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卒業制作25枚。1枚1枚撮影時の記憶と想い

日本大学芸術学部写真学科4年のHirotoです。

大学の卒業には20枚以上の作品で構成される作品を制作し卒業制作として提出する必要がある。
お金も時間もたくさん投入した約4年間の撮影をしてきた。
記憶を記すために、noteを使って文章に書くことにした。


卒業制作の始まり

卒業制作の撮影をスタートさせたのは、大学入学前2018年2月の高校3年生時。大学4年生になると論文ではなく制作をして卒業するということを知り入学前の撮った写真も良ければ使えるのでは??というゆるい考えから撮影を始めた。また高校時は部活で写真を撮る機会を失っていたこともあり、とにかく写真撮りたかったという情熱もあった。

ここから約4年を費やした撮影が始まることになる。

この文章を書く意味

この文章は撮影時の記憶を残しておくために書いたものだ。
私は写真を撮影した時の背景の記憶がかなり残っている方だと思っている。その記憶は長いもので4年近くの年月を経過しているが、褪せることなく残り続けている。しかし数十年経った時どうかはわからないため、残っているうちに書き留めておこうと思った次第。手記的な感じかな。
自己満の要素が強い文章になったが、忘れた際の記憶を呼び起こしやすい文章のため。

25枚の写真


ここでは撮影の裏話や背景について語るので時系列で撮影順に並べている。




1

新千歳空港 2018.02.18

2月中旬の公立校入試による休校を利用して一週間北海道へ遠征。

雪国らしい写真を求めて遠征したが、積もっているものの雪が全然降らない。

撮影日の昼 夕方の大雪までずっと快晴のお天気


「こんな降らないもんなのか????」と思いながら空港の中をフラフラしてた遠征5日目。

快晴の空が曇りいきなりの大雪。
慌ててカメラを出して無我夢中でシャッターを切った。
その後は30分は降り続いたものの、天候は急回復し快晴へ。

予定もなく空港ぶらぶらしてただけだったけど、もしその場にいなかったら撮影すらできていなかった。その場所にいることが大事だなと学んだ。

P.S  まだ免許持ってなかったのもあって雪道をめちゃくちゃ歩いた記憶(1日20kmは歩いてた)


2

成田空港 2018.03.31


書類上はまだまだ高校生となる3月。

2018年の春は例年と比べて比較的温暖であり桜の満開が3月末になるとの予測が出ていた。成田空港周辺に咲いている桜も時を同じくして満開になり、「は??満開早くね??」と焦りながら成田空港に向かった。

成田空港周辺には「さくらの山公園」「さくらの丘公園」など桜を見ることができるスポットがたくさんある。そのため飛行機ファン以外にもたくさんの花見客が訪れる。天気は一日中晴れ、撮影日が土曜日ということも重なり多くの花見客が訪れた。そのため周辺道路の渋滞、駐車場満車になりほとんど身動きが取れない状態であった。

しかしこの時は、何故か珍しく冷静だった。(まじでなんでだろ)
予防策を取って自転車を持ち込んだことでこれを回避しスムーズに撮影ポイントに移動できた。(ただカメラバック背負い40km走って足攣った)
この一枚は自転車移動でなければ撮影出来てなかった一枚。


3

新石垣空港 2018.09.06


大学入学して初めての夏休み。
一週間を利用して石垣島と沖縄本島を旅行していたが、無理矢理3日間を撮影日にした。

前日の5日未明に近畿地方を襲った台風21号で甚大な被害が出ていた中、東京は影響を受けず出発。那覇を経由し夜、石垣島に到着した。

夏だが富士山が綺麗に見えた。雲多いけど。
新石垣空港到着。到着後日が暮れていた。

9月6日 天気:快晴 最高気温34℃
気温が高いのもあるが南国特有の背の高い太陽光線。
本当に暑い暑い。まじで暑すぎる。
ただ快晴の日はこの一日だけ。

撮影場所は空港に横にあるカラ岳という小山の上。
ここの登山が本当に厄介、、

背丈以上の雑木林の中を潜って登っていくため、風が抜けずサウナのように湿度のこもった暑さ。
また鋭利な草木があるため、上記の暑さの中長袖長ズボンで登る必要がある。
空にはスズメバチ、足元にはマムシと有毒な虫への警戒も必要不可欠。

