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#15 アフリカ最高峰から見た景色

タンザニアのモシという町にやって来た。
移動中のバスでは新たな挑戦に
ワクワクと不安でいっぱいだった

”アフリカ最高峰 キリマンジャロ登頂”

なんともロマン溢れる響きに
武者震いせずにはいられない
キリマンジャロはアフリカで
最も高い山でその高さ5895m
想像もつかへん。
世界7大山の一つで
独立峰では世界一の高さだ

モシはキリマンジャロの麓町で
天気が良ければその姿を見ることが出来る
数多くのツアー会社が建ち並んでいて
観光で人気の町だ
一緒にキリマンジャロを登る事になった
友達のカズキと何店かツアー会社に行き
値段交渉を繰り広げ
最終的に1100$で合致した
さすがアフリカ最高峰
値段も伊達じゃねぇぇぇ
それもそのはず入山料だけで830$かかる上に、
6日間かけで登り
俺達二人に対して
ガイド.クック.ポーター計7人がお供してくれる
なんとも大掛かりな挑戦となったのだ。
ノリでなんとかなると思ってたけど事の大きさを実感した

新たな挑戦にはワクワクと不安はセットだ。
いやちょっと不安の方が多いか
いやーでもこの感覚がたまらん。
これだけは歳とっても忘れたくねーなーなんて
思いながら迎えたキリマンジャロ登山当日の朝
同じゲストハウスに泊まってた旅人達が
頑張ってこいよーって声かけてくれて
やる気になって来たぁぁぁー!!
何がなんでも登り切ってみせる!!
ガイド達が迎えに来てくれて
スタート地点までいざ出発
いよいよ六日間の登山が始まった

初日は樹海の中をゆっくり歩いていく、
傾斜も緩やかで鳥や猿がいたり
トレッキング感覚で楽しんで進んでいった。うん楽勝
二日目、三日目も体力的には問題なく
順調に進んでいった
しかし一つ問題があるといえば天候だ
今タンザニアは小雨季と言われる期間で雨が多い
それに加えて標高が上がるにつれて
気温が一気に下がるので
濡れた服を乾かす事も出来ず
寒さと雨による疲れは確実に溜まっていった
しかしこんな時にも至福のひと時があった。
それはご飯の時間
登山も料理も出来るハイスペッククックが作る
スープは登山後の体を癒してくれた



そして四日目の行程も終わり、
ついに今夜は山頂アタック
午後5時に晩飯を食べて6時に就寝し、
0時起床から準備し山頂アタックという流れ
アタックの緊張と不安。
寝なければというプレッシャー全ての要素が結びつき
一睡も出来ずに0時を迎えてしまったのだ。(オワタ)
四日間ずっと雨が続いてたから
天候も心配だったが
テントから外に出ると
満天の星空が広がっていた。
あまりの美しさに立つ尽くし、
不安は一気に吹き飛んだ。
星一つ一つの輝きが
俺達を応援してくれているかのように感じたからだ
さぁ準備は整った、
目指すはアフリカ最高峰。

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0時30分
山頂にむけて最後の登山が始まった
この時点で標高は4700m
既に辺りは一面真っ白になっていた
樹海から登って徐々に植物が死んでゆき
雲の中に突入して雪山までやって来たのだ
とても一つの山を登っているとは思えない程、
別世界にやって来たかのようだった
雪で足を滑らせないように
一歩一歩着実にゆっくりと登っていく
上を見上げれば満天の星空が広がり、
振り返ればモシの夜景を一望出来る

この景色をずっとみていたい。
そう思える程に本当に美しい夜だった
そして人生で最も長く苦しい夜になる事を
この時はまだ知らなかった。

あれからどれくらいの時が経ったのだろう
夜空が少し明るくなって来た、
まぁ何時間経ってようが関係ない
一歩、また一歩と進むだけだ。
標高が上がるにつれ頭がガンガンと痛む
呼吸も追いつかなくなって
ぼーっと意識が朦朧とする。
既に何かを考える余裕は無く
永遠のように続く
急な雪道をひたすらに進む
この挑戦を達成したい。
その想いだけが俺を動かしていた
でも体には限界ってものがある。
呼吸が追いつかなくていよいよかと思った矢先
先頭を歩いていたガイドが叫んだ

「ステラー!!」(山頂のポイント名)
ようやく山頂がその姿を現したのだ
さすがはアフリカ最高峰、
その全貌はとんでもなくでけぇ
でも小さな一歩を積み重ね遂に山頂を捉えた
もう少し、あと一歩、最後の傾斜を登りきり、
力が抜けてその場に崩れ落ちた
ついにやったぞ!
アフリカ最高峰キリマンジャロ登頂達成やー!

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皆んなでハグして喜びを爆発させた。
達成感に満ち溢れた最高の瞬間
俺の求めてたものはこれや、
この感動と達成感や!
地平線から朝日が昇り山全体を赤く照らし始めた

山頂からみた景色は想像出来うる絶景を卓越していた
朝焼けは空を燃やしているかのように赤く
渦を巻いて大地を覆い隠すかのような雲海に
自然に出来たとは思えない程に巨大な氷河
それら全てがアフリカ最高峰でみた景色。


挑戦は人生と心を豊かにする
失敗しようが成功しようが大した問題ではない
挑戦した数だけ”ホンモノ”を感じる事が出来るのだ
山頂に着いた時の喜び
地平線から昇る朝日を眺めた時の感動
これらは間違いなく挑戦して感じる事の出来たホンモノだ

俺はこれからもホンモノを感じる為に旅を続けたい
五感で感じた経験は必ず
人生において最高の財産になると信じてる
そして今回の挑戦は決して一人では達成出来ていなかった事を忘れてはいけない
俺を支えてくれたガイド.クック.ポーター.ベースキャンプ管理人.カズキ
おかげで最高の経験ができた!
挑戦に仲間は絶対に必要なんだ
みんなありがとう!

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