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ブックレビュー:家を買うときに「お金で損をしたくない人」が読む本

家と住宅ローンの専門家で公認会計士でもある千日太郎さん著 家を買うときに「お金で損をしたくない人」が読む本をレビューします。どうぞお付き合いください。


ターゲット読者は?

家をこれから買おうか迷っている人は必読書です。
年齢は20代から50代くらいまでの新築・中古住宅の購入を検討している人すべてが対象です。
私は賃貸派で持ち家はリスキーだし、古いという今どきの考えですが、そんな私でも「思ったより家を買うのも悪くないかな」と思ったりもしました。

あらすじ

・自分にこの家が買えるのか
・頭金はいくら必要で、どんな住宅ローンを組めばいいのか?
・家を買ったあと、もしものことがあったらどうすればいいのか?

これらの問題に対して、多くの不動産会社や専門家は会計による数字の出し方に終始してきました。
しかし、千日さんは不動産会社や銀行が今まで語らなかった数字の向こうにある本質をわかりやすく解説しています(本当の家の買い方、住宅ローンの選び方)。

無理なく住宅ローンを完済できる4つのルール

① 毎月の返済は「手取り月収の4割以下でボーナス払いなし」
② 返済額が一定になる「元利均等返済方式」
③ シミュレーションの金利は固定金利
④ 定年時のローン残高は「1000万円以下」
今の超低金利状態が続くのであれば、変動金利のほうがトータルで支払う金額は低くなる。
しかし、変動金利が上がった場合に、固定金利の支払いより金額が多くなるリスクをはらんでいる。
著者はより安全に住宅ローンを完済するだけでなく、完済したあとにも老後資金に余裕をもたせるにはどうすればいいのかという視点で考えてくれています。

理想の家を見つけるための地図とコンパス

広告のバイアスを排除し、現地調査を自分ですることが大切。
それが後悔しない唯一の方法です。
私も物件を10件ほど見たことがありますが、ただ闇雲に多くの物件を見ても、どの物件がいいのか判断できない状態でした。
そこで、筆者は自分だけのデータベースを作ることで、自分が何を大切にしているかが把握でき、それによって優先順位が明確になると説いています。
データベースの作り方は至ってシンプルです。
・エクセルなどを利用する(googleのスプレッドシートであれば、スマホでいつでも見れます)
・立地や価格、間取り、状態などを埋めていく
・駅からの道順や所要時間などは自分の足で歩いてみることが大切
・マンションであれば管理費や修繕積立金の情報もお忘れなく
*詳しくは本を記載してください。

知っていると得する「節税」と「補助金」

・住宅ローン控除を最大限活用するためには、控除期間中繰り上げ返済はしない(残高)。控除期間中は集中して貯蓄し、控除終了後に繰り上げ返済することで、利息を減らすべし。
・住宅ローン融資の実行日の翌月に金利が下がりそうなら、翌月に融資をずらしてもらう。翌月に金利が上がりそうなら、当月に融資してもらう。
・地震保険は保険会社の利益がない、消費者のための金融商品。絶対に加入すべきもの。
・フラット35よりもお得に融資を受けられる「フラット35S」「フラット35Sリノベ」「フラット35子育て支援型」も適用できるか確認。
・忘れずに申請しよう「すまい給付金」
・会社か自治体で提供している可能性のある「低利融資制度」「利子補給」もチェック!

感想

不動産の知識がない初心者でもわかりやすく「家を購入する」とは具体的にどういうことなのかを知ることができます。
正直この本の知識を知らずに不動産を購入することはおそろしいです。
今から買う人はもちろん、すでに住宅ローン返済中の人もローンの借換えや返し方についても役立つ知識が満載です。



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