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一人の力には限界がある。だから・・・できないよ、と言われたことのある全ての人へ


こんにちは、BeatFit の飯塚です。
突然ですが、皆様はこんな格言を聞いたことはないでしょうか?

早く行きたければ、ひとりで行け。
遠くまで行きたければ、みんなで行け。

「If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together. 」   


一人だと、目的地には早く到着することができる。
ただそれでは、遠くへはいけない。自分が行ける距離には限界がある。仲間と行くと、みんなのペースに合わせなければならないため、スピード感はない。しかし、仲間となら個人の限界を乗り越え、まだ見ぬ場所まで行くことができる。



この格言に感化され、観測史上、不特定多数の人が、漫画ワンピースのルフィのように、俺は一人では何もできない。だから仲間が必要なんだ!
と発信していることと思います。

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この言葉は、特に、まだ何者でもない、何の力も持たない若者の間では救いとなっていたり、よいリーダーとは?の研修で使われ共感を集めているようです。

私自身もこの言葉を心から信じ、医療現場の課題を解決しようと動いた一人でした。何の特殊なスキルも実力も実績もない若者でしたが、あふれでる熱意と行動力を片手に「一人では何もできない、仲間が必要なんだ!」と仲間を30人くらい集め、多数の会社を訪問しエンジニア探しの旅にでて動き回った結果、最終的にどういう末路になったか、あるエンジニアとのやりとりのスクリーンショットをご覧ください。

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そこには、厳しい現実がまってました。

一人では何もできないんです・・・。
だから、あなたを必要としてるんです・・・。
そんな守備範囲外のこと言われても、困ります・・・。
仲間となら遠くへ行けるんではなかったんですか?????


結果的に、何者でもないこの若者(わたし)は、仲間を集めても、遠くへは行けませんでした。この失敗から5年が経ち、自分には何がたりなかったのか、ずっと考えてきました。そして、この格言に隠されたメッセージに気づくことができました。この見解を、これから述べていきたいと思います。


なぜ、個の力が必要なのか?-マタイの法則-


マタイの法則というものがあります。
経済学でよく使われている言葉ですが、

「おおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう。」
(マタイ福音書13章12節)

といわれてます。個人的にこの法則は大嫌いで反吐が出ますが、真理なのかなと思います。すごい人は、自分と同じくらいの実績をだしている別のすごい人を好みます。あなたが結果を出している経営者であれば同じ結果を出している経営者と意見を交換したくなりますし、一流の選手であれば同じ一流の選手と意見を交換したいと思うでしょう。twitter でも、フォロワー100万人のツイートに、あなたのフォロワーが200人しかいない状態でコメントしても、返信される可能性はないでしょう。スティーブジョブスも、「一流は一流を雇う。二流は三流を雇う。」といってますね。


個の力をつけた人は、まわりに自分と同じ力を持った人をひきつけます。
個の力をつけた人が放つオーラや魅力は、そこにあたかも引力が働くかのように、すごい人をひきつけます。


そうやって、個の力をつけた人の周りにすごい人達が集まっていきます。
そういう準備を行って初めて、遠くへいくスタートラインにたてます

つまりは、もしあなたが自分の力には限界があると言う言葉を免罪符に、個人でできる努力を何一つ行わず、力を持ったひとにフリーライドするマインドセットをもっているのであれば、何もかもがうまくいかなくなるでしょう。力を持った人はそもそも、そういう魂胆で近づいてきた人に警戒心を抱き一発で見抜くため、フリーライダーと優秀な人が手を取りあって何かを成し遂げる可能性は、限りなく0に近いといえるでしょう。


はたしてあなたは、下の動画のような努力をした人を前に、自分の力には限界がある、仲間を作れと自信を持って諭せる自信があるか、胸にといてください。


先ほどの格言に、このメッセージが隠れてると思ってます。

早く行きたければ、ひとりで行け。
遠くまで行きたければ、みんなで行け。

ただし、何の力ももたないのであれば、まだ動くな。
時間泥棒になって、みんなを不幸にしてしまうだけだ。
まずは、自分が何者かになる努力をしろ。
遠くへ行きたければ、まずは一人でも遠くへ行ける力を持て。


なぜ、個の力が必要なのか?-リーダーシップ-

おそらく、あなたが仲間を集めて遠くへいこうとしているとき、あなたはリーダーのポジションかと思います。

なので、ここで少しリーダーシップの話をしたいと思います。

そもそも、リーダーシップってなんなんでしょうか?
私達が、リーダーと聞いて思い浮かべるのは、
スティーブ・ジョブス、イチロー、本田圭佑、坂本龍馬など
世界に名を轟かせる偉人ばかり。

リーダーシップなんて、自分には関係ない。


かつての自分も、そう思ってました。
日本では海外と違って、リーダーシップを教わる機会はありません。
部活の部長になる、チームリーダーになる、上司になる、社長になる
責任ある立場になって初めて、自発的に学ぶのではないでしょうか?

