キタナカ、奄美を喰らう【第四夜】「予兆」

7月21日(火)を迎えて、更なる危機的状況へと追いやられることになる訳です。

【キタナカヒロユ奄美十番勝負】の6:「ダイビング編」

「今日はダイビング行くっちょ?」
行きません。(「NOと言える日本人」です)
俺は、クーラーがガンガンに効いてるとこで漫画を読んでいたいんです。
そんなさ。
「きゃあ、ニモだよ可愛い~」なスイーツ(笑)な女どもが喜ぶスポット。
ニモじゃねぇ! カクレクマノミだっつの!
ナマコを気持ち悪がるんじゃねぇ! 意外と手触りは気持ち良いっつの!

で。
まぁ。
ウェットスーツを着て、船に乗ってる俺が居る訳なんですけどね。
「耳抜きが上手くいかない場合」とか説明を受けながら大後悔。
普通に鼓膜が破裂する予感。
海の生き物は好きだけど、ガラス越しに観るのが好きなんだってのに…。

ダイビングの機材を背負って、インストラクターのお姉さんの指示に従う。
「最初にキタナカさん、行ってみましょうかー」
俺かよ!
「少しずつ潜って、耳抜きをしてください。無理だったら上がって、もう一度耳抜きしましょう」
こういうプレッシャーに弱いキタナカさん。
耳抜きなんて、できる訳ねーだろ。
こちとら超インドア派なニコ厨なヲタクなんだっつの。

諦めて、一番槍としてダイビング道具を背負って潜り始める。
どうせ「キタナカだけ潜れねぇでやんのプゲラ」みたいな展開だろ?
…と思ったら、さにあらず。
なんか、普通に海底に辿り着く。
「ここのロープに摑まって待ってて」というインストラクターの指示に従う。

無音の世界に一人。
たかだか五メートル程度潜っただけなのに、何この孤独感。
説明の時に「落ち着け」というハンドサインを教わった意味が分かった。
パニクる人もいるだろうよコレ。
海中だとボディコントロールが上手くいかないしね。

海中って奴は、人間の領域(レイヤー)じゃない。
ロープに摑まりながら後発を待つも、中々耳抜きが上手くいかない模様で待ち続ける。
上を向いて自分の吐いた空気の泡を見たり。
少し離れたところに居た三十センチ以上の大きなナマコを捕獲したり。
※思ったより硬かった
結局。
インストラクターと、サシでカクレクマノミ等を見て終了。
待ってる時間が一番長かった次第。

他のメンバーが潜ってる間はシュノーケリング。
水面があるって安心。
自分が潜った反対側、岸寄りの岩礁にいる魚を鑑賞。

全員が潜って、岸へ帰還。
「午後は違うスポットに行きますけど、もう一本行きますか?」
余計なこと言うな! インストラクター!
「行きましょうよキタナカさん。男だったら行かなくちゃ!」
余計なことは言うな! 同行した若者よ!
で。
男性陣は午後も潜ることに――。

弁当を食べて、まったりしている間に「それじゃあ行きましょうか!」。
アクティブ。
ポジティブ。
アグレッシブ。
和気藹々としている周りに比べて、俺は若干ネガティブホロウ。

次のスポットは、八メートル~十メートルくらいんとこ。
耳抜きに対する不安はないものの、やっぱり海中はなんとなく恐い。
「じゃあキタナカさんから行きましょうか?」
はいはい、サッサと潜ってロープに摑まってますよぅ。

海底から上を向き、海面を照らす陽光を見てると気持ち良いことに気付く。
地面にへばりついてるより、こっちの方が気分が良い。
と。
別のインストラクターさんが、俺の元に近づいてくる。
なんぞ?
俺に惚れたか?
生憎だが、俺は今イッパイイッパイなんだよ。
陸に上がってから告白してくれ。
「手を出して」のジェスチャー。
手を出すと、ピンポン玉サイズのフグを乗せられる。
ヒレをぴるぴる動かしてる。
可愛い。
手触りは、ふにふにして気持ち良い。
手の平で、もぎゅもぎゅ揉みしだいてみる。
ストレスからか、より大きく硬くなる。
力を抜いてると、柔らかくなる。
命名、チンコフグ。

フグと戯れる内に、メンバーは海底に集合。
ゴンズイやら極彩色の熱帯魚やらを見て回る。
たかだか10mという深さなのに、まったくの別世界。
上を向いて海面で泳いでいる人影が、四階くらいの高さなんだよなぁ。
などと、妙な感慨に耽りつつ終了。
つ…疲れた。

「凄い楽しかったですよね? キタナカさん! また潜りましょうよ!」
俺は…いいや。
今の俺、まさしくハイテンション殺し。

ベースキャンプへと戻り、明日の皆既日食の場所へと移動する準備。
同じ奄美大島でも、北の方でしか「皆既日食」にはならないらしいため。
厳密に言えば100%ではないらしいが、限りなく100%に近い大和村へと移動する。

【キタナカヒロユ奄美十番勝負】の7:「アマミノクロウサギ編リベンジ」

夜には民宿へ移動する予定だったが、同行者の仕事の都合で出発したのは21:00過ぎ。
国道を走りながら「ウサギロード(命名:我々)に言ってみよう」という提案有。
只でさえ遅れてるのに、あんな現地の人も通らないような道を俺達だけで?
若干の不安を覚えつつも、ウサギロードへ向かう。

先日「五羽のクロウサギを見た」と言ったが、後発組は実は一羽も見れていなかったりする。
相当に運が良くないと見れない、アマミノクロウサギ。
まさに幻獣。
そんな中で、五人中三名が五羽のアマミノクロウサギを見れた強運チーム。
正直なとこ宿に向かうべきだとは思ったが、ここは乗っておこう。

で、ウサギロード。
相変わらずの鬱蒼とした細い道を進む、我らチーム「キタナカヒロユと愉快な仲間たち」。
…。
えと。
あの。
あそこにいるさ。
黒いモコモコした動物ってなに?
今まで見たアマミノクロウサギは、明かりに照らされると一瞬で藪に逃げ込んでたよね?
ってことは…。

ここでCMに入って、「実はただの黒い兎でした~」なんつって、番組終了直前に(略)。

いやいや。
普通に、ア マ ミ ノ ク ロ ウ サ ギ じゃねーか!
しかも動いてない。
耳は普通の兎より小さくて、大きさは30~40cm。
「原始的な兎」という謳い文句に、なんとなく納得。
通常。
アマミノクロウサギの撮影は、巣穴を見つけて遠い場所から望遠で捉えるという。
相当に臆病な動物らしい。
だが、我々は普通に車から降りてパシャリ!

画像1

最初。怪我でもしてるのかと思ったが、車を進めると「ぴょん」と藪へと跳び去っていった。
一番上手く撮れていた人のDATAを拝借したが、この写真はマジで当日撮ったものです。

その後、一羽のアマミノクロウサギを発見。
興奮が冷め遣らぬまま、皆既日食が見れる村の宿へと向かう。
迷子になる。
宿への到着時刻、1:30。
そんなにすべてが上手く行くわけは無いやな?

そして宿に着くや就寝。
皆既日食当日を迎える訳である。

追記:
都合、7羽のアマミノクロウサギと遭遇。これって強運なんじゃね?

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