わたしは諦めたかった。
私は28歳の頃
恐らく会社員時の働きすぎとストレスが引き金となって
一生治らない精神病になってしまった。
7年くらい毎日終電帰りが基本だったが、その話は今は置いておく。
とにかくなってしまった精神病。
症状もひどく、精神がリアルのこの世界にいられなくなってしまった。
さらに発症当時は強い薬を投与され、
その効果で寝たきりになったが、現実世界に帰還した私は
「人生終わりか…ここまでか…。」と苦悩した。
這いずって机に向かい仕事をしてみたが、当然のごとく
クライアント様の満足いく結果の絵が描けず
絵仕事を沢山失った…。
どのくらい画力が低下したか?を実際見て頂こう。
このようになった↓
最悪だ…。
発想力・デッサン力・構成力・色彩感覚・描き込みが
見るからに低下。
勿論、自分の集中力なども極端に低下。
プロだったのに、小学生のちょっと巧い子レベルになってしまった。
しかし今まだ絵を描いている。
人生もあきらめていない。何故か?
1、2年くらい経過して薬にも慣れて、徐々に現実世界戻ってきた私だったが
今思うとその時の私は滅茶苦茶に甘えていたと思う。
「病が…病が…」と全てを病と過去の”働かされ過ぎ”のせいにしていた。
つまりすべてを
外的要因のせいにして、己は安穏と甘え切りのゆりかごの中に居た。
酷い時なら兎も角、そうでもない時にだ。
*詳しい付け足しをすると、ドクターストップも解けていて
医師には働いていいでしょうと言われていた時だった。
そんな中、一つの歌に出会った。
コラボレーションで仕事をさせて頂いた事もあるLIVMOON様の歌で
『ドラクロワの女神』という歌だ。
詩の中で絶望し、諦めた者に向かってその歌は訴える
「…その鎖で脚を つないだのは誰だ
鎖は言い訳。動き出すのなら」
私はその詩を何回も何回も聴いた。
その詩は、言い訳するな、戦え。
それが嫌なら甘えて過去に生きろ
と言っているように私は聞こえた。
そうだ、私は自分で自分を制限していた。
私は自分自身に問う
「このまま終わって自分の人生満足か?」
私の言葉はこうだった
「違う」
そしてその詩を応援歌に私は転職サイトをあさり
一つの会社を発見した
それがとある一つのオンラインゲーム会社だった。
そこにフリーランス契約で雇って頂いた。
(病の事を秘密にしてお世話になったのは、悪いと思っている…)
仕事は、大好きなファンタジーの絵を描く仕事だった。
最初は慣れずにパフォーマンスが発揮できなかった。
少しづつ慣れてきて
1枚2日描いた絵がこれだ…↓
違うタッチでも描かせて頂いた↓
結構描ける。
描けるようになってきている!!!
もう一度見ていただこう。
病んでた頃の私の絵を。これだ↓
明らかに上記と違う。
自分が自信を取り戻してくるのが分かった。
それからその会社を離れたが、今でも感謝している。
そして今、ゲーム会社を独立してから
13年目を迎えるが
まだまだ絵仕事を頂けて生活できている。
勿論それは周りの人の力
クライアント様の力あっての事だが、
あの時諦めていたら…今はないと思う。
また諦めた者に、神は味方しないし
クライアント様も周囲も味方になってくれただろうか?
私は10年以上かけて、
「夢は前向きにあきらめない事」を学んだ。
そして
これからもそうだと思っている。
そして、この病が私に降りかかり良かったとさえ思っている。
だって、天国のような場所では光ばかりで、それを見つけるのは簡単だし
慣れてしまうと思うけれど、
地獄のような場所で、光を見つけた者のほうが、光の尊さを知る事が
出来るから。
ちょっとイッちゃってる思考かも知れませんが…。
今はまた輝きを持った日常を送れている。あの時諦めないで良かった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?