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日本の伝統工芸品を救いたい①~ある伝統工芸品の唯一の後継者である僕がインスタグラムを活用して得た効果と活用法を公開します。~

こんにちは!
はじめまして!
ある伝統工芸品の唯一の後継者 渡辺です。

今回、”日本の伝統工芸品を救いたい”と大きなテーマを掲げてみました。
正確に言うと、日本の手しごとや伝統工芸品に携わっている人、個人や家族単位くらいの規模で事業を営んでいる方の為に書いていきます。
理由は、同じ痛みがあるから。
「今の生活に満足していて、将来の不安とかは全くないよ~」って方には合わない内容だと思います。
「今のやり方のままでいいのか不安。インターネットを活用していきたいけど、よくわからない。ちょっとはやってるけど結果がでない(売り上げに結びついてない)」って方には参考になると思っています。

では、早速、今回は第1回目として、
”僕がインスタグラムを活用して得た効果と活用法”について書いていきたいと思います。
はじめに言っておきますが、フォロワー数の増やし方ではありません。それは、僕も知りたい!
ざっくり言うと、”2年間でフォロワー数260人でこんな効果があったよ”ってお話(正確な数字は言えませんが嘘は書きません)。
フォロワーも少ないし、投稿数も100ほどなのでかなりののんびり運営ですが、結果を出す為に意識してやってきたので、参考にしていただけると嬉しいです。


本題の前に、自己紹介させてください!

自己紹介

改めましてこんにちは!
漆器の工房「わたなべ木工芸」で態度だけは一人前の職人 渡辺です。
経済産業大臣指定伝統工芸品、庄川挽物木地の職人です。
工房は僕と両親の3人で営んでいます。
2年前に勝手にIT事業部を立ち上げてホームページやインスタグラムの運営、お客様へのメール対応などをやっています。
そのほか、職人仕事、百貨店へ出張しての実演販売、新商品の企画、ブランディングなど、なんでもやってます。
これが貧乏暇なしってやつなので、絶対にマネしないでね!

そんな僕なんですが、若い時にはよくわかないでチヤホヤされた事もありました。

↑は7年前の地元の新聞。
新風なんて言われてニヤニヤしてたんですが、その後、僕以外の担い手が全く現れず。いっこうに新しい風が吹かない。
これじゃあ、桶屋も漆器屋もお手上げさ!ってなわけです。
この担い手不足問題。
きっとコレって伝統工芸とか日本の手しごと全体におこってる事なのかもしれないなって。
担い手が不足する原因ってぶっちゃけ儲からないからなんでしょうね。
お金にならない仕事は好きでもしんどいものです。
でも、この問題も時代の変化と共に変わってきてる気がしています。
それが、インターネットを使った販路の拡大です。
今回はその中でもSNSのインスタグラムについて書いていきます。
絶対に儲かる方法とかではないのだけれど、「0を1にするとか、1を4~5にする方法」かなって思ってます。長くなると思いますが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

では、はじめます。

そもそもインスタグラムってどんなSNSなの?

これ、すっごく大事です!

インスタグラムって写真を楽しむSNSです。
めちゃくちゃざっくり言うと、素敵な写真と自分の興味がある事について情報を得る場所。
それをアプリ内のハッシュタグ検索で行います。ググる時代が終わりタグる時代がきているっていうのもこういう事です。
そして、メインのユーザーの年齢層が10代から20代が多い。

これがインスタグラムのだいたいの説明になります。



勘の良い方なら気付くと思います。
僕たちのお仕事とインスタグラムのメインのユーザー層の年齢が全然合ってません。
日本の手しごととか伝統工芸品のお客さんってもっと大人な方が多いですよね。
むしろ、真逆。
ご年配の方が多い。
これが、どれだけ頑張っても結果がでない理由なのです。
ここを解決する事が結果をだす近道だと思っています。

インスタグラムのメインユーザー層とお客さんの年齢層の差の埋め方

結論から言います。

”メディアに載せてもらう”

です。
これは、普通のアカウントには難しいです。
しかし、日本の手しごとや伝統工芸をやってるアカウントなら比較的載せてもらいやすい。
実際に僕のアカウントの話をすると

メインアカウント(フォロワー260人)
・テレビ2回(その中の1つがインスタ効果)
・ラジオ1回
・地方情報誌1回

サブアカウント(フォロワー25にん)
・雑誌1回

の取材依頼がきています。
このテレビ、ラジオ、雑誌などのメディアは僕たちのお客さんの年齢層とドンピシャです。
そして、その情報を発信する記者さん達はどうやってネタを探すと思いますか?
そうです。インスタグラムなどのSNSを駆使して情報を集めているんです。僕もこの事に気付いたのは取材していただいた時に記者さんに
「どうやって僕の事見つけたんですか?」
って聞いて知りました。

では、実際どのくらい効果があったのって事と具体的にどうやっていけばいいのかをお話します。

実際にどのくらいの効果があったのか

インスタグラムをやっていて売り上げが〇〇万円上がりました!って説明するのはちょっと難しいんですが、新しい流れができました。

実は、1回目のテレビ放送の時に合わせてインスタグラムを開設しました。
これが、テレビの全国ネットで、これに合わせてインターネット環境を整えていった感じになります。
この取材依頼に関してはインスタグラムは関係ないのですが、それが放送される前に、放送によって取り上げられる工房を事前にリサーチしてくれている方がいました。
その方が僕のインスタを引用して紹介してくれていたわけです。
それにより、再放送の度にお問い合わせやご注文をいただけました。