山の入り口。ここから雑木林をかき分け登る


そんな状況下で山頂に着いてしばらくすると熱中症の症状が出た。
撮影どころの話ではない。
周りに誰もおらず持っていた飲料水が不足していたため、クラクラになりながら下山し隣の集落にある自販機まで飲料水を買いに行った。

冗談抜きで「うわ死ぬときってこんな感じか」と思いながら下山。

集落の自販機で飲んだポカリが多分人生で一番おいしいポカリだったし、これからそのおいしさは越えることはないと思う()

ただこの日を逃すとずっと雨ということでもうチャンスがない。
ポカリ1Lと水500mLを飲み日陰で休憩。なんとか回復。
再度登山し、この写真の撮影をした。

再登山後 潮が満ちて珊瑚礁の色が際立つ

撮影後下山しホテル帰ると死んだように寝ていた。
本当に命の危険があったので本当に気をつけようと肝に銘じた。(2年後また撮影で熱中症になることになるとは、、)

その後那覇に飛び4日間ふらふらし帰京。これから3年間沖縄に行けてないのでそろそろ行きたいな、、

那覇空港を飛び立つ。下には珊瑚礁が見える。

4

女満別空港 2018.10.06

元々上記の写真の撮影のために女満別空港へ遠征に行ったわけではない。
空港周辺で植えられるひまわり畑との絡みを撮影しに行くことが目的であった。

例年の女満別空港周辺では、8月初旬と10月初旬の2回ひまわりが満開でみられる機会が訪れる。
(2020年から現在まで8月の一回のみに)

8月は天気が曇りやすく、青空バックの確率を上げたかったため10月を選択。
7月中旬になり航空券早割を使用するため、例年の満開時期を考え10月3日から7日までの5日間遠征を計画し航空券を予約した。

そして10月3日羽田空港から新千歳空港と札幌を経由し、一路女満別空港に向かった。

ひまわりの開花状況はどうか、、
目の前に広がった光景に唖然とした。

??????

なんということでしょう。
黄色が見えることなく一面緑色なのだ、、、、
蕾になっているだけで、一切咲いていることはなかった。
(Twitterで確認していたので状況は知っていたが、改めて唖然)

9月の北海道の平均気温が例年を下回ったことから開花が遅れ、満開時期がずれたのだ。
予想を見事に外しやることがなくなってしまった。

「悪い時期に来たねぇ」と地元の人に言われる始末

地元の方にいただいたコーラで少し救われた。本当に感謝

それからは秋の道東をめぐる旅に変更した。

網走にある大曲湖畔園地では満開のひまわり。
「天に昇る道」という日本で一番長い直線道路。
美幌峠で星を観てから翌朝の雲海。


大曲湖畔園地のひまわり


天に昇る道


美幌峠で見た星空


美幌峠の雲海と日の出


なんだかんだで旅行を楽しんで遠征4日目の10月6日。
この日の女満別空港では「女満別空港スカイフェスティバル」が行われており、お仕事体験や滑走路見学ツアーなどさまざまなイベントが行われていた。

その一つの中に空港の制限エリアに入ることができるというイベントがあった。それを聞きつけひまわりの件で遠くなっていた空港へと向かった。

するととんでもなく近くまで飛行機に寄り、自由に撮影できる環境があった。

カメラ置くとこの距離。この近さで自由に動いて撮影可能。神

しかし家族連れがほとんどを占めたランプエリア。飛行機を撮影してる人は私含め2人しかおらず、舐めるように撮影することができた。
時間も2時間半ほどあり、至高の時間であった。


