民主主義と責任(カール・ヤスパース)

ある出来事の政治的な責任を、特定の政治家や支配者だけに帰属させ、その政治に参加しながらも市民には責任がないと考えることは、民主主義的な考え方ではない。
もっとも、一人一人が責任を担わなければならない、ということはけっしてネガティブなことだけを意味するわけではない。
責任は、人間が自分自身として思考し、判断し、行為するための条件でもあるからだ。
責任をもつことができる、ということは、自分が主体性を発揮しているということの裏返しなのである。
これに対して、「自分はこの責任から自由であると感じること、それは民主主義における基本的な倒錯」に他ならない。

↑カール・ヤスパースの原文を戸谷洋志さんがわかりやすく解説した文章
「原子力の哲学」(戸谷洋志 著)

この部分、好きだな〜。

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