カメラバッグ沼を終わらせるために WANDRD PRVKEを購入した話
写真を撮る人間にとって三脚とカメラバッグは永遠のテーマであり続ける。
三脚が生えすぎて森が出来てしまった人を知っているし、レンズが生えるたびにバッグが錬成される人もいる。「これが最後のカメラバッグ!」という言葉を残して、バッグの樹海に消えていった者たちは枚挙に暇がない。
さて、多くの人がハマりがちなカメラバッグの購入ループの一例だが、
という具合だ。
つまりカメラバッグの問題とは根本的にカメラ機材の問題であることを忘れてはいけない。カメラバッグが悪いのではなくて、機材が増えてしまうことが悪いし、何よりそれを買っている人間が一番悪い。この事実から離れてカメラバッグ選びをすることは地図を持たずに荒野を進むに等しい。
上の例では肥大化する機材を前提にしたループを紹介したが、機材がコンパクトになったらなったで、軽くてコンパクトなカメラバッグが欲しくなるのが人の常である。その場合は「思ったより積めなかった」「思ったより重かった」と言った理由で再度ループに入るので注意しよう!
沢山積めるバッグでは総重量が肥大化し、首と肩と腰が死に、積めないコンパクトなバッグでは必要な機材が入らないという矛盾とどう向き合うか?がつまるところ最大の課題なのである。
解決方法を運用でどうにかすべきところを新たな機材に頼ってしまう人の業、と言い換えてもよいかもしれない。
度重なるライカへの散財の結果、私の機材は非常にコンパクトになった一方で先述の拡大と縮小を繰り返すカメラバッグの命運からは逃れられなかった。
This is it.
WANDRD PRVKE 21リットル(カメラバッグ)
31ℓと散々迷ってセールで海外から直接購入した。
週末旅用のシステムを考えるとバックパック単体で済ませるには積載量を拡張できるロールトップ型のカメラバックパックが必須なのだけど、どれもしっくりこなかった。カメラに割り振る容積配分が大きすぎてライカのコンパクトなサイズ感では持て余してしまい衣類などのスペースが確保できなくなってしまうか、全体としてバッグがデカくなりすぎしまうかの2択なのだ。
以降ではこのバッグを選んだ理由をいくつか紹介していく。参考になれば嬉しい。
個性を出せるカラーバリエーション
カメラバッグはPeakDesignなどの新進気鋭のメーカーでもせいぜい2色のカラーバリエーションがあれば多い方である。
それに対してWANDRDの出した答えがコチラ。
追随を許さないカラバリの多さだ。
さらに言えば後述のするアクセサリーストラップなどでアクセントカラーを足すことでカラーバリエーションも増やすことができる。
こちらは底面と背面の二箇所につけることが可能なので、「つけない」という選択肢も含めて
6(バッグ配色)x 12(11種類+つけない) x 12(11種類+つけない)=864通り
というかつてないカメラバッグのバリエーションを叩き出すことに成功している。
「人気なのに自分だけしか持っていないカメラバッグ」という二律背反する要素を取り込むことに成功した唯一の製品、というポジションを築き上げている。心くすぐられる要素である。そしてさらに言えば、この色の選択だけではなく、「組み合わせによる自分だけのバッグ」を生み出せるのがこのPRVKEの一番素晴らしいところと断言したい。そしてそこが最大のロマンである。
以降で、このカスタマイズ性についても解説する。
選択可能なカメラキューブ
カメラキューブは2種類あり、小さい方であればライカ旅にはちょうどよいサイズ感。逆にいうと通常のフルサイズミラーレスの機材でいくとほとんど搭載できない。ソニー機で行く場合は、大きいキューブを後から買ってもよい。ソニー機+大三元で行く場合はそもそも重すぎて衣類は別にするので問題なし。機材に併せてバッグを選ぶのではなく、機材に併せてキューブを選ぶ、という方式で積載の幅を広げられるのが特徴だ。
キューブ自体の剛性も問題なく、何よりバックパック本体との一体感を出すための取り付けの手法がよく考えられている。外側だけ撥水素材をアピールする製品もあるがジッパーのシーリングもしっかりしており、レインカバーも付属するちゃんとした作りで安心してギアを預けられる。