さらにこの日はイベントに合わせてAirDoの特別塗装機である「ベアドゥ」が羽田⇄女満別で投入された。北海道の名物をあしらった塗装を、北海道の地でらしく撮影することができた。

ひまわりは残念だったがこの日程を選択したからこそ撮影できた一枚であった。
(ひまわりは後にリベンジすることになる。)

撮影中にAirDoからメールがあった。

「翌日に台風接近に伴い欠航の可能性がある。」

台風怖すぎ、、、
残ることも考えたが結果的に満足できる撮影ができたということもあり、撮影日の最終便の羽田便に振替え1日早く帰京した。

最後までツキがない遠征ながら、成果があり本当に救われた。
ありがとう女満別空港スカイフフェスティバル!


5

伊丹空港 2018.11.09

2018年11月3日。J1川崎フロンターレを応援していた私は等々力陸上競技場で第31節柏レイソル戦を観戦していた。3-0で勝利し次節にも優勝の可能性が出てきた。次はアウェイ大阪ヤンマースタジアムで行われるセレッソ大阪戦であった。
優勝の瞬間を見届けるため大阪行を決めた。

せっかく大阪に行くのなら飛行機を近い距離で見ることのできる伊丹空港にも行きたいと思い、試合日である11月10日の前後を合わせた3日間で大阪に遠征を決めた。

11月8日バイトを終えた後すぐに深夜バスで大阪へと向かった。
翌朝大阪に着くと天気は大雨。午前中は降り続ける予報が立っていた。
しかし躊躇している暇はなく伊丹空港へと向かった。
午前中は屋根のあるスペースを生かし撮影をした。

大雨を生かした撮影もできた。雨で寒かった

そして午後になり天候は急回復。晴れ間も見えるような天気へと変わった。
そこで外周を回ってみようと考え、空港の周りを周って撮影できそうな場所を探すことにした。

歩いていた時に飛行機の音がしたので振り返ると道の先から飛び出してくるように離陸していった。ここで粘れば迫力のある写真が撮れそうと確信し撮影を始めた。

しかしそううまくいかないのが飛行機の撮影。レールが敷かれていない飛行機は離陸の位置は飛行機によって違うためベストなポジションで離陸してくれない。またこの道は幹線道路から外れた道であることに加え幅が狭いのだが、かなりの車が高頻度で通るため離陸の瞬間とかぶってしまうことも多くあった。

上記の写真は撮影前自転車に乗った人が目の前を通過。その直後離陸する飛行機がタイミングよく飛び込み、自転車の先で離陸する飛行機の迫力のある写真を撮影することができた。
さらに大型機であるボーイング777型機であったことも迫力を増す要素であった。
様々な要素が重ならなければ満足のいく写真を目指すのは難しい。


6

伊丹空港 2018.11.11

大阪で迫力のある写真を撮影した翌日の11月10日。
ヤンマースタジアム長居でJ1第32節セレッソ大阪vs川崎フロンターレの試合を観戦していた。勝てば優勝。引き分けや敗戦でも他会場の結果次第で優勝を決められる一戦であった。先制を許したものの試合終了間際に同点に追いつく。しかしその直後に失点し敗戦となった。しかし2位のチームも敗れたことで2試合を残し優勝を決めた。前日の撮影の満足感と相まって気分は最高であった。その日は試合後一緒に観戦した人と大阪観光をして1日を終えた。


試合は敗れたもののJ1連覇を決めた。
優勝🙌🙌🙌🙌🙌🙌🙌🙌🙌🙌

翌日11月11日。深夜バスで東京に向かうまで一日時間があったため再び伊丹空港へ向かった。伊丹空港には千里川土手という飛行機の着陸を間近に見ることができる場所がある。そこは夜になると航空灯火の灯りで形成される夜景を見ることができる。航空灯火の中を抜けてく飛行機の煌びやかさを撮影したいと考えていた私は夜になるのを待った。


航空灯火が付くと素晴らしい夜景となる。(写真2021年10月)


