割り切れる数字ばかりの算数のドリルみたいにいかない人生
いくら言葉を重ねても。
いくら心に響いても。
変わらないものは変わらない。
生きるのが苦しいとき、逃げる以外の方法がわからない。
めまいがしそうなほど誰かの気持ちで満ちている世界で、かきわけて進めるほど強いはずがなかった。
私は私でしかない。
だから尊いのだと人は言う。
オンリーワンなのだと。
一番でなくても、一流であればいいのだと。
私は私でしかない。
だからもう逃げ出したいのだ。
誰かになりたい。
君になりたい。
私はもう私であることに疲れてしまった。
誰の心にも、世界のどの場所にも何も積めない存在。
私に価値があるというのなら、その価値を教えてよ。
存在してもいい理由を説明してよ。
私が私であるだけでいいなんて幻想だ。
人を惑わす甘言だ。
だってこんなにも、何もできなくて、何も変えられなくて、どこにも行けない、いくらでも代わりのいる、いてもいなくてもどうでもいい存在。
人間の劣等生。
根拠のない愛なんていらない。
価値を認めて。そして愛して。
私をまるごと愛さないで。
静かの海
静かの海は幸せの海だとある人は言った。
それはどこにあるのだろう。
本当にあるのだろうか。
たどり着けたら私も幸せになれるのだろうか。
私は幸せになっていいのだろうか。
私は幸せになりたいのだろうか。
私は幸せになりたい。
そう願ううちは決して幸せになれないことも知っている。
静かの海は遠い。
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