私も同様で、リーダーシップなんて、今までちっとも勉強したことがありませんでした。リーダーシップとは、別世界で活躍する選ばれたカリスマだけが発揮する特別なもので、自分のような小さな人間には関係ないことだと、思ってました。自分は、リーダーについて行く側の人間だと、思ってました。

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でも、違いました。
リーダーシップは、小さな自分とも関係してました。

2017年、日本ヘルスケアリーダーシップ研究会 (IHL) http://ihl.jp/what
に所属し、リーダーシップについて深く考えました。IHL の課題図書である、「リーダーシップの旅」より、リーダーとは何かについて、しるします。

私達は、深く暗い森の住人だ。村のはずれには、不気味な沼がどこまでも広がり、周囲を暗い森が囲っている。村には古くから伝わる言い伝えがある。この沼を渡るな。この沼を渡って帰ってきたものはいない。あなたは、ずっとその話を聞かされて育ってきた。しかし、あなたには、何か抑えきれない気持ちがある。遠く目をこらすと、沼と森の果てに、ほのかな光が見える気がするのだ。森の向こうには、豊かな草原と青い空が広がっている気がするのだ。もし、そこに住むことができれば、どんなに素晴らしいことだろう。青い空を自分の目で見てみたい。年老いた両親にも見せてやりたい。

そう思って、あなたは沼に一歩足を踏み入れる。

水は冷たく、よどむ泥がその深さを隠し、周囲の闇が体を包む。
不安や恐怖が頭をかすめ、思わず身がすくむ。
それでも、沼を渡り森を抜けたい、蒼い空を見たいと思う気持ちが
あなたに歩みを続けさせる。そして一歩、また一歩と歩き続ける。

これが、リーダーシップの旅の始まりなのだ。


リーダーシップとは、
自分達とは無縁の世界のものでもなければ
本を読んで、習得するものでもなければ
誰かから教わるものでもない。


自分は何をしたいのか?
どんな「まだ見ぬ世界」を見たいのか?
どうすれば 魂を震わせるような人生が送れるのか?
という、心の底から湧き上がってくる自分の内なる声に


ひたすら耳を傾け、悩み、葛藤し、もがき
正面から向き合う。そして不安だけれども
そこから勇気を持って一歩、また一歩と、泥池の沼へと足を踏み出す。


そんな人物が、結果として、リーダーと呼ばれるのだ。
リーダーシップとは、自分の生き方から発見し実践するものなのだ。


と考えるようになりました。
IHL (日本ヘルスケアリーダーシップ研究会) では
リーダーには、3つの段階があると学びます。

1: lead the self
自分の内なる声と向き合い、走り出す、もしくは
これから、走りだそうとしている状態。
2: lead the people
泥沼に足を踏み入れ、一歩また一歩と進み、そのリーダーの勇敢な背中を
見て、人々がポツポツとついてきている状態。
3: lead the society
心からの熱い思いをもち何かを実現したいと、
夢や志を真剣に語るリーダーに、周囲の人々は喜んで手を貸す。
リーダーは自分の夢を、みんなの夢に昇華させる。

利己と利他は渾然一体となっていき、
「自分のために」が「人のために」
「人のために」が「自分のために」と同化する。

様々な人に助けられ、支えられ、自分が人を活かしているのではなく、人に自分が活かされていると感じ、そのことによって、さらに行動できるのだという意識をもつ。そして、皆で社会を変えていく。そんな状態。


リーダーシップの旅は、はじまりはいつも
1人(lead the self)から始まります。


まだ見ぬ世界を夢見て
恐れと不安を抱きながら、孤独と向き合い
勇気を持って 1歩、また1歩と
泥池の沼へ、1人で、足を踏み出すことから始まります。


1人じゃ何もできないからと、最初から、同じ志の仲間を集めること
自分を高めず、個を高めようとせず、はじめから声高に、みんなの力が必要だ!と叫んで協力をお願いすること


これらは
独りで、泥沼を歩くリーダーの覚悟や思い、行動に比べると、
精神的な負荷はずっと低く、
ある種の安寧や安心は得られるかもしれませんが、
残念ながら、リーダーの資質を得ることはできません。
そういうリーダーでは、周りの人々を遠くへ連れていくことができません。


先ほどの格言に、こういうメッセージが隠れてると思います。

早く行きたければ、ひとりで行け。
遠くまで行きたければ、みんなで行け。

遠くまで行きたければ、まずは一人で、泥沼を歩け。


なぜ、個の力が必要なのか?-自己超越欲求-


あなたがもし、今までにのべた、個の力をもち、リーダーにふさわしい資質をもっていたとします。

では、それで本当に遠くへいけるんでしょうか?

