無題

カイゼンに必要なマインドと仕組み作り①

改善活動に必要なマインドと仕組みを、現在ナウで行っているインドネシア バンタエン職業訓練校 のソフトスキル(PDCA)の授業を通して自分の視点で考えていきます。

数回に分けて書いていきたいと思います。
今回は入口の基本的な考え方についてです。

まず最初に、カイゼン活動に最も必要なのは「カイゼンマインド」「仕組み作り」です。

2019年から2022年にかけて、インドネシア バンタエン職業訓練校 にてインドネシア全国(西はスマトラ島、東はパプワ島)のインストラクターの集合教育を実施しています。

目的は全国のインストラクターのアップグレーディング。そして、評価・育成システムの構築です。

インドネシア自動車業界を中心に、優秀な人材が常に育成されるように、インストラクターに対して集合研修を実施しながら、評価・育成を実施する。PDCAを常に回転させながら、上昇させる仕組みを作ることです。


✈インドネシア渡航 第一回目 ~2019年10月~✈

☆第一回目は基本知識の理解☆ ~自身がインストラクターを実施している、各職業でカイゼン活動を実施する為に~

授業で実施した内容です。

①5Sの理解(整理・整頓・清掃・清潔・躾)

5Sについての学科、そして、より理解度が深まるように課題シートの実施を行いました。散らかった机の上を整理・整頓の実施と、なぜそうしたかの理由を共有していきます。そこで重要な視点があります。

① 使用頻度に応じて置き場所を考える。
② 動きに「ムリ・ムダ・ムラ」がないのか考える。
③ 異常発生時(ハサミが元の場所に戻されてない)にすぐに気づけるように、あるべき姿を決める

この3点を中心に授業を進めていきました。インプットした事を、アウトプットして理解をより深くしていきます。目的はアウトプットをすることです。インプットの工程は、アウトプットする為にあると考えてもいいくらいです。


②現地現物で学校内の問題を発見する

問題解決の最初の入り口になります。「現地現物」これは机上で考えてもダメよね。実際に自分が直接その場に行き、確認をするという事です。

職業訓練校の中をスモールグループに別れて、「現地現物」を行いました。実際にその場に行くことにより、起こっている現象(問題)を体感する事が大事です。問題というのは、あるべき姿と現状のギャップになるので、自身が問題と感じていることは、すでにあるべき姿がこうであると、定義されているはずです。そして、行うべきことは、あるべき姿を具体的に決めて、ギャップを明確にすることです。※明確にするということは具体的な数字があるという事です。


③論理的思考力のトレーニング

PDCAを回していく上で、論理的思考というのは理解しておくべき内容です。

私自身、学生の頃から全然頭もいい方ではなく、成績もいつも中の中くらいでした。3年前からインドネシアでのPDCA授業実施を通して、地道にコツコツと論理的思考力のトレーニングをしてきました。今ではインストラクターに対して授業実施ができるレベルになりました。その経験から、論理的思考力というのは後天的に身に付くものだと思っています。頭の中を整理・整頓するだけなので、その方法さえ理解できれば誰にでもできます。

授業では以下のような内容で、論理的思考力をトレーニングします。

① 簡単な課題を出して、1分間で考えを紙一枚に書き出す。(例えば、遅刻した生徒に対してどのように対応しますか?)
② 簡単な問題を出して、その問題を分解する。(Who,When,Where,Whatの4Wを中心にブレイクダウンしていく)
③ 簡単な課題を出して、Whyを中心に深堀し、真因を特定する。
④ 簡単な課題を出して、Howを中心に対策を立案する。

この練習をアウトプットしまくる事によって、日常生活の中でもトレーニングできる基本を理解します。考える習慣が身に付けば、後は勝手に個々でレベルアップしてくれるはず。


④PDCAのステップの理解

PDCAを回し続けるにあたって、PDCAのステップを理解していないと、効果的に回すことはできませんよね? PDCAは単純に大きく分けると「PLAN→DO→CHECK→ACTION」の4ステップですが、PLANは更に4ステップに分けられるので、正確には「PDCAは8ステップ」になります。

STEP 1 あるべき姿と現状分析をして、問題を明確にする。
STEP 2 明確にして問題を、Whereで分解して問題点を特定する。
STEP 3 特定した問題に対して、具体的なKPI目標を設定する。※いつまでにどれくらい達成するのか?
STEP 4 特定したされた問題をWhyを使って掘り下げ、真因を特定する。
STEP 5 真因を解決するための実行計画立案をする。※対策案の優先順位の決定。対策実施のロードマップ作成(いつまでに誰が何をするのかを明確にする)。
STEP 6 実行計画に基づいて実行する。
STEP 7 実行中、または実行後のプロセスと結果の評価。目標が達成できなければ、STEP2以降に戻り、分析の実施。
STEP 8 標準化(誰でも同じレベルで実施可能)、仕組の横展開

この基本的考えの8ステップを中心に、授業実施していきました。


⑤各々の職業訓練校での課題:PDCAを最低2回転させる。

最後に、自身がインストラクターを務める職業訓練校にて、発生している問題を解決する為のPDCAを作成して、最低2回転させてきて下さいとの課題を与えました。

結果。48名48通りのPDCAが出てきました。今回実質5日だけのソフトスキルの授業でしたが、中には授業の内容を更にバージョンアップさせ、さらに自身の職業訓練校でPDCAの授業をすでに実施しているといった、超絶インストラクターまでいました。


最後に

このめちゃくちゃ田舎の(道端に牛や馬や鶏が走り回っている)バンタエンでアップグレードした全国のインストラクターが、各々の職業訓練校に戻り、バンタエン職業訓練校と同じように、カイゼン活動を実施していく。ソフトスキル(PDCAの考え方)は自動車業界に限らず、全ての業界に通じるものなので、これはものすごい可能性を秘めているなと思います。

次回はもう一歩踏み込んだ内容を書いていきたいと思います!!


今までの活動をブログに残してます。読んで頂けると嬉しいです。


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