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2022W杯スペイン対コスタリカを友人と観戦した話

友人:おじさん、もうこの試合のレビュー書いたでしょ。

:書いたけどさ。せっかくだからお前にも話したいじゃん。

友人:お前ってサッカーに関しては話したがりだよね。じゃ、なるべく端的にね。

:わかった、端的にいこう。まずボールを保持するスペインに対してコスタリカは4-4-2で前からプレスをかけようとしていたな。

友人:でもコスタリカのプレスははまらなかった。圧倒的にスペインがボールを持っていたよね。

:そうだな。問題の一つは、やはりアンカーのブスケツがフリーになってしまったことだと思う。

友人:解説の人も盛んにブスケツを捕まえろと言っていた。

:だがコスタリカも2トップで受け渡しながらブスケツを見ているんだ。でもスペインのセンターバックが上手くて、周囲とのパス交換や持ち運びで相手の2トップを動かしてくる。

友人:それでブスケツのマークが剥がれてしまうと。

:そう。そしてもう一つがな、名付けて「サイドバックとセンターバックの間にギャップができる問題」だ。

友人:馬鹿っぽいけど、そのまんまのネーミングでわかりやすい。

:まずスペインのウイング、ダニオルモとフェラントーレスはワイドいっぱいに張っている。そこにコスタリカのサイドバックが付いていくと。するとどうなる?

友人:センターバックとの間が開く!

:そうだ。よくわかったな。そしてスペインはそのサイドバックとセンターバックの間に、ペドリやらガビやら誰かが必ず走り込んで裏を狙う動きを見せている。

友人:答えを先出ししてたからな。そのペドリやらガビやらはどうするんだ?

:コスタリカは、ギャップに走ってくる選手にはボランチがカバーに入っている。

友人:じゃあ、どこに問題が発生するんだ。

:ボランチがギャップのカバーにいくと本来いるべき位置に人がいなくなるのが問題だ。

友人:ボランチの位置、つまり中盤の中央か。

:そうだ。さらに裏狙いでコスタリカのディフェンスラインは押し下げられる。ということでコスタリカのバイタルエリアにスペースができていた。

友人:そこを使ってシュート。というわけだね。

:そうだ、スペインは縦に行ってクロスより、最終ラインと中盤のラインの間を使って横パスを通すことが多かったな。スペインの1点目と2点目はまさにその形だ。

友人:なるほどね。コスタリカはなすすべ無しか。

:いや、前半PKで3点目を取られた後にコスタリカはシステムを5-4-1に変えただろ。

友人:知らん。でもようはギャップを埋めるため後ろの人数を増やしたのか。

:そうそう。ボランチが下がってしまうなら、始めからそこに人を置いた方がよい。守るだけならな。

友人:それで前半乗り切ったと。

:前半の終わりの方は、コスタリカもボールを回収できるようになった。回収できるとコスタリカも多少攻める時間を作り始める。

友人:守りを修正したのに、攻撃もできるようになるとは、サッカーって面白いな。で、後半は?

:後半のコスタリカは5-4-1システムはそのままで、より前向きに人についていくようになる。

友人:マンツーマンってやつか。

:右のセンターバックがペドリに、右のボランチがブスケツにっていくのははっきりしてたな。コスタリカの攻撃でちょっと残念なのが強烈なカウンターがないことだ。そこでシステムはそのままに、奪いところを前に押し出して攻撃に転じたかったのだと思う。

友人:でもコスタリカは後半4点取られちゃったよね。

:そこがサッカーの難しいところで、マンツー気味にすると今度はスペースの管理が難しくなる。ディフェンスの選手が人に付いて前に出ていくので、コスタリカのディフェンスラインにはスペースができていた。

友人:そこを突かれたのか。

:そうだな。スペインは相手がワントップになったことで、センターバックが盛んに運ぶ。そうして明らかに逆手を取るように相手を前に引き付ける動きを見せていたからな。コスタリカの失点は積極的に前に出てくるディフェンスラインにできるスペースを使われた形だったと思う。

友人:なかなかスペインはえぐかった。だがこのスペインに日本はよく勝ったな。

:気が向いたらその試合も一緒に観ていこう。もう1700字になった。この辺で今日は終わりにしよう。それじゃあ。

友人:おう。それじゃあ。

おわり

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