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大学院生活のテーマは英文Eメール

今日は、60歳手前(58歳)で始めた私の学生生活について記します。まず1年の浪人を経て大学院修士課程に入学できました。目標は、還暦修士。6月が誕生日なので、2年間の修士課程を無事に過ごし修了できれば、修士号を得るのは満60歳の少し手前ということで、還暦には修士号をもらっているという目論見でした。修士論文では、かなり苦労しましたが、何とかここをやり過ごし、勢いを駆って博士課程に挑戦することにしました。(まったくそれまで言語学などには門外漢だった私が、どうやって大学院試験を突破できたかについては、別の記事に記したいと思います)

こちらも3年くらいでという意欲で取組んだものの、父親の死や色々なことが重なり、プラス2年を要し、やっとこの3月に修了の見込みが立ちました。

修士時代からの一貫した研究テーマは、英文ビジネスEメールという、極めて狭い分野のトピックスです。博士論文でもそれをテーマとしました。それを選んだのは、IT技術の急速な進展(本格的には90年代半ばくらいです)とビジネス界において英語が世界共通語としての地位をますます高めたことで、その2分野の接点にあるEメールが、今やビジネスコミュニケーションの最重要手段の一つになったからです。

より具体的には、仕事のできる国際ビジネスパーソンの持っている英文ビジネスEメールのライティング能力とはどんなものなのだという点を解明することにしました。そういうテーマを選んだには、色々背景があるのですが、その一つは、ある企業向けの英語研修を5〜6週間にわたって担当したことでした。

毎土曜日にクラスがあるのですが、最初の4週間は、主に語彙や文法に関わる学習、語彙については、その企業が属する業界用語の学びも大きなポイントでした。そして最後の2週間ほどは、Eメールライティングなどの実技研修のような内容のものでした。その中で発見したことは、最初の4週間で復習のため語彙テスト文法テストをすると、いつも満点近い点数を取るグループと、ほとんど地を這うような点数に終始するグループに分かれたのですが、この人たちに仕事上起こりそうなシナリオを設定して英語のEメールを書かせると、いつも満点のグループに属する多くの受講生が、とんでもなく質の低い(仕事ではとても使えない)Eメールを書く一方、超低空飛行グループの中に、使われている語彙や文法構造は平易かつその使用数や種類も限られていても、しっかりと業務上の目的を達成するしっかりとしたものを書くのです。

ここで感じたのは、「いいEメールを英語で書ける人というのは、語彙や文法などの力では判断できない別の能力を持っていそうだ」ということでした。その内容を明らかにすることが、大学院時代を通してのテーマとなったわけです。

その出発点は、英文Eメールの書き方について解説を試みた私の3冊目の著書です。(続く)


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