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個人事業主になって、一番最初に迷ったのが「屋号」でした。当然ながらそれまでは「松本裕美」という、個人名でしか仕事したことなかったので。

今回は、個人事業主時代に2つの屋号を経て、今「JAMSTORE」をいう法人を立ち上げるまでに経験した「屋号で困ったこと」をまとめてみます

ふたりでやってるのに、ひとりでやってると思われた屋号

最初の屋号は「松本制作事務所」でした。最初は1人でやってたし、なにより何屋さんかわかり良いほうがいいし。そしてもうひとつ、この名前にした理由はその「古風さ」。「○●商店」とか昔からある名前って、なんだかんだ一周回っていいよなあ、みたいに感じてまして。「不器用ですから」的な無骨さが好き。これはいまでも感じてることです。

ただ後に夫がジョインしてきて、ふたりで事業やりだしてから、屋号に「松本」とついてることによる弊害がでてきた。

「松本」以外の、もうひとりの顔が見えづらくなったんですね。もうひとりの色が見えにくくなるというか。誰かとジョインすることで、「私が」ではなく「私たちは」何を売りにするのか、を考えるようになったキッカケだったなと、いまとなっては思います。

電話・初対面の人に聞き取りづらい屋号

続いて決めた名前が「MARRUTe+(マルット・プラス)」。冗談みたいに思われるかもですが、意外と真剣にきめまして笑。クリエイティブに関することは「まるっとよしなにしますよ」と、お任せくださいね、という意味を込めていたんです。
でもこの名前最大の弱点は、初対面の人にわかりづらいこと。電話では100%「すみません、御社名をもう一度頂戴できますか?」と言われました笑。

もう一度、丁寧に繰り返し言っても「まるっと…プラス様…、えーと、まるっと??…ですか?」と何度も聞き返されたり。相手もまさか社名に「まるっと」って入ってるなんて思わなかったんでしょうね。この名前の時は初対面の電話対応、初対面の名刺交換、本当に苦労しました笑。こちらに思いがあることも大事だけど、相手のことを考えた理解されやすも大事なんだなと、思い知らされた経験です。

理念を込めた屋号へ

前段の反省を踏まえて、最終的に名前はいまの「JAMSTORE」におちついた私たち。JOY AND MAKE(楽しむ、そしてつくりだす)、という意味を名前にこめました。お客様にとっての楽しいとは?単にきれいなデザインじゃなく、目的を見据えた意味のあるクリエイティブだからこそ、楽しいビジネスにつながるんだ、という思いから。

STOREには商い的感覚を織り交ぜて。ビジネス、だとちょっと冷たい温度がするなあ、人と人が向き合って仕事したいなあ、という理由でした。

この理念があったからこそ、この名前は生まれたし、皆さんから「ジャムさん」といって親しんでいただける名前になったと思っています。
「最初はジャム屋さんかと思ったよ笑」なんて言われるのもご一興。この会社を覚えてもらいやすく、その根底に理念が伝わる名前を授けることができて、いまではちょっぴり誇らしく思っています。

もしも名前に理念がこもってなかったら、いま進むべき方向に迷いが生じていたかもしれません。

屋号を決める、ということは理念を決めること

この6月からJAMSTOREは、デザイン・ライティングに特化したクリエイティブファクトリー的組織に生まれ変わります。
そして、アライアンスを組んでいる淀紙器製作所 企画部では、企画・クリエイティブディレクション、ディレクション業務など対顧客折衝業務に特化。3年半育んだバックオフィスサービスも「@homeディレクターも」に名称変更・進化させ、再スタートをきります。

いまこの形をきめたのも、この歩みを決断できたのも、JOY&MAKEの思いが、JAMSTOREという名前があったからこそかな、と思っています。ひとりでやってる時は、5年後どうありたいか、自分の事業でどんな価値を生み出したいか、なんて正直考えてなかった。でも名前を決める、という過程を経て「自分たちはどうしたいのか」を言語化してきた、そう感じています。

逆にいうと屋号を決める、というチャンスを軽んじず恥ずかしがらず、ちゃんと向き合えば、自分のビジョン・理念と向き合うキッカケにもなる。

長々と書きましたが今回の記事でいいたかったのは、結構屋号決めるって大事ですよ、と。ただそれだけです笑

「名は体を表す」なんて域にはまだまだたどり着けていませんが、これからも精進しつづけたいと思います。

ではまた

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