々で関わってくれた現地ベトナム人のツアーコンダクターの女性もとても勉強熱心、真面目で穏やかな人だったし、各所のお店の人たちも、ホテルマンも皆、優しく穏やかな人たちでした。

私がベトナムを訪れてからもう20年以上経っているので、今はどうかは分かりませんが、当時のベトナムは戦前の日本ような牧歌的な景色が広がり、人々は勤勉で、穏やかで優しく、これからベトナムは経済的にもどんどん成長していくんだろうなという印象でした。
その印象がとても強かったので、カメラなどの精密機器や電化製品、衣服などにベトナム製と記載があると、今でも安心します。

ベトナムには、わずか1週間程度滞在したに過ぎませんが、例えほんの数日であっても、実際にそこに居るからこそ、目に見えるもの、聞こえる音、感じられる匂いや空気、人々の体温ってあるし、20年以上経っても記憶に刻まれ続け、時にはそこに住んで生活する人々への、ある種、信頼感のような感覚につながることもあるんですね。

絶対忘れない!! 旅の思い出あれこれ

後からは笑える体験。ミーソン遺跡群観光でぼったくられそうに

旅先の各所で何故かぼったくりに遭遇してしまう私(脇が甘い)。
ベトナム観光の目玉の一つ、ミーソン、クアンナム遺跡群観光では、フエかハノイの河の船着き場みたいな所から、大きめのボート(ドラゴンボートだったのかな?)に乗って、どこかの船着き場みたいな所で降ろされた。
ちなみにこのボートは終日3人で貸し切りのようなもので、数時間後にまたそのボートに戻り、次の場所に移動します。

船着き場からはバイクタクシー(原付きかと思っていたが調べたら原付きではない)の後ろに乗って、クネクネの山道を登り、何箇所かの遺跡スポットを巡ったのですが、山道なのにメッチャスピード出すし、運転も荒い!! 振り飛ばされないか、事故らないか、ドキドキでした。
ベトナムといえばバイク天国。ハノイでは道路一面を埋め尽くすほどのバイクの通行量に驚いたものですが、山の中の移動もバイクなんですよね。
バイクタクシーの運転手(運転手は若いお兄ちゃんとお姉ちゃんでした)とは、ある程度観光料金が決まっているので(料金表を示した看板もある)、それを元に交渉して支払金額を決めたはずなのですが、観光が終わって元の場所に戻ると、支払い金額が足りないと文句を言ってきました。
しかし大方の相場は私達も知っているし、交渉して、お互い納得してお金を決めたはず。それ以上、支払えないと突っぱねて、私達3人はボートの方に急ぎ足で戻りましたが、ずっ〜と文句を言いながらついて来るんです。
その運転手達もそれほど英語が話せるわけでもないし、どこかで意思の疎通に問題があったのかもしれない。恐らく予定のところよりもプラスで違うところにも行ったからその分を払えと言っているようでしたが、いろいろな所でぼったくられそうになり、たまにぼったくられている私達は、今回は一銭も払いませんよ!! とう強い意志をもって、付いてくる運転手を完全無視してボートに乗り込みました。
ボートのおっちゃん(船頭さん)が、私達に付いてきて何かを叫んでいるバイクタクシーの運転手と少しベトナム語で話しをしていましたが(何を言っているのかは分かりません)、なんとか無事にボートは船着き場を離れることができました。
私達はボートのおっちゃんと顔を見合わせて笑い合い、ひとまず一件落着となりましたが、料金交渉ってなかなか難しいですよね。

ちなみにベトナムでは、ツアーのガイドさんとかは英語を話せますが、現地のバイクタクシーやボートの船頭さんは英語を話せない人が多いので、意思疎通の手段は、数字と身振り手振り、簡単な英語と表情などになります。
車もバイクも、タクシー料金というのは、日本の相場と差がありすぎるし(安いので桁を間違えがち)、ベトナム通貨のドンと日本円とのレート計算が、慣れないうちは一桁間違ってしまいそうになるので、要注意です。

初日、タクシーで移動した時も、日本円とベトナムドンとの換算を勘違いしてしまって、うっかり、通常価格の100倍ものお金を支払いそうになりました。
タクシーの運転手にそのお金を渡してから、「あれ?違うぞ!!」と気づいて、運転手が手にしたお札を慌てて引ったくって、正しい金額を渡し直したのですが、運転手も初めはなにも言わず受け取っていましたので、こちらが気づかなければそのままだったでしょうね。
とはいえ運転手さんも、受け取った料金に少し戸惑っている様子で固まっていたので、基本、人はいいのだと思います。
日本だったらそのくらいの料金で標準なのですが、ベトナムのタクシー料金は日本の百分の1くらいで、かなり安い(今の相場は少し上がっているかも)。日本のタクシー料金は、他国と比較すると、ベトナムに限らず概ね高いです。
通貨のレート計算、現地の料金感覚は、特に初日などは慣れていないので間違いやすく、注意が必要だと改めて感じた出来事でした。

