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クリエイティブディレクターの役目とは?【前半】

先日、テレビであるCMをみかけました。

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新商品のメンズビオレ。これ一本で「全身洗えるメンズビオレ」。このCMをみて受けた衝撃と、最終的にたどり着いた「クリエイティブディレクターの役割とは?」までを、前後半に分けて綴ってみたいと思います。


超レッドオーシャンの分野で、
「これがいいかも!」と言わせる訴求力

個人的にこのCM見た時には、「作った人たち、すげえ…」と感嘆しました。何に感嘆したかっていうと

●「全身洗える」という機能売りの商品だけど、「メンズビオレ」と男性に絞ったことで、一定層は存在するであろう「潜在層のニーズ」にバッチリあてはまってり、むしろ単なる機能売りじゃなくなってること。
…潜在層の男性は、3種類を1つに“まとめたくない”んじゃなくて、“まとめられないから、まとめてない”だけ。(ボディ石鹸であらったら、髪の毛ガシガシになるし。)「まとめられるなら、そりゃそのほうがいいわい」という声が聞こえてきそう。

●昨今、男性化粧品=美意識が高い男性に向けたものが多かったのに、“そこまで美意識が高くない男性”に向けたこと。(美意識を高めるアプローチじゃないこと)

●男性に化粧品やスキンケア用品を買わせるために、種類を増やすんじゃなくて、むしろ減らして、ブランドチェンジしてもらう戦法をとっていること。

このあたり。

「まとめられるなら、まとめたほうがいいよ!とにかく洗えたらいいんだよ」てな声が、男性陣からも聞こえてきそう。しかもその奥方たちからも聞こえてきそうで面白い。「うちの旦那、これでええやん!」と男女問わず買っていく人が多いんじゃないでしょうか。

そもそも「男性もこれからは美意識高めでいなきゃね!」といっている男性が、果たしてどこまで生息しているのかは、個人的にかねてからの謎でもありました。(若い子ならまだしも、周りにそんな人いないし…。)
風呂も入るし、身なりもきちんとしているし、小綺麗にはするけど、シャンプーやボディシャンプーに対して「俺はこれしか使いたくない!」なんていう男性が、果たしてこの世にどのくらいいるのだろうか…。ほとんど嫁さんのシャンプーつかってんじゃないのか?と。

かねてより、そんな疑問を抱えていたからでしょうか、
「確かに!こういう男性、多いよね!!」と、CMみて叫んでしまった私は少数派でしょうか。
その横で「もうこれでええやんな」と、呟いたうちの旦那も同様にレアケース、なのでしょうか。どうしてもそうは思えない…。
我が家がそもそも、超わかりやすい小市民家族ってことをさっぴいたとしても、いやはや多数派男性の心理をめっちゃついてるわーと、感動しきりのCMでした。

ブルーオーシャンは、レッドオーシャンの中に潜んでる

昔、「チャンリンシャン」というCMでおなじみの商品がありましたよね。

あの当時はきっと、「機能」を売るだけで珍しがってもらえた時代だったんですよね。この商品は女性向けでしたが、男女問わずみんな物珍しがって買ってたと思います。(私は買ってました…)。
でもいまは「リンスインシャンプーで洗うと、髪の毛バサバサになりがち」という事実を、みんなフツーにしっている。だからリンスインシャンプーは、海の家で頭洗う時くらいの非日常・非常事態下での使用アイテムって人、少なくないんじゃないでしょうか。
でも売る方はつい、機能・サービス面でアピールしがちなんですよね…。

商品を購入するステップとして、最初は「なんでもいい」から「これでいい」になり、「これがいい」になっていくとおもうんですが、昔のリンスインシャンプーは、もはや機能で売ったとて「なんでもいい」にすらならない。だって、海の家で使うわけじゃないし、キレイになるために使うんだし。
そもそも女性は顔・カラダ・髪、と自分がお気に入りのスキンケア用品があったり、使いわけを楽しんだりする人が多い。
極端なことをいうと、そのブランドを選ぶことで、「私はこれを良しとする人だ」という、自らの意志表示にすらなる。そんな基準で選ぶ人が比較的多い「女性」という生き物。

じゃあそんな女性たちに「新しく出ました!」と言ったとて、
オールインワン石鹸を使うだろうか?
じゃあどんな人ならば、「新しく出ました!」と言えば
オールインワン石鹸を使うのか?
きっと、

忙しい毎日で、少しでも時間が短縮できるならば、
髪の毛もそこまで傷まないし、それなりになるならば、一本ですませたい。

そんな人。ただこれって、

化粧品の使い分けを楽しむ女性より、男性のほうが多いんじゃない?
つか、男性に「美意識を!!」と啓蒙するより早そうじゃない??
「なんでもいい」も「これでいい」もすっ飛ばして、「これがいい」になりそうじゃない???

そう商品会議で言ったか言わないか、私には知る良しもありませんし、これが売れるかなんてことも、私にはわかりませんが笑、なんしか頭の柔らかいアプローチだなと大変参考になりました。
すわ、レッドオーシャンの中に、ブルーオーシャンを見つけたよ!と担当者の人も思ったんではないでしょうか(私なら有頂天になってるかも…)。

圧倒的に多そうな潜在層へ、アプローチしたこと
機能を売っているようで、機能売りじゃないこと
・レッドオーシャンの市場にみえて、実はブルーオーシャンを攻めたこと

私たちクリエイティブディレクターが中小企業様とお仕事する上で提供できる価値って、おそらくこういう切り口や目線に気づいてあげられることなんじゃないかと。もちろん、大企業では「商品企画」という部署があり、お呼びじゃないですが。

次回「クリエイティブディレクターの役目とは?【後半】」では、この辺の
役割、について少しお話してみたいと思います

ではまた。

●地域×リモートワーク×専門スキル「@homeディレクター」6/1.Release

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