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Hirotomusicと読書 第7回 ビートたけし「アナログ」

古き良き昔の音楽が好きな私にとってこの”アナログ”という言葉の響きにとても魅力を感じます。
私は2000年代に生まれたので、私は生まれた時から”デジタル”なものに囲まれて育ってきました。少し前までは当たり前の日常の中に”アナログ”なものが溢れていましたが、今は”デジタル”なものが当たり前の日常になっています。

しかし、私は普段、”デジタル”なものにとても恩恵を受けていますが、”アナログ”なものが好きです。
手紙を書くときは手書きの方が思いが伝わるし、個性が出ます。また僕は歌詞を書くときも最初は手書きで書きます。ボールペンを使って、歌詞を書くと一度書いた歌詞は消せませんが、その不便さのおかげでいらないと思って削除した歌詞が後で良いなと思ったら蘇らせることができます。スマホで歌詞を書いてしまうと、一度消した歌詞は蘇らないし、変換機能のせいで私は普段使わないような少し化粧をした言葉を使ってしまいます。だから、私は歌詞を書くときは手書きの方が好きです。

今回紹介する「アナログ」は、日本のお笑い芸人で、そして北野武として世界的な映画監督でもあるビートたけしさんの書いた小説です。

2023年には、タカハタ秀太さんという映画監督によって、主演に二宮和也さん、ヒロインに波留さんを迎え、映画化されています。

この作品の主人公悟はデザインをコンピューターを使わず手作りで模型を作ることにこだわる建築デザイナー。そんな彼はある日、デザインを手掛けた喫茶店、「ピアノ」でみゆきという少し謎めいた女性に出逢います。そして、悟が彼女に連絡先を聞き出そうとすると、彼女は自分は携帯を持っていないと告げ、「お互いに会いたい気持ちがあれば会えますよ」と言います。そして、二人は毎週木曜日に「ピアノ」で会う約束をし、仲を深めていく話です。

この作品は、携帯やメールを一切使わず、ひたむきに真正面から向き合う男女の恋愛が楽しめ、また本当の愛とはなんだろうと考えさせられる作品です。

また、落語について悟とみゆきが語り合うシーンや居酒屋での悟と悟の仲間の漫才のような会話は、日本でたけしさんしか描けない部分だと思います。

今はもし距離が離れていても、SNSといった”デジタル”なもので誰とでも繋がることができますが、やっぱり自分が本当に好きな人たちとは直接会って語り合いたいものです。
そんな”アナログ”な人間関係がとても恋しくなる作品です。

今回も最後まで読んでくださりありがとうございます。
これから皆さんに沢山の素敵な出逢いが訪れますように。

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