新井博之

微生物学者・博士(農学)/東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命工学専攻/応用微生物…

新井博之

微生物学者・博士(農学)/東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命工学専攻/応用微生物学研究室・准教授/研究内容の紹介や研究室のことなどを書いていきます。内容は研究職の人や研究職を目指す学生向けです。大学院学生、学振PD等募集中です。

マガジン

  • 水素細菌プロジェクト

    水素をエネルギー源として二酸化炭素を固定する化学独立栄養細菌 Hydrogenobacter thermophilus TK-6, Hydrogenophilus thermoluteolus TH-1, Hydrogenovibrio marinus MH-110の研究をしています。 現在ポスドク募集中です。 https://www.a.u-tokyo.ac.jp/job/

  • 東京大学 応用微生物学研究室

    東京大学大学院 農学生命科学研究科 応用生命工学専攻 応用微生物学研究室の情報をお届けします。 公式ホームページはこちら http://amb.bt.a.u-tokyo.ac.jp/index.html

  • 緑膿菌プロジェクト

    緑膿菌 Pseudomonas aeruginosaは日和見感染性の病原菌です。緑膿菌の呼吸酵素や、嫌気・低酸素環境への適応機構などについて研究しています。

  • 酢酸菌プロジェクト

    酢酸菌とは、エタノール(お酒)から酢酸(食酢)を作る微生物です。酢酸菌に特有の代謝特性と遺伝子発現制御について研究しています。

  • 光合成細菌プロジェクト

    好気性光合成細菌 Roseobacter denitrificans、嫌気性光合成細菌 Rhodobacter sphaerodesのエネルギー代謝制御の研究をしています。

最近の記事

『独立栄養微生物によるCO2資源化技術』が出版されました

シーエムシー出版から本が出版されました。 独立栄養微生物によるCO2資源化技術|シーエムシー出版 (cmcbooks.co.jp)

    • 二酸化炭素(CO2)を直接利用する微生物によるバイオものづくりの促進事業を開始 ~ 8機関が共同でNEDOグリーンイノベーション基金事業に参画 ~

      採択された課題がプレスリリースされました。 二酸化炭素(CO2)を直接利用する微生物によるバイオものづくりの促進事業を開始 | バイオテクノロジー | 製品評価技術基盤機構 (nite.go.jp) NITE(ナイト)[独立行政法人 製品評価技術基盤機構 理事長:長谷川 史彦、所在地:東京都渋谷区西原]、国立大学法人 東京大学[総長:藤井 輝夫、所在地:東京都文京区本郷]、国立大学法人 京都大学[総長:湊 長博、所在地:京都府京都市左京区吉田本町]、国立大学法人 茨城大学[

      • 水素細菌Hydrogenovibrio marinus MH-110において低CO2条件で高親和性Rubisco遺伝子の発現を制御する調節因子の同定

        論文情報 Regulation of the high-specificity Rubisco genes by the third CbbR-type regulator in a hydrogen-oxidizing bacterium Hydrogenovibrio marinus. Toyoda, K., et al., J. Biosci. Bioeng., 134, 496-500 (2022). 水素細菌Hydrogenovibrio marinus MH-1

        • 緑膿菌における呼吸機能の多様化による生存戦略

          第57回緑膿菌感染症研究会 シンポジウム 「緑膿菌の生存戦略とその制御」にて同タイトルで発表しました (2023.2.17)。 講演要旨は以下の通りです。 緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)は酸素を水に還元する好気呼吸の末端酸化酵素として、cbb3型シトクロムc酸化酵素、caa3型シトクロムc酸化酵素、bo3型キノール酸化酵素およびCyanide Insensitive Oxidase (CIO)を持っており、これらを生育環境によって使い分けている。また

        『独立栄養微生物によるCO2資源化技術』が出版されました

        • 二酸化炭素(CO2)を直接利用する微生物によるバイオものづくりの促進事業を開始 ~ 8機関が共同でNEDOグリーンイノベーション基金事業に参画 ~

        • 水素細菌Hydrogenovibrio marinus MH-110において低CO2条件で高親和性Rubisco遺伝子の発現を制御する調節因子の同定

        • 緑膿菌における呼吸機能の多様化による生存戦略

        マガジン

        • 東京大学 応用微生物学研究室
          4本
        • 水素細菌プロジェクト
          5本
        • 緑膿菌プロジェクト
          2本
        • 酢酸菌プロジェクト
          2本
        • 光合成細菌プロジェクト
          1本

