ライティングのコツ|「取材」編 実践2

前回の取材編1では、焼肉屋さんの求人広告を例に挙げて、取材のコツをお伝えしました。

今回はその続きで、仕事の面白さ、欲しい人材、社員の特徴、などについて順番に「なんで攻撃」をしかけていきますね。では、さっそく1つずつ見ていきましょう

取材のコツ 〜 実践

まずは仕事の面白さについて。

■仕事の面白さ
 ・意見が通りやすく、やりたいことができ、やりがいがある。
 Q:なんで意見が通りやすいの?
(上司がいい人なの?特別な評価制度があるの?)

 ・次のステップとなる一歩をチャレンジできる。
 Q:なんでチャレンジ出来る、と感じるの?

はい、前回の休日制度に「なんで?」とツッコムよりは突っ込みやすいですかね?(笑
でもインタビュアーとして取材に挑んだ時、最初の一文が答えとしてインタビュイーから出た時、「へえー、そうなんですね!」と締めてしまいがちです。
もちろん「意見が通りやすい」=やりたいことができ、やりがいがある
という答え・オチで記事を終えてもいいんですが…

これ、情報として浅くないですか?結構、たくさんの会社で言えそうですよね?ここに深みをもたせたい(情報に差別化したい、信ぴょう性をもたせたいお)ので、「意見が通りやすい」根本の理由を知りたいんです。そのほうがよっぽど差別化できる情報が見つかるはず。
そう思いませんか??

では2つめ。欲しい人材についてなんで攻撃をば…。

■欲しい人材 
・夢や目標がしっかりある方がいい
Q:なんで夢や目標がある方がいいの?
(昇進して欲しいの?独立して欲しいの?)

・素直な方(謙虚で情熱がある方)
Q:なんで素直な方がいいの?
(まずは上司のやり方を踏襲して欲しいの?それともお客の声を聞けるから?)

夢や目標がある人って、なんだかかっこよい感じですよね。自分を持っていそうで、意識も高くって…。
ん?でもそんな人って、ほかの会社でも欲しい人材じゃないですか?そんな意識高い人なら余計に、「うちならその夢や目標を形にできる〇〇があります!」と、具体的に訴えなければ響かないんでないの??って話です。だからここもなんで攻撃、ぜひ仕掛けていきたいところですよね。

次の「素直な方」という人物像に関しては、絶対にその理由を明確にしておくべきだと個人的には思っています。なぜなら、素直じゃない人は要らない会社って、世の中にどれだけあるんでしょうかね?(もちろん頑固で誰の意見も聞かないくらいのやんちゃな奴がうちには必要、ってところもあるでしょうけど。)

ほかの会社も欲しい要素なら、「なぜ素直さが仕事上、要るのか」を説明すべきです。その人を他者と取り合った時、納得性に欠けるから。
もし、説明できないくらいなら書かない方がいい。
単に教育担当の上司が「いやー、素直な人の方がマネジメント楽じゃん?」みたいな考えだったとしたら超危険です。もしもそんな案件を私がインタビュアーとして担当したなら、絶対「素直な人がいい」と自分の記事には書きません。

では最後に、社員の特徴について

■社員の特徴
 ・キャラが濃く、元気!
  Q:なんで元気なの?

 ・お肉が好き!
  Q:なんでお肉好きが集まってるの?

 ・人が好き!(お客様の喜ぶ顔が好き)
  Q:なんで人が好きなの?

もはや禅問答みたいですよね(笑。でもなんで攻撃って、当たり前のことにこそ聞けると、全然当たり前じゃない情報が出てきたりします。時には思いもよらないほど、人間のふかーい根っこのところに辿り着いたりすることも。例えば、

元気である理由
=声を出したら時給があがる
=若い子がいっぱい勤めている
=面接官が波長の会う人だけあつめている
お肉好きが集まる理由は?
=もともと店のファンだった人が働いている(店の美味しさを証明)
=まかないがめちゃめちゃ美味しい。しかもタダ、とか。
人が好きな理由は?
=固定客が自分についたら、店からインセンティブがつくから面白い(やりがい)
=地元のいい常連さんがたくさんいるので、客層が安定している(接客が楽しい)
=芸人の卵がたくさんいて、みんなを笑わせることが好き

あくまで例えばですが、それぞれこんな答えが出てきそうですよね?

一見、当たり前の情報にこそ、本当に聞くべき情報が隠れている。だから「なんで攻撃」って、シンプルですけど効果的なんですよね。

さて!以上で取材の実践編は終わりです。
次回はなんの話をしようかな…。気長にお待ちいただけると嬉しいです。

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