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僕はこうして飲み会に行かなくなった

世の中には、特に大学生くらいから飲み会というイベントが顔を出し始める。それは、打ち上げや歓迎会、ただ飲みたいからなど理由は様々だ。

もちろん、苦楽を共にした人たちや仲のいい人と飲みに行くのは楽しい。同じ経験や体験を経ていたり、趣味が似ているので話が弾むのだ。酒が入るとなおさらだ。

しかし、飲み会に関して昔から一つの疑問があった。

「人はなぜ2次会に行くのか」だ。

おそらく、僕にとってこの問題は数学でいうところのミレニアム問題に等しい。僕がどんな2次会でも行きたいと思えるようにしてくれたら、1億円を差し出したいくらいだ。

僕が2次会に行きたいと思う3つの条件を書いてみた。

1. 食べ足りなかった
2. 飲み足りなかった
3. 話し足りなかった

要するに、1次会の際にまだ完全燃焼してない場合に初めて「2次会に行きたいな」と感じる。
だが、そんなことはまずないといっても過言ではない。

なぜなら、1つ目、2つ目については僕は大食感ではないし酒豪でもないからだ。さらに、食べる・飲む量は自分である程度自由が利くので自然と満たされるのである。3つ目については僕は喉が弱いので、2~3時間も話したら声がかれるからだ。1次会が終わる頃は、もう声を出したいとすら思ってない。

今までの経験上、1次会がちょうど終わるころにはこの満足感と疲労感が合わさり、おそらくその日のピークを迎える。
そして、頭の中では家に帰ったら横になろうとか、映画でも見ようかなど、穏やかな時間を過ごそうと思うのだ。

そんなことを思っているときに、周りから「2次会どうしようか」などという恐ろしい言葉が聞こえてくる。

全く理解に苦しむ。なぜ、1回の食事で2度も同じ人たちと違う店に行かなければならないのか。

コミュニケーションならぬ飲み二ケーションを大切にするためという人もいるが、それなら店を変える理由はない。さらに、この飲み二ケーション理論の提唱者の中には、酔った勢いで失礼なことを言う侮辱罪にあたる人や飲み会中に話した内容など翌朝には全く覚えてないなどという悪行を働く人もいるのだ。

また、2次会に行っても彼らは結局、仲のいい人と話すことが多いのだ。仲のいい人との飲み二ケーションはすでに完璧に構築されており今後、再構築する予定はほぼほぼないようだ。

つまり、2次会とは仲のいい人と飲む動機付けをするために周りを巻き込む制度なのだ。2次会に行きたくないが連れていかれる人は徴兵されたも同然だと僕は思う。

そんなわけで僕は今まで、2次会を避けて生きてきた。

しかし、最近僕の周りでは恐ろしいことが起こり始めている。2次会を強要する人が徐々に顔を出し始めたのだ。理由は不明。だが、なぜか僕だけが集中して誘われるのである。

もちろん、彼らは僕が2次会が好きではないことを知っている。知っている上で、僕と飲みたい、話したいからというシャボン玉の膜より薄っぺらい言葉を使って誘ってくるのだ。

それなら、なぜ1次会の時に僕の近くに来なかったのかと頭の中で疑問が駆け巡る。だが、酔っ払いに何かを言ってもまともな返事が返ってこないことは知っているので、ずっと心の中このもやもやした感情を留めている。

それでも、やはり頼まれた以上断りずらいので、全く興味もない2次会へ何度も足を運ぶことが何度かあった。
(断るとノリが悪いだの、ゆとりだの言われる面倒臭さもあったが・・・)

しかし、あんなに僕と飲みたい、話したいと言っていた彼らだが、いざ2次会が始まっても僕が近くにいたら話す、いなかったら話さないというスタンスを取ってくる。頼まれたから2次会に参加した僕からすると、もはや嫌がらせに近い。

ーーーそんな時、ふと思った。「2次会に行かなかったときのメリット・デメリットはなんだ?」と。

書き出してみた。

メリット
・お金がたまる(交通費+2次会で5000円くらいかな)
・自分の時間が増える
・食べ過ぎ、飲み過ぎになることはない
・翌朝の目覚めも良い

デメリット
・先輩、後輩との付き合いが薄くなる
・ノリが悪いと思われる

そこで気が付いた。飲み会は2次会までいかないと意味ないのだ。
2次会を断ることで生まれるデメリットは1次会を断ることで生まれるデメリットと全く同じなのである。

つまり、付き合いだけの飲み会なら最初から行かない方がいいという結論に至ったのだ。そして、行かないことによるメリットがめちゃくちゃ大きく見えてきたのだ。

そういうわけで、今はあの手この手を使い付き合いの飲み会という飲み会を避けている。もちろん、ストックは無限にあるわけではないので一番大切なのは言い訳のペース配分だ。怪しまれないように、真実味を持たせるように細心の注意を払っている。

そして、1つの飲み会を回避できると、また次の飲み会の回避理由を探し始めるのだ。


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