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話にオチなんて、いらない。

先日、会社の後輩K君と夫と私の3人で飲みに行った時の話である。K君と行った居酒屋でご飯がおいしくなくて絶望した時の話はこちら。

K君がマッチングアプリを辞めてしまったという話から、なぜアプリで彼女ができなかったのか原因究明する流れになった。マッチングした相手とは初回デートでランチをして2回目に誘うも、その後連絡が途絶える女の子が続出し、辞めてしまったのだという。

K君は見た目が悪いわけでは全くなく、清潔感があって賢そうな理系イケメンである。高校時代は甲子園常連校で野球漬けの日々を送り、大学の卒論が優秀すぎて教授に盗用されかけ、今はワンルームにキングベッドを置いて生活しているという、設定盛り盛りの男の子だ。これだけスペックが高いのに彼女ができないわけがない。

初回デートの後に連絡が途絶えるということは、初回デートが相当つまらなかったのか、女の子側がK君にピンとこなかった可能性が高い。とりあえず、デートでどんな話をしていたのか、ロープレをすることになった。

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トークスキル底辺の私が女の子役をやると、K君・女の子両名がコミュ症でロープレにならない。そのため、トークスキルにステータスを全振りしている夫が女の子役になり、K君と初回デートのロープレをすることに。

夫「お休みの日は何してるの?」
K君「休み…何も、してないですね」

デート、終了である。何もないことないだろ!と、私は心の中で全力でツッコんだ。休みの日の過ごし方なんて1番定番そうな質問なのに、なぜ回答を用意していないのか。まさかK君、これまでのデートでも無趣味を吹聴してきたわけではあるまいな…?と、開始早々ただならぬ雰囲気が漂い始めていた。

私「K君散歩は??23区散歩してるって言ってたじゃん!」
K君「あっ…!23区回ってたりしてます」
夫「そうなんだ〜!どこ行ったりしたの?」
K君「あ〜…行けばわかるんですけど、写真とか撮ってないので場所わかんないです」
夫「そっか!なんで23区回ってるの?カフェ行ったりご飯屋さん開拓したりとか?」
K君「いえ、そういうのじゃないです」

K君は無趣味で特に理由もなく23区を徘徊している、ということしかわからなかった。ロープレから察するに、デートで女の子が話を広げても、K君が話を終わらせにかかって会話が弾まなかったに違いない。

K君は正直すぎる上、過程をはしょって結論だけ話そうとする。たまにしかやってなくても「休みの日はこう過ごしてる」と言ってなんら問題ないし、話を盛ってわかりやすくするのは、話を広げやすくなって相手のためにもなる。

また、ロープレ前に「住みやすい地域を見つけるため23区を散歩してる」と聞いていたのだが、ロープレでは「23区を回ってる」としか話さなかった。これではK君の人となりが見えてこないし、なんで散歩してるのかわからなくてこわい。

ロープレ後のフィードバックでそれを伝えると、「23区を散歩してる理由は2つあって…」と、結論から話し始めようとする始末。ビジネスじゃないんだから、要点をまとめて結論から話すな

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ロープレで(1)話を盛らなさすぎる(2)過程や背景をはしょりすぎる点が問題に上がったが、その後の取り調べでさらなる問題が発覚した。それは、「話にオチをつけようとする点」だ。

K君は大学時代お笑いについて研究していた背景があり(おもしろすぎる)、どんな話にもオチをつけたがる傾向にある。自分の話ならまだいいものの、女の子が話してる内容にもオチをつけようとしてしまうらしい。迷惑である。

私の完全なる偏見だが、女の子の話には大抵オチがない。この前行ったおいしいカフェ、今ハマってるアイドル、最近変えたばかりのネイル、オチなんてあろうはずがない。私もよく夫にオチのない話をして「終わり?」と聞かれる。自分が話したいことを話してるだけなので、もちろんオチはない。

女の子がつまらなそうにしているのを見たK君は、オチをつけて話を盛り上げようとしているのだという。涙ぐましい努力だが、頑張る方向を間違えている。別に女の子はオチのあるおもしろい話をしてほしいわけではなく、自分の話に興味を持って聞いてほしいだけなのだ。

話にオチなんていらない。K君の話を聞いて、婚活・恋活をする全ての男性に伝えたくなった教訓である。

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