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「こなす」ではなく、「たのしむ」時間に。

今年のゴールデンウィークは、27日(土)から10連休の予定だった。
しかし、ふたを開けたら前半5日間は仕事に。ぐぬぬぬぬ。

そして、6日目にしてやっと始まったゴールデンウィーク。どこかへ出かけるわけでもないけれど、やりたいことが大渋滞。残りの休日をなんとか有意義に過ごそうと、タイマーをかけながら必死に予定を消化していく。

衣替えをして、断捨離をして、小説を書いて、noteを書いて、本を読んで、刺繍をして、英語を学んで、ドラマを見て、掃除して洗濯して料理して買い物に行って、ランニングをしてヨガをして……。

「あ、これダメだ」


夏に変わりつつある日差しを浴びながら、ふいにわたしは気づいてしまった。せっかくの休日を、せっかくの今日を、タスクとしてこなしているだけだと。タスクの消化だなんて、なんとつまらない。

とりあえずタイマーをストップして、ソファーでお茶を一杯。それだけで、うきうきが戻ってくる。今日がはじまった瞬間のみずみずしい気持ちを思い出す。それから家中の窓を開けて、いい香りを手首につけて深呼吸をする。時間の流れを自分の手に取り戻して、やっとこ「タスクこなし病」が落ち着く。

わたしはよく今日という1日を、こなしにかかってしまう。それはきっと、心の底で成果ばかりを気にしているせい。成果とは目に見える数字のこと。たとえば、読み終わった本の数や勉強に費やした時間、自分で稼げる金額やSNSのフォロワー数。そういう意味があるように見えるものたちだ。

ああ、なんてもったいない!

何をしてもしなくても、わたしの毎日は完璧。それなのに、数字なんかで満足しようなんて、ずいぶんちっぽけな話だった。どうせ数えるなら、呼吸や脈拍の方がよっぽどおもしろいし、自分のすごさに気づくってものだ。

数字よりも満足感を。眠る瞬間におもわずにんまり思い出すような、たのしい時間を増やせるように、こなす味わう1日がいい。疲れたら休んで、気が乗らないなら何もしない。何がしたいか、何がたのしいか。誰といたいか、ひとりでいたいか。細かくていねいに、じぶんと話す時間を増やそうと決めた立夏の午後。



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