西村的サスペンス

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結局。
寝台車に乗って、西に向かうことにしました。
「普通電車だけで西を目指す」という当初の目標は忘れました。
いつだって「大人の都合」は付いて回るのです。

えと。
寝台車は、微妙に客層が怪しいです。
高年齢層が多くて、若い人は鉄ちゃんがほとんど。
だって。
どう考えても翌朝、新幹線に乗った方が安くて早いんだもの。
あまりにメリットが少ない電車だと思う。

先ほど喫煙室に行ったら、若者二人が電車について熱く語ってた。
交わることのない別ジャンルのヲタク道。
極めろ道! 悟れよ我!

車輌は古く、あんましスピードも出さずに進んでます。
「寝ていても進んでる」という事実は俺を、なんとなく安心させる。
「なんとなく」だけれども。
この「なんとなく」を感じたい人が多いのだろうな? とか思ってみる。

小さい窓から覗く景色にノスタルジックなモノを感じる。
小学生の時以来なんじゃないだろうか?
寝台車に乗るのなんて。
金属のトイレに、台所の流し台のようなイソギンチャク的ゴムパッキン。
螺旋状に流れる水色の洗浄液。
車輌のトイレには「便所使用お知らせ燈」の標示。
なんだか懐かしい。

この車輌は、いつから客を乗せて走っているのだろう?
ひょっとして俺が子供の頃に乗った車輌だったりしないだろうか?

窓の外の民家の明かりも消え、ひょっとして今、この世で動いてるのは俺だけなんじゃ?などと錯覚に陥る。
少しの寂しさと「進んでる」という安心感。
これもまた、旅の醍醐味なんだなぁ。
だから面白いんだな、人生は…。
などと加地さんチックなことを書きながら、明日に備えて寝ようと思う。

おやすみなさい…。

ところで。
深夜二時に止まる駅とかもあるのだが、降りた人はその後どうするんだろ?

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