見出し画像

岩田健太郎氏から「デタラメ」と批判されたので反論しておきます(超過死亡とワクチンの相関について)


こんにちは医師&医療経済ジャーナリストの森田です。

今回は、岩田健太郎氏(神戸大学教授)への反論です。

というのも先日、岩田健太郎氏のvoicy(音声によるラジオブログのようなサイト)にて僕が名指しで「デタラメ」「シンプルな間違い」と批判されていたのでした。

僕も全然知らなかったのですが、通報を頂き聞いてみると、たしかにそうおっしゃっておられます。


岩田氏と言えば、皆さんご存知、あのコロナ初期にダイアモンド・プリンセス号に乗り込んでそのずさんな感染対策をユーチューブで告発した岩田氏です。

ちなみに僕は昔からよく知っていて(一方的に)、岩田氏の本も何冊も読んでいます。研修医時代は岩田氏の感染症DVDでよく勉強させて頂いていました。ちなみに彼とは同い年なんですが、僕は再入学で医師になったので医師になるのが彼よりかなり遅れています。

で、その批判の内容ですが、「コロナワクチン」と「超過死亡」の相関についての僕の記事についての批判でした。


記事はこちら。


(これは9月末の記事ですのでまで8月の超過死亡が出ていないのですが、御存知の通り8月の超過死亡は超激増。ワクチンと超過死亡の相関は、この記事よりもっと強くが出ています。)


僕のこの記事に対して、彼は「デタラメ」で「シンプルな間違い」と言っているわけですね。

voicyの最後で以下のようにまとめています。

1,因果関係と相関関係はちがう
2,原因が結果の後にくることはない
3,政府がデータをごまかしているというような陰謀論に飛びつかない

これに対して以下、僕から反論したいと思います。


1,因果関係と相関関係はちがう


たしかにそのとおりです。僕も上記記事の末尾で

注)「相関関係がある」からと言って「因果関係がある」とは限りません。限りなく怪しい状況証拠ではありますが、科学的な視点で言えば確定した証拠としては扱われませんのでご注意下さい。

と注記しているくらいですから。

実は他の要因によって増減しているのに「見かけ上こちらの要因と相関しているように見えているだけ」ということもありますし、稀ではありますが、「偶然相関してしまっただけ」ということもあるのです。

その真偽を問うために、そうした諸々の条件、いわゆる「交絡因子(バイアス)」というものを除外して比較することが求められるわけです。

ただ…残念ながら、交絡因子を除外したりして徹底的に研究されれば、その因果関係の真偽が明らかになる、というのは簡潔に言って「幻想」です。

社会で起こっている事象には無数の交絡因子が存在しますので、研究にどの交絡因子を含むか(含まないか)によって結論がまるで逆になることもあります。

コロナで世界各国がロックダウンしましたが、その効果を分析した論文にも賛否両論、複数の論文が対立しあっています。
それは「人種」「経済」「気候」「地理」「感染状況」「マスク率」「食事内容」「人流」「高齢化率」…など、数え切れないほどの交絡因子を、どう扱うかによって結論が変わってきてしまうからです。(それを利用して恣意的に交絡因子を設定し、自分の主張したい結論に持っていくことさえできます)

そう、リアル社会で発生した社会事象の分析は、結論が出ないことが多いのです。

「資本主義は人類を幸福にしたのか?」
「ゆとり教育は効果的だったのか?」

などもそう。実社会には評価が分かれてなかなか結論が出ないことのほうが多いのです。


ちょっと話がそれましたが、そういうことで、「超過死亡」と「ワクチン接種」の因果関係が判明することは「たぶんない」と思っていたほうがいいでしょう。おそらく複数の論文が対立して終わりです。

もちろんRCT(接種群・非接種群の2群をランダムに配分してどちらの群に超過死亡が多いか、を見る実験)なんていまさら出来るわけがありません。リアル社会は実験室ではないのですから。


つまり、今回発生している超過死亡者の理由は現時点では「わからない」ということです(多分今後も)。

だからこそ、

「これだけ相関関係があるのだから、その真偽は不明ではあるけれど状況証拠的にはかなり怪しいし、因果関係も視野に入れて相当の警戒心を抱くべき」

という流れになるべきだと思いますけどね。

だって、ワクチンというものは健康な人に打つものです。
これまでのワクチンでもずっと「厳格な安全性」が求められてきたのですから。日本脳炎ワクチンなんて重症例4例で接種勧奨を中止したんです。

すでにコロナワクチンは、医師が因果関係を疑った死亡報告だけで1900例を超えています。なんでコロナワクチンだけこんなにズブズブなんでしょうね。


たしかに正解はわからないかもしれません。
結論が出ないかもしれません。

でも、そんな現実世界の中で、「それでもよりベターなものを模索し、決断していく」、これが政治に求められるものであり、それを支えるのが社会学・哲学・人文科学だと僕は思っています。



2,原因が結果の後にくることはない


おそらく岩田氏は上記、「相関関係が因果関係ではない(超過死亡の原因はワクチンではない)」ことの大きな理由としてこの「原因が結果の後にくることはない」ということを、あげられているのだと思います。

