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結局ピカソってすごいのねと思い知らされた「キュビズム展」@国立西洋美術館

今年の「美術館始め」は上野の国立西洋美術館で開催されているキュビズム展へ。

上野は大好きな場所なんですが、実は国立西洋美術館へ行ったことがなかったんです。私の上野お決まりコースは、東京国立博物館、藝大美術館、たまに東京都美術館なので、国立西洋美術館(国立科学博物館も)は素通りだったんです。今回のキュビズム展は、話題になってることはもちろん、西洋美術史が曖昧な私でも楽しめそうだなぁと思い、行ってみることにしました。

昨年のエゴン・シーレ、マティスに続き、今回も友達のYちゃんと一緒です。Yちゃんは若い頃から展覧会にたくさん行っているんですが、今回の国立西洋美術館はリニューアルしてからはじめてとのことでした。(2022年4月にリニューアル)

「かわいい〜」と後ろの若い子達が言ってた
入口の撮影スポット

入口で作品リストを手に取ると、なんとA4が3枚分!結構たくさんあります。それらが14の章で構成されています。以下、ザザっと紹介してみます。

1、キュビズム以前 ーその源泉
タイトル通り、キュビズムの前の作家の作品がありました。
ポール・セザンヌ、ポール・ゴーガン、アンリ・ルソー。
そして作者不明の仮面や像。
これらの作品からキュビズムへと繋がっていったようなので、ここは序章です。

2、「プリミティヴィズム」
パブロ・ピカソ、ジョルジュ・ブラック、アンドレ・ドラン、そしてマリー・ローランサンの作品。絵と造形物の展示ですが、全部女性です。

3、キュビズムの誕生 ーセザンヌに導かれて
ブラックがセザンヌに憧れてレタックの地で描いた作品。
ピカソの《裸婦》という作品が素敵でした。

4、ブラックとピカソ ーザイルで結ばれた二人(1909ー1914)
タイトル通り、二人の作品がずらっと並びます。
キュビズムの説明の際によく出てくるやつの、本物です。

ジョルジュ・ブラック《ギターを持つ男性》
これはまだギターがわかる


5、フェルナン・レジェとフアン・グリス

キュビズムを代表する作家のようです。
初めて聞く名前でした。

6、サロンにおけるキュビズム
アルベール・グレーズ、ジャン・メッツァンジェ、ロジェ・ド・ラ・フレネー、アンドレ・ロート。。。ここでも初聞きの名前ばかり。
キュビズムにチャレンジした人、たくさんいたんですね。

7、同時主義とオルフィスム ーロベール・ドローネーとソニア・ドローネー
今回の展覧会のメインビジュアルの作品が展示されていました。
大きい作品なのでみんな写真撮りまくりです。もちろん撮りました。
この大きな作品を見て、たま〜になる「閃輝暗点」(突然視界がキラキラするやつ)に似てるなと思いました。画家は閃輝暗点になったら「よっしゃ!見えた!」って思ったんじゃないかな、と思ったり。

ロベール・ドローネー《パリ市》
キュビズム作家達は閃輝暗点を描いた?(閃輝暗点になったら正直鬱陶しいけど)


8、デュジャン兄弟とピュトー・グループ

便器の人ですよね、マルセル・デュジャン。
兄弟だったんですね。

手前左、レイモン・デュジャン=ヴィヨン《座る女性》


9、メゾン・キュビスト
建築物とその中のサロンの、でっかいパネルの展示がありました。 

10、芸術家アトリエ「ラ・リュッシュ」
ラ・リュッシュというアトリエに集った作家たちの作品展示です。
キュビズムって言ってもいろいろあるんだなぁと思いました。
コンスタンティン・ブランクーシ、マルク・シャガール、アメデオ・モディリアーニ、ジャック・リプシッツ、アレクサンダー・アーキペンコ。

アメデオ・モディリアーニ《女性の頭部》
この人の、名前は知ってたよ


11、東欧からきたパリの芸術家たち

ウクライナやロシアからパリにきた作家の作品でした。
この二つ国の名前を聞くとため息が出ます。
「世界的な問題から目を背けるな」と言われているようでした。
レオポルド・シュルヴァージュ、セルジュ・フェラ、エレーヌ・エッティンゲン。

12、立体未来主義
図録を見返しても、なかなか激しめのタッチの作品です。
ミハイル・ラリオーノフ、ナターリヤ・ゴンチャローワ、ジャン・プーニー。

13、キュビズムと第一次世界大戦
戦争がキュビズムにも影響を及ぼしたことが紹介されていました。

レイモン・デュジャン=ヴィヨン《大きな馬》
そんな時代でいろいろあったので兄弟で完成させたらしい作品


14、キュビズム以後
大戦後の作品で、ル・コルビュジェの絵もありました。
ピカソとブラックの作品のほかに、アンリ・ローランス、フアン・グリス、フェルナン・レジェ、ジャック・リプシッツ、アメデ・オザンファン。
もうお腹いっぱい。。。

アメデ・オザンファン《食器棚》
思わず家の食器棚を思い返して比べてしまった(主婦目線)


いや〜、見応えたっぷり、多くの展覧会に行ってるYちゃんも大満足でした。作品以外にも、展覧会のリーフレット、新聞や雑誌の記事の資料なんかもあって、普通に見ても1時間半ぐらいかかりました。ゆっくり見たい人は2時間ぐらいかかりそうです。

昨年は一人の作家の展覧会(エゴン・シーレ、マティスなど)に行ったのですが、作家の人生と画風変化の重なりを見ることができました。今回のように一つのジャンル(時代)の展覧会で、複数の作家の作品を見るのも面白いもんだなぁと思いました。その中で目を惹くというか、「なんかコレ、、、」と思って引き寄せられた作品が、全部ピカソだったんです。もうキャプション見るたびに、「またピカソかいっ!」って、何回もなりました。なんなんでしょう?やっぱりオーラみたいなやつなんでしょうか?なぜだか際立って見える。。。(誰か教えて)

「ええ〜、結局ピカソってすごいのか〜〜、、、」
本でも画像でもない、本物を目の前にしてそう思ったのでした。

パブロ・ピカソ《輪を持つ少女》
画像では伝わらない〜〜、てか作品を語る技量が私にはない〜〜


いよいよ今週末、28日(日)までです。
まだの方はぜひお出かけください!

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