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ブックレビュー:住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本

千日太郎さんの著書について、2回目のブックレビューを行います。
30歳で子持ちのサラリーマンとして、家を買うべきか賃貸に住み続けるかは重要な問題です。
本書では、住宅ローンをお得に借りるにはどう借りたらいいかについても、わかりやすく解説してくれています。
ただ、著者のスタンスはあくまで中立であり、購入推進派ではありません。
住宅ローンを組むことの本質を踏まえた上で、どのようなリスクと恩恵があるのかを知ることができます。
不動産について、全く知識のない人でもすんなり理解できる良書だと思います。

必読ポイント

他にも役に立つ情報はたくさんありましたが、素人目線で特に重要と感じたポイントについて、本書を引用して説明したいと思います。


住宅ローンを組むための正しいプロセス

① 金利タイプを決める(変動金利か固定金利か)。

金利タイプを決めることとは、「住宅ローンの金利変動リスクに対してどう対処していくのか?」について自分の結論を出すこと。
変動金利の場合は、自分がリスクを負い、固定金利の場合は銀行がリスクを負うことを意味する。
今は超低金利時代であるが、これから金利が上がらない保証はない。
そこで、金融資産の少ない20-30代は固定金利にして毎月の返済額を一定にするほうが、無難ということ。
一方、資産に余裕がある人は変動金利にした場合でも金利が上がったタイミングで繰り上げ返済をすれば上昇分の利息を減らすことができる。
その場合、住宅ローン控除を満額もらってからの返済をすることで、節税メリットの恩恵が受けられる。

② 金融期間を決める。

基本的には35年を推奨している。理由は繰り上げ返済により期間を短くすることは簡単にできるが、期間を延長することは金融機関との交渉によって、きまり、その難易度は高いためである。
余裕のある老後を暮らすためには、手持ちのキャッシュ量が少ないと、不足の事態に対応することができない。
そのため、ある程度の現金を手元においておく戦略が、利息を払いすぎることを懸念して短期間の住宅ローンを組むことよりも優先すべきである。

③ ピンポイントで最適な住宅ローンを決める。

手持ち資金量、購入したい物件価格、金利タイプ、金融機関が決まれば自ずと最適な住宅ローンは見えてくる。
インターネットでなんとなく探すのではなく、自分に最適なローンを提供している金融機関を探すという主体的な姿勢が大切である。


④ 売買契約時に「住宅ローン特約」をチェックし、住宅ローン実行までのスケジュールを立てる。

住宅ローン特約とは、住宅ローン契約が結ばれない場合に、売買契約をキャンセルできる仕組みである。いわば購入者を守るお守りである。
悪徳業者の中には、意図的にこの特約がない場合があるので、注意が必要である。

⑤ 複数の金融機関、複数の金利タイプで事前審査から本審査まで通す。

④で最適な組み合わせを決めた場合でも、実際に購入時に相場が急変し、変動金利が上昇するリスクがある。
そのリスクを減らすためには、複数の金融機関に、複数の金利タイプで審査を通しておくことが大切である。
作業自体は1社に出すのと、複数社に出すのとでは、書類は使い回せるので大変ではない。
これも契約時により有利な条件の金融機関を選択するために、購入者が絶対にやっておくべき行動である。


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