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【台湾の面白い建物】台中歌劇院

この建物は、日本の建築設計者の間ではとても有名な建物です。伊東豊雄氏が、国際コンペで最優秀賞を得て台湾で実現したオペラハウスです。
その建物の特徴は、カテノイド曲線を全面的に用いた複雑な構造体。主要な構造体として、垂直な柱・水平な梁といったものが存在せず、全てが3次元的な曲面で構成されています。

コンペ当時の台中市長であった胡志強は、台中に世界でも唯一無二の建物を作りたいと考え、この様な建設に困難を極める設計案を当選案としました。そして、台湾の営造会社がこれを請負い、台中の街にこの建物を作り上げました。

この建物は完成直前に設計事務所の海外研修旅行の際に見学することができ、伊藤豊雄事務所の設計担当者から直接説明を聞くことができました。
また、実際にオペラが公演されている様子を見に行ったこともあります。

僕はこの建物は、オペラハウスとしては少なからず問題を抱えていると考えていますが、兎にも角にもこの複雑な建物を、建築家が構想・設計し、それを台中市が採用し、台湾の営造会社が実現した。これ自体が素晴らしい出来事と思っています。このオペラハウスは、確かに世界に他の類を見ない、そしてこれからも二度と造られないであろう、特別な建物でしょう。

外観

カテノイド曲線の断面がそのまま立面に現れます。
エントランス前の広場

一階エントランスホール

1階のエントランスホールは、オープンマーケットの様に利用されています
天井面も複雑な曲面で構成されています
オペラハウスではありますが、普段から市民の集まる広場の様に利用されています
内部空間に水の流れを作っています
縦シャフトはいくつかの色を用いてアクセントとしています
コンクリートの天井面にこのように照明器具とスプリンクラーを埋め込んでいます
このエリアはカフェでした
3階のホワイエにつながる大階段
まるで洞窟の中に入ったような内部空間です

3階ホワイエスペース

カテノイド曲線の断面は3階のホワイエでもそのまま表現されています
これは屋上のルーフガーデンに連なる階段です
3階のホワイエにあるもぎりエリア
階段を昇るのにもわくわくします
これは外壁面の開口の処理です
天井の曲面の表現

劇場スペース

右側に見える黒い凹凸のある壁が吸音壁という説明でした
オペラハウスの座席の様子
天井にも曲面の要素があります

ルーフガーデン

この建物ポイントの一つがこのルーフガーデンです

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