反面教師と優等生
「先生、牧本さんにはがっかり」
「・・・・」
「クラスでも一番期待してたのに」
「・・・・」
「お母さんから連絡あった時、本当に心配したよ」
「・・・・」
「どこかで倒れたんじゃないかって」
「・・・・」
「コンサートなんて受験終わったらいつでも行けるでしょ?」
「コンサートじゃなくって、ライブです」
「どっちもいっしょです!」
「・・・・」
「あっ、そうだ、保健の先生にも後で謝りに行きなさい・・・あんな演技までして。本当に体調悪いように見えたよ。俳優になれるんじゃない?」
「・・・・」
「信用を落とすのは簡単だけど、取り戻すのって大変だよ?」
「先生は誰もだましたりしない?」
「え?・・・なにが?」
「こないだ先生がラブホテルから若い男の人と出てきたの見たから」
「・・・・・」
「先生の旦那さん、望月先生ですよね?バレー部の」
「・・・・・」
「先生も人に嘘ついたりしてるんじゃないですか?」
「・・・・・」
「私もがっかりした、先生に。授業中もあんなにラブラブエピソード楽しそうに話してたのに、全部ウソか不倫した男の話ってこと?」
「・・・・それ、誰にも言ってない?」
「次の期末テストの問題知りたいです」
「・・・わかった、教える」
「ありがとうございます」