これについては岩田氏の発言を明確に否定できます。

岩田氏は

「原因が結果の後にくることはない。だからおかしい」

と言っていて、これはつまり

「原因は必ず結果の前に来るはずだろ?来てないじゃないか!」

という意味ですが、いやいや、来ています。

日本の統計的では完全に

「ワクチン接種」→「感染増・コロナ死増・超過死亡増」

です。

それがこちら。

青線がワクチン接種者数
赤棒グラフがコロナ感染者数・コロナ死亡数・超過死亡数です。

出典:医療統計情報通信研究所 https://medicalfacts.info/


ちゃんと、原因が結果の前に来ていますね。

岩田氏は何を見て発言しているのでしょうか。統計を見ればすぐわかる、「デタラメ」で「シンプルな間違い」なのに。

シンプルすぎてもうこれ以上言うことはありません。



なお、このグラフを見て、

「超過死亡が増えてる時はコロナ死も増えてるから原因はやはりコロナなんじゃない?だったらコロナ死を防ぐためにワクチンが必要!」

という意見も聞かれますが、超過死亡総数のうちコロナ死亡はほんの僅か(数分の一程度)です。とても主要な要因とは言えません(そもそもコロナ死は過剰に計上されていますし)。

ていうか、そもそもこれだけワクチン接種→感染増・コロナ死増という相関関係が何度も再現されているのに、なぜ未だに「コロナ死を防ぐためにはワクチンが必要!」と思えるのか不思議でもあります。
本来ワクチン接種が増えたら、感染も死亡も減るべきなのに…結果が逆ですよね。


3,政府がデータをごまかしているというような陰謀論に飛びつかない


これはもう皆さんご存知かと思っていましたが、専門家の岩田氏でさえも意外と知らないのかもしれませんね。
政府はこれまでワクチン接種を推進したがために大きなごまかしを2回もやっています。

「ワクチン心筋炎データのごまかし」

「ワクチン接種不明者を未接種者に計上していたごまかし」

です。

長くなるので今回は詳しくは説明しません。詳細を知りたい方はこちらのTV報道動画ご覧下さい。


これだけ大きなごまかしを2度もやっていて…それを指摘する人たちを「陰謀論」と呼ぶのは、逆に何かの「陰謀」を感じてしまいます。


まとめ


考えてみると、日本の殆どの医師はコロナワクチンを推奨しており、またすでにワクチンを自分にも他人にも接種しているんですよね。
だからこの件に関してはもはや第三者ではないのです。

医師はワクチン推進事業の当事者であり、だからこそ仮にもし薬害になったりした場合、医師の殆どが共犯者になってしまうのです。

医師もそんなことにはなりたくありません。だから必死で否定するのでしょう。

そう。専門家が冷静で客観的な判断をしてくれるという一般市民の清らかな期待は、今となってはもう「儚い夢」なのです。

超過死亡の増加についても日本中の医師が、「このまま結論が出ないで有耶無耶になってほしい」と願っているのではないでしょうか。

ま、おそらくその願い通り、「対立する論文が複数でて終わり」になるんでしょうけどね。残念ながら。

…こうなるともう、市民が目覚めるしかないのかもしれません。

「正解のない社会の中でよりベターなものを模索し、決断してゆく」

専門家に期待しすぎず、お任せしすぎずに、きちんとみんなで考えていくことこそが大事なのではないかと思います。

そうでなければ、我々は「客観的判断の出来ない専門家に生活の全てを支配されかねない」のですから。



なお、こちらの本にはその辺のことがもっと詳しく載っているのでオススメです(宣伝です)


以上、「岩田健太郎氏から「デタラメ」と批判されたので反論しておきます(超過死亡とワクチンの相関について)」でした。

科学的で納得出来る説明をしてくれるなら僕はいつでも自説を曲げる準備は出来ていますので、ぜひ岩田氏からの反論を期待したいところです。ま、岩田氏はTwitterで「反論は読まない」と断言されているので、多分この記事も読んでくれないでしょうけど…。




注)この記事は投げ銭形式です。

医療は誰にでも公平に提供されるべき「社会的共通資本」、
という信念なので医療情報は基本的に無償で提供いたします。
でも投げ銭は大歓迎!\(^o^)/
いつも一人で寂しく原稿を書いているので、
皆様の投げ銭から大いなる勇気を頂いております!
ありがとうございますm(_ _)m


■新刊




■内容(はじめにより抜粋)■
2019年に始まった新型コロナウイルス騒動。
医療業界をはじめ行政やメディアに先導されたこの騒動は、残念ながら「経済を壊し」「人々の絆を断ち切り」「自殺数を増加」させてしまった。
私は経済学部出身の医師という立場から、このような過剰な感染対策によるデメリットを憂いていた。そしてそれを問題視する発信を続けてきた。だが、この「過剰にコロナを恐れてしまう風潮」は2022年になっても依然として継続している。
2022年1月の全国高校サッカー選手権の準決勝では、選手2人に新型コロナ陽性反応が出たとのことで関東第一高校が出場を辞退した。
まるで「コロナに感染したら社会の迷惑・厄介者」と言わんばかりの対応だ。感染してしまった当該生徒の気持ちを察するに余りある。
コロナ騒動が始まってもう2年も経っているのに…
社会の過剰反応は当初と何も変わっていないように感じる。
今後もこのような風潮が続くのであれば、それこそ「新しい生活様式」となって社会に定着し文化になってしまうのだろう。
私はそんな「家畜」のような生活を、感染を恐れて人との絆や接触を断ち切るような社会を、絶対に子どもたちに残したくない。
そんなやりきれない思いが日々高まってゆき、我慢できなくなったのが、本書を書こうと思ったきっかけだ。

■タイトル・内容の過激さから数々の出版社から書籍化を断られクラウドファンディングによる自費出版となった本書。
一夜にして目標額を達成し、その注目度は医療にとどまらず人文・社会科学にも広がっている。
 ↓
https://amzn.to/37nNQO5




ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 500
期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得

夕張に育ててもらった医師・医療経済ジャーナリスト。元夕張市立診療所院長として財政破綻・病院閉鎖の前後の夕張を研究。医局所属経験無し。医療は貧富の差なく誰にでも公平に提供されるべき「社会的共通資本」である!が信念なので基本的に情報は無償提供します。(サポートは大歓迎!^^)