仲間を集めて会社を作ったとします。
その会社は、100年、200年、300年とずっと何らかの課題を解決しつづける未来永劫活躍しつづける会社になるのでしょうか?


その疑問に対するヒントが、こちらに書かれてました。

どうも世界は、「水」や「海」と性質が似ているように思える。
たしかに、水を叩いて変形させることは可能だ。手応えもあるし、派手に水飛沫も上がる。でもその変化は一瞬で、すぐに元に戻ってしまう」

そのことに気付けないまま、世界を変えようとすると、永遠に水と格闘することになる。タチの悪いことに、殴った瞬間には手応えがある。だから徒労に気づくのが難しい。水を叩き続けた先には、一瞬の達成感しかなくて…… 頑張った人は結局、疲労の果てに絶望してしまう。

世界や社会や組織を変えようと頑張って、たしかに短期的に成果がでている。でも不思議と長期的に何も変わらない。世界が変わらない絶望の多くが、そのようなケースではないかと観測される。

世界のあり方が水のようなものであるならば… 直接に力を加えて世界を変えることはとても難しい。

水の形を永続的に変えるには、むしろ「地形」や「器」の形を変える必要がある。「地形」や「器」こそが、水の形を定義する根元なのだ。地形を変えれば、水はその形状にあわせて、最も自然な経路で流れる。器の形を変えれば、水はその形状にあわせて、最も自然な形に収まる。

世界や社会や組織を変えようとして、頑張っているのに、手応えがあるのに何も変わらないならば、立ち止まって考えたほうがいいのかもしれない。

「いま、自分が形を変えようとしているのは、水なのか、それとも地形なのか」


また、ビジョナリーカンパニーという本に似たような記載がありました。

昼や夜のどんなときにも、太陽や星を見て、正確な日時を言える珍しい人に会ったとしよう。「いまは 1401年4月23日、午前2時36分12秒です」。この人物は、時を告げる驚くべき才能の持ち主であり、その時を告げる才能で尊敬を集めるだろう。しかし、その人が、時を告げる代わりに、自分がこの世を去ったのちも、永遠に時を告げる時計をつくったとすれば、もっと驚くべきことではないだろうか。すばらしいアイデアを持っていたり、すばらしいビジョンを持ったカリスマ的指導者であるのは、「時を告げること」であり、ひとりの指導者の時代をはるかに超えて、いくつもの商品のライフサイクルを通じて繁栄し続ける会社を築くのは、「時計をつくること」である。

わたしたちの調査結果の第一の柱として、この章では、ビジョナリー・カンパニーの創業者が概して時を告げるタイプではなく、時計をつくるタイプであったことを明らかにしていく。こうした創業者にとってもっとも大切なのは、会社を築くこと、つまり、時を刻む時計をつくることであり、ビジョンのある商品アイデアで大ヒットを飛ばしたり、魅力ある商品のライフ・サイクルの成長カーブに乗って飛躍することではない。ビジョンを持って指導力を発揮する、カリスマ的指導者になることに全力を傾けるのではなく、建築家のようなやり方で、ビジョナリー・カンパニーになる組織を築くことに力を注ぐ。こうした努力の最大の成果は、すばらしいアイデアを目に見える形にすることや、カリスマ性を発揮することや、エゴを満たすことや、自分の富を築くことではない。その最高傑作は、会社そのものであり、その性格である。

これらのことから考察すると、何かを未来永劫解決する、というずっと遠くに位置する目標を達成するためには、

個の力をつけて、優秀な仲間を集め、リーダーとしてその時代に脚光を浴びるカリスマ的な存在になったとしても不十分のようです。その人がこの世から消え去ってしまえば、結局は水の上を叩いた時の水しぶきと同じ結果になってしまい、本当の意味で世の中を変えたことにはなりません。


水を叩くのではなく、器となる地形をかえる
時を告げるのではなく、時計をつくる



これらを成し遂げるために、私たちには何が必要なんでしょうか?
結論から言うと、わたしは、自己超越欲求が必要だと考えております。


マズローの5大欲求を、皆さんはご存知でしょうか?


