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編集者・ライターが意識しておきたい紙とWebの違い

編集者という職業で一括りにされてしまうことがたまにありますが、紙媒体の編集者とWeb媒体の編集者では作業内容に違いがあります。紙媒体でも小説の編集者と雑誌の編集者は作業内容が違いますし、写真集、カタログ、DMなどでも違います。

当然、Webコンテンツの編集者もそうですね。例えば、スポーツの中に野球、サッカー、水泳、陸上などがあるように、編集の仕事の中に、小説編集、雑誌編集、Webのコラム編集、ホワイトペーパー編集などがあるイメージです。

僕自身は紙媒体の編集を長く続けてきて、現在ではWeb編集とマネジメントをしていますが、小説の編集経験はありません。なので、これから小説の編集担当になれと言われても、「え…?小説の編集って何をやったらいいの…?」といった感じです。

このように、紙媒体の中でもいろいろ違いがあるので、ざっくりと「紙とWebの違いはなに?」と聞かれると、細かいところは目をつぶるしかありませんが、それでもざっくりと編集者・ライター視点で説明してみようと思います。

物理的に存在するかどうか

紙とWebの大きな違いは、物理的に存在するかどうかです。当たり前すぎますが、物理的に存在するかしないかでさまざまな違いが出てきます。

初期コストの違い

紙媒体は印刷コストがかかります。売れる売れないにかかわらず、必ず最初に印刷コストがかかりますが、Webには印刷コストはかかりません。このnoteのように、Webでは初期コストをかけることなく発信できる場合もあります。もちろん、ちゃんとメディアを立ち上げるとなったら印刷コストくらいの開発コストがかかりますが、コストをかけないという選択肢もあるということですね。

表現の制限の違い

紙は物理的に存在することで、その紙面の中で表現しなければなりません。決められたページ数の中で表現する必要があり、印刷するので直すことができません。音や映像を紙で表現することも難しいといえるでしょう。

一方、WebはWebで制限があります。紙はページ数が決まっているけどWebは無限だといったような話を聞きますが、そんなことはありません。Webでは、長々と書いても読んでもらえないことが多くあります。音や映像を載せることは可能ですが、メディア内でフォーマットが決まっていたらそれに則る必要があります。

また、Webでは修正が可能なので、記事を育てていくということもできます。いま検索結果の上位に表示されていても、その順位は絶対ではありません。いい内容の競合記事が出れば、そちらが上位になる可能性もあります。そこでリライトして、より読者が求める記事に変えていくことがWebではできるのです。

誰がコンテンツを読者に届けるか

違いを挙げればキリがなく、細かい違いはもっとあるのですが、編集者やライターが絶対に意識しておきたい違いを最後に挙げておきます。それは、誰がコンテンツを読者に届けるかということです。

紙媒体の場合、その多くは書店が読者に届けてくれていました。もちろん、出版社や著者などの発信者がプロモーションを行うことはありますが、コンテンツを届ける役割は書店が担っています。

一方で、Webは編集者やライターなどの発信者が読者に届けます。紙媒体を作ったら書店が届けてくれましたが、Webコンテンツを作ってもそれだけでは読者に届きません。どのようなルートで読者に届けるかを、編集者やライターが考えないといけないのです。

例えば、BtoBのSEOコンテンツであれば、検索結果の上位に表示されるようなコンテンツを作り、サービスへの導線も考える必要があります。コンテンツによっては、公開後にXやインスタグラムなどのSNSで拡散するという方法もあるでしょう。企画段階から編集者やライターが届け方を考えておかないと、読者にとって有益なクオリティの高い記事を作れないですし、読者に届けることもできなくなってしまいます。

紙媒体の編集者がWebの編集者に転身したときに、なかなか届け方まで考えられていないことがよくあります。しかし、そもそも同じ編集者であっても作業内容がまったく異なるので、それは仕方がない話でもあるのです。

ナイル株式会社に所属している編集者は、ほとんどが紙媒体とWeb媒体の両方を経験しており、紙媒体の中でも雑誌、書籍、新聞など、さまざまなジャンルに携わっていた人たちです。ナイル株式会社では、そういった経験を活かしてWebコンテンツを作っています。

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ということで、僕が所属しているナイル株式会社では、編集者を募集しています。弊社での編集業務の内容や働き方などについて質問があるようでしたら、僕のXアカウントにDMをいただければ回答します。ナイル株式会社の編集業務に興味のある方は、下記リンクをご覧ください。


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