ボッタクリを免れた後のランチタイムは大勢で

遺跡を堪能しながらも、バイクタクシーでぼったくられそうになり、それでもなんとか彼らから逃げることができて一安心の私達。
お昼は貸し切りのボートの上でのランチとなりました。
現地のいろいろな食べ物が舟の上に並べられ、それを囲んで「おいしそう♡いただきま〜す」となった時、なんか奥の方から小さな子どもが一人、二人と出てくるんです。
ボートの船頭さんとたぶんその奥さんが、優しい笑顔で、たくさん食べてねって感じで、いろいろなものを勧めてくれるのですが、私達から少し離れたところに、おそらくその夫婦の子供たち4人ほどが座って、私達がご飯を食べるのをずっと見ている。
たくさん食べてねって言われても、食べにくいこと極まりない。船頭さんと奥さんも、ずっとそばでニコニコしながら私達を見ているし。

「ちょうどお昼時、子供さんたちも、奥さん、旦那さん(船頭さん)も一緒にいかがですか?食べ物はたくさんあるし」ということで、ランチはボートの船頭さんの家族と一緒にいただくことになりました。

船頭さんの家族はボートに住んでいるんだと思います。
朝は気づかなかったので、午前中は学校に行くなどして、私達が遺跡観光している間に合流したのかな。
でも舟の上で、現地の人たちが食べているような食事を、その家族の皆さんと一緒に食べるのは楽しかった。言葉は上手く通じないけれども、現地の人たちと関われたのも貴重な体験。
父親の仕事を懸命に手伝っている男の子が、見た目は小学4,5年生にしか見えないのに年齢を聞くと16歳だったのも驚き。日本人は若いと言われますが、ベトナム人の方が小柄で細く、もっともっと若く見えました。

そのままボートの家族と楽しく交流しながらのんびり癒やしの舟旅…となれば、美しい旅の思い出として記憶のアルバムに綴られるところ。
しかし、どうも私達にはちょっとしたハプニングが必要なようでして…

買っても終わらない押し売り地獄… 早く船着き場に着いてくれ〜

食後、お腹もいっぱいになってダラダラのんびりしていると、船頭さんの奥様が、舟の奥の方から風呂敷に包まれた何かを出してきました。それはベトナム刺繍の施された布、巾着、ベトナムの風景が描かれた団扇、水彩画などなどでして、舟上いっぱいにそれらが並べられました。
見てくれという奥様に従い、初めのうちは「へー」といいながら、ゆっくり眺めていた私達ですが、まぬけな私達もさすがに途中で「えっ?これって、売りつけられてるの??」と認識しました。
奥様は、これどうかしらなどと次々と品物を勧めてくるのですが、いずれもそれほど上質とも思えず、触手も動かない。興味がない、好きではないと断れば断ったで、また別のお土産が奥の方から次々と出てくる。中には、「これって小学生が描いた絵だよね??」みたいなものも多数登場しまして、閉口しました。
その上、興味がないと断った時の奥様の、はにかんだ悲しそうな笑顔。心に刺さり、申し訳ないという気持ちにさせるのです。

それで私達3人は、「コレって何か買わないと終わらない感じだよね??」と日本語で相談し、「それぞれ一つずつ何か無理をしても買っちゃおうよ」という話になり、それぞれが「まあ、これならいいかな…」と思えるものを一つずつ買ったのです。
これで一安心と胸をなでおろしたのもつかの間、ドラえもんのポケットのごとく、出発地の船着き場まで、奥様からはいろいろなお土産品が次々と披露され、勧誘は延々と続いたのでした。 笑

ちなみにこの舟上で購入したものは、帰国してからしばらくは自室においてありましたが、そのうちに捨ててしまいました。奥様!! ごめんなさい。

心に刻まれた、刺繍工房で見た光景

美しく精緻なベトナム刺繍。その工房を訪れる機会もありました。
ツーリスト気分でウキウキしながら訪れた工房でしたが、そこで見た光景は、戦争の悲惨さと無意味さを象徴するものでした。
例えどんな理由があれ、戦争は一切誰も幸せにしない。絶対にしてはいけない。何が何でも避けるべきこと。心の底からそう思いました。

私はどちらかといえば右翼、日本も防衛策として軍備を整える必要はあると、当時も今も思っています。しかし戦争には絶対反対!!
ベトナムの刺繍工房で、その思いを一層強くしました。

刺繍工房では幼い子供から大人まで、多くの技術者が作業を行っていましたが、顔が崩れたり、体が曲がったり、腕や脚が一部なかったり、足りなかったりと、障害を持った人たちが目につきました。
障害を持っていても技術は確かで、それぞれがとても美しい刺繍を施していましたが、中には障害があるから刺繍工房で働くしかない人、障害がなければもっと多くの刺繍を効率的に施せるかもしれない人もいるでしょう。
工房で働いているのは障害がまだ軽度だからで、見えないところではもっと重度な障害を持つ人達がいることは想像に難くない。
戦争の影響が、当事者だけでなく、戦争が終わって何十年も経っても子供たちの体を蝕み続け、心やその将来に悪影響を与え続けている。
そのことを実感した、刺繍工房見学でした。

NO MORE WAR!! 戦争は誰も幸せにしない

それから20年以上が経った現在も、世界各地の紛争や戦争は耐えることがありません。
しかし、紛争や戦争は何も解決しないし、何も生まない。
それどころか、今を懸命に生きている人たちの未来の可能性までも奪い取る悪行であることを、私も含めて世界中の人達が自覚すべきです。

ベトナム女子3人旅を楽しく思い出しつつも、決して誰も幸せにしない戦争の無意味さを痛感し、平和を願う、過去旅の振り返りとなりました。

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