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【台湾の面白い建物】台北市網球中心

内湖は、台北市のうち基隆河の北側で、陽明山の南に当たる土地です。この場所には仕事でよく来ることがあったのですが、その際にこのとてもメカニカルな表現をした建物を見つけました。タクシーで一目見ただけでは分からず、一体何の建物なのだろうとしばらく不思議に思ってました。

週末に、よく劍潭山登山步道を起点として、金面山経由大直までというハイキングルートを歩くのですが、その帰りにふとUbikeを使ってみようと思い立ちました。普段は内湖幹線のバスを使って帰るのですが、この日は体力的に余裕があったのでそんなチャレンジをしてみようという気になったのです。

そうしてUbikeで走り始めてしばらくすると、あのメカニカルな建物が視界に入ってきました。ああ、あの建物だと気がつき、Ubikeで一回りしてみることにしました。

外観から用途が全く分からなかったのですが、これは台北市のテニスセンターでした。建物はインドアで、屋外にもたくさんのテニスコートがありました。
インドアテニスコートの屋根を、トラスを使って軽く架けています。これは、合理的な構造的判断だと思いますが、その構造体を露出させ、台湾でこれだけメカニカルな建築表現をするのは、かなりな冒険である様に思います。台湾では金属を表面に使ってフッ素樹脂塗装などやっても、とても錆が発生しやすい。しかし、竣工して年が経っているはずですが、外観は綺麗なままです。防錆仕様の塗装工事をしっかりと行えば、サビの問題は克服できるのだという良い例だと思います。

デザインとしてもよくできていると思います。金属パネルとセメントボードを組み合わせたファサード。トラスの直裁な表現と、水平に屋根を伸ばすことで軒を作り、建物の壁面が汚れることをふせぐアイデア。
正面にある、トラスからぶら下がっている直方体が気になりますね。中には廊下があるのでしょうか、それとも設備の配管スペースなのでしょうか。ヴォリュームの表現がとても大胆です。

民權東路から見た正面の見え方。
大きく張り出した水平な屋根面
金属によるアートワーク
正面エントランスを見上げる。
足元にはガラスのショーケースがあります。
南面、裏側からの見え方。
手前には屋外テニスコートがあります。

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