読書記録88(独学大全)

・学ぶことは、つまるところ自分を変えること一つ新しい経験を積めば、わずかでも知識を獲得すれば、人は否応なく変化する。
・自分が知っていることと知らないことの境界は、自分の知の最前線であり、学習が生じるべき境界である。知っていることを、やさしいことからより難しいことに向かって順に並べていくと、やがて自分の理解があやふやだったり、記憶が不確かであるところにも行き着く。これこそが学びなおしのスタートとすべき地点である。
・挫折はメタ認知にとって一番の材料である。自分の見込みが違っていたことをこの上なく教えてくれる。挫折抜きに、人は自分を知ることができない。計画を立ててみないと、そもそも計画倒れしようがない。計画倒れという学習機会を得るためにもプランニングは重要。
・真面目に計画するからこそ、人は自分にできることとできないこと、自分の置かれた状況のよい面悪い面をまともに考えようとする。
・進展や成果を寿ぎ(ことほぎ:祝福すること)、志に結び付けて、その力を積み増しする。失敗や挫折に打ちひしがれた時は、志に立ち返って気力を回復し、再挑戦の時を待つ。こうした繰り返しが行為や思考が拡散するのである。
・志の強さは、それを立てた瞬間にではなく、自身の行為や思考を絶えず志に結び直した、その繰り返しの中に生じる。
・「なぜそれをしたのか?しなかったのか?」と自問自答し理由付けすることで、出来事と行動と人格をできるだけ一貫にしたものになるよう、結び付け直す。こうして自分がどういう人間であるかを説明する自己物語を、半ば無自覚に、繰り返し語り直し、さらに演じ直している。
・最終目的の付近から学習する方法の長所は、以下の3つ。
①最終目的を常に意識するのでモチベーションが維持しやすい。
②わからないのがどこか、足りない知識が何かを明確にしやすい。
③最終目的に必要なことしか勉強しないために無駄がなく時間短縮になる。

〇ラーニングログ
・ラーニングログは、自分が読み進んだ、解き進んだ本や論文のタイトル、その日の開始パージと修了ページ、今日進んだページ数などを記録するもの。時間も記録することもよい。この記録が蓄積することで、独学者は自身の「現在の位置」を知ることができる。

〇先行子操作
・行動分析学では、最も重要なのはターゲット行動(目標を達成するためにする行動)の直後に生じる状況だと考える。
・好子:ターゲット行動を増加させる結果。好子がないようであれば、人工的に作ることも必要である。
・嫌子:ターゲット行動を減少させる結果
・先行条件を変えることで行動を変容させること。6つのアプローチを経て先行子操作をする。
①望ましい行動につながる先行条件や手がかりを提示する。
②望ましい行動のための確立操作(好子の効果を高めること)。
③望ましい行動の反応努力を減らす。
④望ましくない行動につながる先行条件や手がかりを取り除く。
⑤望ましくない行動のための確立操作


〇行動デザインシート
・行動デザインシートは、私たちがすでにやりすぎている行動(過剰行動)や、なかなか進まない・着手できない行動を「教材」として学び、そこから得られた知見を使って、不足行動を増加・定着させたり過剰行動を抑制する技法である。
・自分の過剰行動・不足行動を4つの軸で分析し、不足・過剰行動を改善するために転用すること。

〇習慣レバレッジ
①既に習慣となっている行動で、足がかりとなる習慣(頻繁に行うもの)を選ぶ。例:スマートフォンを見る
②足がかりの習慣の直前に新しい習慣を行う。
③②を繰り返し、少しずつ重い習慣に変えていく

〇セルフモニタリング
・計画する人は多いが、実態を記録する人は少ない。何にどれくらいの時間を費やしているのかという記録をするだけでも、現実的なプランニングとスケジューリングが可能となる。

<効果>
・現実の行動を記録し認知化し、こうありたいという理想と認知との間にギャップすなわち認知的不協和を引き起こすことで、行動を変化させる動機付けが生まれる。
・記録するために自分の行動の一つひとつに注意を払い意識化できる。これを通じて無意識的に習慣化・自動化している行動そのものや、その兆しやきっかけについても自覚化を促すことで、問題行動のきっかけを抑制し、良行動のきっかけを増やす。
・セルフモニタリングの結果が記録に残ることで、行動改善やそのための自己監視がどの程度できているのか、きちんと続けられているのかについて、自分とともに第三者も確認可能となる。

〇学習ルートマップ
①紙の両端に現状と目標を書く。②ステップを書き加えて、現状と目標をつなぐルートをつくる。③他のルートも考える。④複数のルートから実際に学習するルートを選ぶ。⑤実際の学習を進めながらルートマップに修正を加えていく。



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