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映画『ミッション・マンガル 崖っぷちの火星打ち上げ計画』と、私がもらったプレゼント

1月8日金曜日、くもり。

緊急事態宣言下の初日、アップリンク吉祥寺にインド映画『ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打ち上げ計画』を見に行った。

インドの宇宙事業プロジェクトが、低予算のため実現不可能と思われていた火星探査機打ち上げを、メンバーたちの創意工夫と情熱で成功させるという、実話にもとづくストーリー。

女性技術者が開発に立ちはだかる予算的な問題を、家事の節約をヒントに解決するというところが素晴らしい。人の賢さというのは、日常のどんなことにも普遍性を見出す力のことだと思う。

プロジェクト・メンバーの多くが女性というのもよかった(映画だけでなく実際も、女性科学者たちが携わっていたよう)。男性のリーダーも、困難に出会うたびにユーモアで周囲を説き伏せ、励まし、チームを成功へと導いていく。いわゆる強いタイプのリーダーが出てこないところも共感できた。

最終的には打ち上げに成功するメンバーたちだが、当初は無謀だと思われていた火星プロジェクトに配属されて、やる気を失っていた。それが変化するきっかけは、女性リーダーに聞かれたある質問――「あなたの二度目の誕生日は何?」。二度目の誕生日、それは自分が科学者になろうと決意した日のこと。一人ひとり胸に秘めたストーリーがあり、それをもう一度思い出すことで、仕事への情熱を取り戻していく。

それを見ていて、スクリーンの前で私も自分に問うた。私の「二度目の誕生日」はなんだろう。自分が今の仕事を志そうと決意した日。アレクサンダーテクニーク教師という仕事を知るはるか前から、私の中で始まっていた物語。私の情熱、そして使命。心に一陣の風が吹き、一瞬記憶の断片が舞い上がる。胸が熱くなった。

それにしても、伝統衣装のサリーを身にまとった女性たちが火星探査機を打ち上げる姿が、なんとも言えずしっくりくる感じがするのは私だけ? 私の中ではインドと宇宙開発は、原点回帰みたいに違和感がない。インドは古代文明発祥の地だから、なんとなく、宇宙の神秘が似合う気がする。

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「二度目の誕生日」について考えるきっかけをもらったこの日、ひとつ年を重ねました。偶然見た映画だけど、素敵なプレゼントをもらった気分。ケーキを食べながら自分にお祝い。生まれた日の「8」は私の好きな数字。漢字で書くと末広がりだし、横にすれば無限大。

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