その後の地元のメディアに紹介していただいた時も、その度にお問い合わせやご注文がありました。
どちらも、WEBショップからの売り上げを予想していたのですが、直接お電話でのご注文が多かったです。
そのほか、自宅のお店に直接ご来店いただく事も増えましたし、それがきっかけでお取り扱いいただくお店も増えています。
インスタグラムだけの効果ではないけれど、インスタグラムがもたらした効果はかなり大きかったと思います。

インスタグラムの効果を最大限にする為にやった事とやらなかった事

ここで紹介するのは僕の持論になります。
答えではなく、ヒントだと思って読んでください。
まず、やらなかった事を紹介します。

やらなかった事

・仕事以外のプライベートすぎる投稿
・頑張ってない写真
・悪口
・売りたいばっかりの投稿
・無駄な自撮り(個人的には好き)

1つ1つ解説する必要はないと思います。
フォロワーさんが見たくない投稿をオフィシャルアカウントでするのはマイナス効果かなって思ってます。


やった事

1 ハッシュタグで地元の県、地名、伝統工芸ならその名前を入れる
2 位置情報をいれる
3 写真をきれいにみせる
4 プロフィール欄を整える
5 キャプション(文章)を気合をいれて書く

やった事を説明する前に大前提なのですが、これは理解しておいてください。

「インスタグラムは遊びじゃない。」

基本的にはみんな楽しんでやっています。
ただ、僕たちはお仕事でやってるので真剣に取り組まないと結果はでません。
みんなが楽しんでやっているところに仕事として参加するんだから、せめて真剣に取り組んでいないと即ミュートされておしまいです。
逆に真剣に取り組んでいたら、ファンがつき応援してくれます。
それができてるアカウントとできてないアカウントは一目瞭然な事も理解しておいてください。

1ハッシュタグで地元の県、地名、伝統工芸ならその名前を入れる。
インスタグラムには拡散させる機能がありません。
なのでハッシュタグってとても大事です。
そして、自分の事を気にかけてくれたり、応援してくれるのって地元の方やメディアの方が多いです。
なので、「”地元の県”や”地名”でこんな”手しごと”や”伝統工芸”で頑張ってるよ!」って事をハッシュタグでわかるようにしておきましょう。
きっとみんな応援してくれます。

2 位置情報をいれる
これは、1と同じ理由です。
位置情報を入れておくことにより検索でひっかかりやすくなります。

3 写真をきれいにみせる
インスタグラムでハッシュタグ検索をした人は、まず大量の写真を見ます。
その中で自分の投稿を選んでもらったり、気にかけてもらう必要があります。
その為には、やはり写真のクオリティを上げるのはとても大事な事です。
僕の場合は、一枚の写真を投稿するのに、毎回30枚くらいは最低でも撮ります。
その中で気に入ったものを画像編集ソフトを使って現像してアップします。
カメラは一眼かもしくはコンデジです。
どちらもお値段は高い物ではありません。
もしかしたら、最新のiPhoneのほうが画像は綺麗かもしれませんが、カメラを構えて撮影して、現像する。
その流れを繰り返す事により写真が上手になるのかなって思ってます。

4 プロフィール欄を整える
写真が目につき気にしてくださった方は次にプロフィール欄を見ます。
そこで、できるだけ丁寧に自社のプロフィールを書きましょう。
個人のアカウントを増やしたい場合は見やすく書いた方がいいのですが、今回の場合はできるだけ丁寧に。
自分が何者でどこで何をどんな気持ちでしているのかを文字数が許す限り書きましょう。
ホームページのリンクも絶対に張っておきましょう。

5 キャプション(文章)を気合をいれて書く
1つの写真を投稿するのにキャプション(文章)ってどのくらい書いてますか?
簡単に思った事を書いて、ハッシュタグを2~3個つけてって感じじゃないですか?
それがダメだとは言いません。
しかし、チャンスを掴む人ってそういう所に気合を入れて取り組んでる人だと思ってます。
文章って興味にない人は読まないけれど、興味のある人は読みたいし、ちょっとでも多くの情報がほしいんです。
そこで、丁寧に素直に自分の気持ちを表現する事は決してマイナスになる事はないし、それがきっかけでおおきなプラスが舞い込むと思っています。
僕の場合は、ホームページのブログに写真と文章を書いて、それをインスタグラムにコピペしてハッシュタグをつけています。
今のところ、毎回1時間以上はかかっています。
文字数も他のインスタグラムアカウントと比べたら、多い方です。
1つの投稿に1時間って聞いたら、
「え?」
ってなるかもしれませんが、僕はこれを大事にしています。
ただ、これに関しては1投稿のクオリティを下げて、投稿頻度を上げたほうが効果は出やすいのかなとも思っています。
自分にあったやり方でやってください。

今回はこんな感じになりました。
僕自身まだまだ使いきれているわけではないのですが、前提として、僕たちはインスタグラマーになる必要はないんです。
それが、商品や技術があるって事の強み。
手しごとや伝統工芸って普通に良いものでしょ?
そして、正直、売るのは難しけど、メディアに取り上げてもらう事は他の業種よりは多いと思うんです。
もし、ここで書いた”やった事”と”やらなかった事”を実践して一件も取材依頼が来なくても、確実に何かは起こります。
僕は良い事ばかり起こりました!
実際、自分はインスタグラムを通してフォロワーの方やメディアの方や地元の方に助けていただいてるなってとても感謝しています。

日本の手しごとや伝統工芸の職人さんこそスマホで仕事をする時代なのかもしれませんね!

これからも自分が経験した事や勉強した事など書いていきますので、フォローしていただけると嬉しいです。
では、また。

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