【幸福な人生に医療費はいらない】
先日のお看取り。
90代女性、最後まで独居を貫いた方。老衰でした。
数年前から徐々に介護が必要になり、東京など遠方からお子さんたちが三々五々集まってこられて一緒に過ごされたり。それでも自宅での生活を基本に、いろ葉の小規模多機能(訪問介護・デイサービス・緊急お泊まり、のすべて叶えくれる介護)の力を借りて最後までご自分の意思を貫かれました。
御本人は拙著「うらやましい孤独死」を愛読されていて、お友達もたくさん紹介してくれました。
最期もご自宅で、ご家族に囲まれて。
これ以上ない、最高の人生の終い方だと思います。
お看取り後、ご家族のお一人が、いろ葉スタッフなどみんな(20人くらいいたかな?)に突然コップを配れられ盛大に「献杯」まで。
関わったみんなが(多分亡くなられた御本人も)幸せな気持ちになりました。
そして、タイトルの医療費の話。
日本人が平均的に使う終末期医療費は、最期の1年で約200万円とのこと。
https://www.gakushuin.ac.jp/univ/eco/gakkai/pdf_files/keizai_ronsyuu/contents/contents2015/5201/5201suzuki/5201suzuki.pdf
彼女の医療費は最期の1年でわずか約50万円。
ご家族の理解と優秀な介護スタッフとほんの少しの医療があれば、
これだけの低コストで最高の結果を出せるのです。
「医療費削減」というと、何かを我慢する、とか犠牲を払って…という話になりがちですが、こうしてすべてが幸福な医療費削減も出来るのです。
僕はこの驚愕の事実を夕張で学びました。
日本全国にこうした医療が広がれば、医療費なんていくらでも削減できるんですよね。しかもみんなが幸せに笑いながら。
日本全国、これでいいんじゃない?
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夕張に育ててもらった医師・医療経済ジャーナリスト。元夕張市立診療所院長として財政破綻・病院閉鎖の前後の夕張を研究。医局所属経験無し。医療は貧富の差なく誰にでも公平に提供されるべき「社会的共通資本」である!が信念なので基本的に情報は無償提供します。(サポートは大歓迎!^^)