        記事

          二酸化炭素からの有用物質生産プラットフォームとしての「国産」水素細菌の可能性

          日本農芸化学会2023年度大会シンポジウム「脱炭素社会で活躍する循環型炭素資源からの有用物質生産」(2023.3.14) において、同タイトルで発表しました。要旨は以下の通りです。 水素細菌は水素をエネルギー源としてCO2を固定することにより独立栄養的に生育できる細菌であり、クリーンエネルギーである水素を利用してCO2から有用物質生産を行うことで、CO2の削減によりSDGsへの貢献が近年期待されている。我々の研究室では、分類学的にも生化学的にも特徴的な3種の水素細菌Hydr

          二酸化炭素からの有用物質生産プラットフォームとしての「国産」水素細菌の可能性

          緑膿菌の低酸素呼吸

          緑膿菌と近縁のPseudomonas属細菌の多くは好気性ですが、緑膿菌は酸素がない環境(嫌気条件)や、酸素濃度が低い環境(微好気条件)でも生育する能力があります。緑膿菌の感染病巣は酸素濃度が低いため、嫌気条件や微好気条件での生存能力が、緑膿菌の感染力や病原性に関係していると考えられています(1)。緑膿菌がコンタクトレンズや爪の裏といった酸素濃度が低い環境で繁殖しやすいことも、この能力が関係していると思われます。 緑膿菌は嫌気条件では、酸素の代わりに硝酸を用いる嫌気呼吸である「

          緑膿菌の低酸素呼吸

          応用微生物学研究室の水素細菌研究

          水素細菌(水素酸化細菌)とは、水素をエネルギー源、CO2を炭素源として生育する化学独立栄養細菌で、水素エネルギーを利用したCO2からの有用物質生産、温室効果ガスであるCO2の削減などへの利用が期待されています。東京大学応用微生物学研究室では、主に下の3つの水素細菌の研究を行っています。 Hydrogenobacter thermophilus TK-6 Hydrogenophilus thermoluteolus TH-1 Hydrogenovibrio marinus M

          応用微生物学研究室の水素細菌研究

          応用微生物学研究室の酢酸菌研究

          東京大学応用微生物学研究室では、初代教授の朝井勇宣(在任期間:1944-1958年)の時代から酢酸菌の研究を行っています。朝井の著した下の書籍は、今でも多くの論文に引用されています。 現在、研究室では以下のような研究を行っています。詳細については最近の総説をご覧下さい。 1.H. Arai, K. Sakurai and M. Ishii. Metabolic features of Acetobacter aceti. In “Acetic acid Bacteria:

          応用微生物学研究室の酢酸菌研究

          2025年度大学院入試説明会・オープンラボ

          東京大学応用微生物学研究室では以下の研究を一緒に進める大学院学生(修士課程、博士課程)を募集しています。  ・水素細菌を用いたCO2からの有用物質生産に関する研究  ・緑膿菌のエネルギー代謝制御に関する研究  ・食酢醸造に関わる酢酸菌の代謝・生理に関する研究 詳細については各プロジェクトのページを参照してください。 2025年度大学院入試の入試説明会・オープンラボは、2024年5月11日(土)と6月1日(土)に対面で開催します。 詳細は東京大学大学院農学生命科学研究科応用生

          2025年度大学院入試説明会・オープンラボ

          酢酸菌Acetobacter acetiの全ゲノム配列

          酢酸菌の標準菌株 Acetobacter aceti NBRC 14818の全ゲノムデータを公開しています。 https://mra.asm.org/content/9/43/e01039-20

          酢酸菌Acetobacter acetiの全ゲノム配列

          農芸化学会の学会誌「化学と生物」に、光合成細菌の本の書評を書きました。 https://katosei.jsbba.or.jp/index.php?jrl=14249001163

          農芸化学会の学会誌「化学と生物」に、光合成細菌の本の書評を書きました。 https://katosei.jsbba.or.jp/index.php?jrl=14249001163