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舌が肥えると幸せが減る?

去年は結婚し、今年は家を買い、いよいよ大人になってきた感がすごい

残高が足りなくてクレカの支払いが遅れたり、仕事に行きたくなさすぎて当日欠勤したり、親に図書館の督促状を部屋の扉に貼られたり、姉にお金を借りたり...数年前までぜんっぜん大人じゃなかった。

こんな私でも、結婚や住宅購入以外に「大人になったこと」を実感することがある。

先日、遅くまで残業していた後輩のK君と、同じく残業していた夫と私の3人で飲みに行った。金曜の夜だからいつもの居酒屋は満席で、むかーし夫と2人で行ったチェーン店の焼き鳥屋がたまたま空いてたので入ることに。

21時過ぎまで残業していたから、3人ともハチャメチャに腹が減っていた。焼き鳥の盛り合わせ、つくねの6種セット、鳥刺し、フライドポテト...片っ端から食べたいメニューを頼んでいった。

早々に乾杯を済ませ、届いたばかりの熱々の焼き鳥を口に運ぶ。

おいしく、ない

あれっ..........めちゃくちゃお腹空いてるよな......焼き鳥おいしくない...んだ、焼き鳥屋だよね、うん、でもチェーンだし...期待しすぎたかな、うん...

急降下したテンションを必死になだめる私。数年前に食べた時は、可もなく不可もない味だった記憶なのだが、今の私の感想は明確に「おいしくない」だった。ちなみに、焼き鳥だけじゃなくお酒もあんまりおいしくなかった。

もしかしたら記憶が曖昧なだけで、昔食べた時もたいしておいしくなかったのかもしれない。だけど私は、自分の舌が肥えてしまった可能性を考え始めていた。

以前読んだ本の中で、「舌を肥やすな、飯がマズくなる」という話があった。おいしいものを食べれば食べるほど舌が肥え、おいしく感じる食べ物が減ってしまう。すると、おいしさを感じる瞬間も格段に減り、幸せな時間も減ってしまうからだそうだ。

居酒屋からの帰り道、焼き鳥をおいしいと感じられなかった理由をぼんやり考えて、この話を思い出した。自炊をほとんどせず、安さを重視してもやし焼きそばばかり食べていた数年前。舌が肥えている夫と付き合い始めてから、本当に色々な場所にご飯を食べに行ったし、自炊も週5日以上するようになった。

味覚が底辺だったのだから、舌が肥えないわけがない。舌が肥えていない方が、おいしい食べものが多いのは間違いないけど、舌が肥えて良かったこともある。

例えば、料理の味付けが格段にうまくなった気がする。今までは何を食べても使われている調味料がわからなかったし、お肉や野菜の質の違いもわからなかった。当時、ご飯は安ければ安いほど良かったけど、今はおいしくないご飯にお金を出すくらいなら、一食我慢してもおいしいご飯を食べたい。

それに、年齢を重ねるにつれて色々な人とご飯を食べに行く機会が増えるし、収入が増えればちょっと高めのレストランに行くことだってある。そう考えると、遅かれ早かれ、誰しも舌が肥えるんじゃないかと思う。

だから、私は今のタイミングで舌が肥え始めたことをな〜〜んにも後悔していない。これからももっとおいしいものを食べて舌を肥やしていきたい所存である。

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