・生理的欲求
・安全の欲求
・所属と愛の欲求
・承認欲求
・自己実現の欲求


これらの欲求は、一番上から順番に、満たされていくと言われております。

近年、若者の間で、SNS 疲れが話題となっておりますが、
承認欲求を満たすのに疲れた若者が、自己実現欲求のステージへ移動し
ブログや動画コンテンツで、発信し、自己表現をするものが増え
1億総クリエイター時代の到来、と声が上がってます。


ある意味、自然の摂理かもしれません。
マズローは、晩年になって、この5大欲求の上に、
さらに6段階目が存在すると発表しました。それが超越的な自己実現欲求です。

マズローによると、全人類の2%しかたどり着かないらしく
子供の頃に到達することは、ほぼ不可能と言われているそうです。自己超越欲求について、マズローは解説します。

自己の超越、真、善、美の融合、他人への献身、叡智、正直、自然、利己的個人的動機の超克、『高次』の願望のため、『低次』の願望を断念する、増大する友情と親切、目標(安静、静謐、平和)と手段(金銭、権力、地位)とのやすやすたる区別、敵意、残忍、破壊性の減少

マズローと共に、トランスパーソナル心理学を創始した
精神科医の、ヴィクトール・フランクル先生 によれば

自己超越という言葉で私が理解しているのは、人間存在はつねに自分自身を超えて、もはや自分自身ではない何かへ、つまり、ある事またはある者へ、人間が充たすべき意味あるいは出会うべき他の人間存在へ、差し向けられているという事態である。

ちょっと、2人とも何言っているかよくわからないので、
よくまとめてある、良記事がございました。


この領域は、「目的の遂行や達成することだけを純粋に追い求める」という状態です。ここには、他人からの視線や他者から認められたいといった欲求は眼中になく、ただただ達成したい目標に向けてひたむきに走っている人のことを指します。

また、これまで自分に向いていたベクトルが周囲にも向くようになり、自分もしくは自分が所属するコミュニティが掲げた目標に向けてひたむきに努力をします。他者から見ると、「純粋に目標を追っている姿は、良い意味で異質でユニークな人」に映るでしょう。

このように、自己を超えて他者にも良い影響を及ぼしながら自分も心から達成したいと思える目標に向けてひた走ることが「自己超越」の領域なのです。


誰かを幸せにしたい、困っている人を助けたい
という強い思いと真の実力(個の力)を持ったリーダーが


自己を超越し、自分が消え去った後も機能しつづけるように
自己の利益や権威、一時の脚光や名声をめざすのではなく、未来永劫地形を変えるような文化や制度や組織、システム、土台を作ることに、すべての力と情熱を注ぐことによってはじめて


自己の限界を超えて遠くへ行くことができ、社会は変わっていくんだと思います。

早く行きたければ、ひとりで行け。
遠くまで行きたければ、みんなで行け。

遠くまで行きたれば自己を超越しろ。
地形を変えろ。時計を作れ。


まとめ


これからも多くの人が、あなたにこういうでしょう。


自分ひとりの力には限界があるんだ。自分の無力さや限界というものを良い意味で受け止めたうえで、他人に助けてもらう、助けてあげる、互いに協力する、という姿勢が何よりも一番大事なんだ。そうでなければ、決して遠くへは行けない」と。


これは、半分正解で半分嘘が混じっていると思ってます。
わたしは以下のように思います。

一人の力に、限界はありません。
人はどこまでも上へ上へと成長でき、人のもつ可能性は無限大です。
一人でも人は、遠くへ行けます。

しかし、自己を超越しなければ、何も変わることができません。
水の上の波紋のように、結局は消えていきます。

だからこそ、社会を変え続けるためには、個の力を高めようと必死に努力する人々と仲間をつくり、未来永劫続くようなシステムを作るべきです。


この記事が、もし今同じような悩みを抱えている誰かにとって、何か考えるきっかけとなれば幸いです。最後にもういちど格言と気づいたメッセージをかいて、おしまいにします。

早く行きたければ、ひとりで行け。
遠くまで行きたければ、みんなで行け。
ただし、何の力ももたないのであれば、まだ動くな。
時間泥棒になって、みんなを不幸にしてしまうだけだ。
まずは、自分が何者かになる努力をしろ。
遠くへ行きたければ、まずは一人でも遠くへ行ける力を持て。

遠くまで行きたければ、まずは一人で、泥沼を歩け。
遠くまで行きたければ自己を超越しろ。
地形を変えろ。時計を作れ。



PS:
実は今朝
「一人の力には、限界はある。だから.... しなさい」

と、父親にいわれたことにむかついて、この記事をなぐりがきしました笑 
また最近、弊社に訪問してくださった医学生3人にこの話をしました。彼らの目はきらきらしてて、こういう人たちが未来を創っていくんだと確信し、いっそう背筋が伸びました。

わたしはまだまだ未熟者なので、個の力を引き続き、高めてまいります。皆様のご指導よろしくお願いします🙇‍♂️

長文を読んでくださってありがとうございました。


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