ついでに言うと「キューブを選べる」ということはキューブをつけないことも選べる、ということである。つまり、普通のバックパックとしても使えるのだ!ここ、何気に素晴らしいポイント。
PC収納
PCの収納先があるのもポイント。
旅先で編集が必要なケースは少ないので基本的にはPCは持って行かないスタイルなのだが、稀に仕事用のPCを持っていく必要に迫られることがあり毎回クッションケースに入れてキャリーケースに突っ込んでいた。セキュリティ的にもこれだと不安なのでバックパックに搭載できた方が安心だ。
もちろん、これも肩が死ぬ要素の一つなので避けたいところではあるが、「使うかどうかを選べる」ことは非常に重要である。写真ではiPadを突っ込んでいるが軽量なキーボードも搭載してnoteや記事を書きながら移動するということも現実解になる。
拡張性1. ウエストベルト
ウエストベルト必須の人とそうでない人はかなり分かれると思う。重い機材の際は私は必須。そうでないと首と肩が死ぬ。ただ、軽い装備の際は邪魔になるケースも多い。PRVKEの場合はこの取り外しが可能…というかオプション品としてウエストベルトが販売されている。よく言えば買う・買わないから判断可能だ。ユーザー側に選択肢があるのはありがたい。
拡張性2. プレミアムアクセサリーストラップ
三脚搭載位置については個人的にこだわりがあり、バックパックのサイドポケット挿すタイプの収納方法は好きではない。左右の重量バランスが崩れ、肉体への負担が大きい。バッグの背面のセンターに縦に搭載する方法も良いのだけれど、電車などの移動時は気を使うし、引っかけたりもしやすい。PRVKも基本はサイドポケットなのだが、バッグ底面にオプションのアクセサリーストラップで横に搭載できる。こうすると重心も低いままで左右のバランスも崩さずに三脚を持ち運ぶことができる。ベストなソリューションだ。
もちろんこのストラップ背面につければ三脚以外にも寝袋を外側に搭載したり、レフ板を運べたりと汎用性は高い。人による使い方や個性が出やすいパーツだがそこが面白いと思う。
拡張性3. TechBagによる積載量増
パッキングした後で、「あともう少し積めたらいいんだけど…」となった経験はないだろうか?
そんな「あとちょっと」を叶えてくれるのがTechBagだ。
これは前述のPRVKと組み合わせて使えるミニバッグで容量は多くないものの内側のポケットなども使い易く、何より軽い。PRVKは少し中のモノが取り出しづらいのがネックだがこのバッグを取り付ければ積載量も取り出しやすさも併せて解消できるのがポイントだ。
Lサイズは中にレンズポーチの極小サイズをクッション代わりに入れて、ライカレンズ3本入るので旅先での撮影用にちょうどいい。1〜2泊でのバックパック旅用のシステムが完成した感がある。
拡張性4.ROUTE PACK
ちょっとわかりづらいが単体としてストラップでぶら下げるもよし、バックパックの前面に取り付けて使うもよしな拡張バッグである。
以前、これに近いバッグをバックパックを組み合わせて屋久島で撮影をしていた。雨が降った際にもできるだけカメラを濡らさずに移動できるためだ。
特筆すべきは折り畳みを伸ばすと70-200mmなどのレンズを搭載した状態でも格納できることだ。
実際の積載だがカメラキューブでないロールトップ部分だけで以下のような荷物が搭載可能だ。これで一泊二日の撮影旅に行ってきた。
もちろん、翌日は特に疲労もなく快適だった。
まとめ&男のロマン=自分だけのカスタム仕様
というわけで、WANDRD PRVKE カメラバッグ、いかがだっただろうか。
個人的な最大のお気に入りポイントは拡張性とカスタマイズ性。自分だけのロボットを組み上げるような感覚でオプションを組み合わせていく点は他のカメラバッグにない特徴だと思うし、愛着が湧く。アーマードコアやフロントミッションのファンにはブッ刺さる仕様だ。お伝えしたように最大のロマンポイントである。
なお、21リットルはフルサイズユーザーよりもAPS-C、マイクロフォーサーズ、ライカユーザーに向いているサイズ感だと思うのでその点は念のためお伝えしておく。
このバックパックで今年はどんな旅に出るか楽しみだ。
あ、WANDRDさん、よかったらお仕事ください!
いただいたサポートはライカの金利に全力有効活用させていただきます。