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#1.旅の始まり

3月31日
遂にこの日がやって来た
夢にまでみた世界一周の大冒険が始まる
ワクワクして眠れねぇ!!
なんてことも無く案外うわの空だった
この日も彼女と当たり前の日常を過ごし
世界に飛び立つことが余りにも
非現実的な事の様に思えて
実感が湧いてこない様なそんな感覚だった
あぁパッキングもしてないや、、

彼女と一緒にパッキングをして
髪を切ってもらって準備万端
家を出発する30分前
僕と彼女はお互いに堪えていた感情が爆発した
1年間の世界放浪
それは1年間も2人会うことが出来ないということ
自分の夢が彼女にとって
どれだけ苦しく辛い想いをさせることか
それでも最後まで笑顔で過ごしてくれる
そんな彼女には感謝の気持ちしかない

2人で大号泣しながら
僕は申し訳ない気持ちでいっぱいいっぱいだった
オカン、オトンに見送られ彼女と一緒に空港へと向かった
仕事を辞めて旅に出る。
そんな無茶を言う息子の意見を尊重してくれた両親
普段強気なオカンが必死に涙を堪えてる
そんな姿を直視することが出来なかった
オトンは無表情で手を振ってくれてなんかほっこりした
空港に着くと彼女がサプライズで
友達を呼んでくれていたのだ
幼馴染や中高の友達、会社の先輩後輩まで
見送りの為に集まってくれた

大好きな皆んなに最後に会えて本当に嬉しかった
出国トラブルで慌ただしいお別れになっちゃったけど
俺らしいなと笑ってくれる
最高の友達に見送られてゲートをくぐる
最後の最後まで手を振ってくれている皆んなの姿を見て
自分は本当に幸せなヤツだと嬉しくて涙が止まらなかった
飛行機な中でぼーっと窓の外を眺めながら
旅の実感が湧いて来た
いよいよ憧れの世界一周が始まる、、
手にはビッシリと汗をかき
全く眠る事ができなかった
それは楽しみというより
不安や恐怖の方が大きかった
強盗、スラム、マフィア、銃社会、、
挙げだしたらキリがない
果たして自分は無事に日本に帰ることが出来るのか?
未知の世界に一年間という年月が途方も無く長く感じた
嫌な事ばかり浮かんで皆んなから
もらった手紙にすがるかの様に読み漁った
くだらない事や勇気付けられるメッセージばかりで
不安も何処かへ飛んでった。
皆んなありがとう
絶対最高の旅をして無事に帰ってくるからな!
暗い夜を朝焼けが照らし
新たな1日が始まろうとしていた
俺の世界一周が始まる。

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