しかしここで一つの懸念があった。サッカーの試合をメインに大阪に来ていため三脚を持っていなかったのだ。スローシャッターを用い航空灯火を線のようにすることで煌びやかさを表現しようと考えていたが手持ちで行けるのか??と少し心配な点ができてしまった。

ただ嘆いても三脚が泉から出てくるわけでもないので、手持ちで限界まで攻めてみることにした。最初はSS1/15ほどで撮影していた。機体は止まるものの航空灯火があまり流れてくれず不完全燃焼状態であった。そこでSSを0.6秒まで落とした。ほとんど機体が止まってくれない中、一枚だけビタビタに機体を止めることに成功した。それが上記の写真だ。機内の青い照明も相まって煌びやかな写真に仕上げることができた。

その後21:00の最終便まで撮影をし深夜バスで横浜へ。
翌朝そのまま学校へ向かい1限から3限まで授業を受けアルバイトをこなした一日。
疲労がとんでもなかった。



7

新千歳空港 2019.02.14

冬の新千歳空港へ1年ぶりに撮影に向かった。前年と同じく約一週間の期間を設け遠征に臨んだ。
車の免許を取得したことで歩きでは到底困難な場所も撮影に行くことができるようになった。

この年の雪は前年と比べ少し雪の量が少ないものの十分な雪量があり、満足行く撮影ができるのではないかという予感させた。
2月12日の朝から北海道入りし、上記の写真を撮影したのは3日目の2月14日の午前中のことであった。
前日の13日の夜から雪が降り出した。翌朝の雪が積もった後の撮影を楽しみにしていた。

そして朝になり車で向かおうとホテルの駐車場に向かうと目の前の光景に目を疑った。

えぇ、、、、、、、、、、、、、、、、

莫大な雪が車の上に積もっていた。積雪が始まった時点で覚悟はしていたがここまでになるとは、、
雪国で暮らしたことある方だとある普通の光景かもしれないが、関東でずっと暮らしてきた私にとってこれは本当にびっくりした。

雪下ろしと窓ガラスについた霜を削り落とすこと30分。氷点下での作業だったが汗をかくほど大変な作業であった。

作業が終わったところで大事件発生。作業中のどこかでポケットからiPhoneが落ち雪の山の中に埋もれてしまったのだ。動き回ったことでどこら辺に落としたか目星がつかず捜索は困難を極めた。Macを持っていたためiPhoneを探すの機能でアラームを鳴らし探したがなかなか手がかりが得られず。友人だけではなく、ホテルの従業員の方にも手伝っていただき雪を掻き分けて探すこと数十分。ようやく見つけることができた。

友人とホテルの従業員には感謝してもしきれないほど助けてもらいました。本当に感謝。
友人には夕食を奢って償い。
雪の中に物を落とすのは厳禁という教訓を得た数十分だった。

気を取り直して、車を走らせると木の幹や枝に雪が積もっておりとても綺麗であった。樹氷ほどではないが冬らしさを演出できるいい材料。

撮影から反対を向いた場所。樹氷のよう。

撮影地についてすぐ羽田からの大型機が到着。
夢中でシャッターを切った。
幹や枝に積もった雪が雪国らしさを演出。
雪がレフ板の効果を果たし、隅々まで白い光が当たる抜けのいい写真を撮影することができた。

さらに飛行機をファインダーで追い続けると、雪を大きく巻き上げる姿も撮影することができた。

逆噴射で雪を巻き上げる

寒さが吹っ飛ぶような気分を味わえる冬に北海道の撮影に虜になる瞬間だ。
何度も通いたくなる瞬間がここにはある。


8

成田空港 2019.04.03

成田空港は4月になり再び桜見頃を迎えていた。
しかし満開の時期を見誤り、散っていた頃に成田へと向かっていた。

撮影する目的を失ってしまったが、飽きずに東峰神社に向かう。

かつて成田抗争の地であり、周りを高いフェンスに囲まれ常に監視されているような場所だ。
以前は近づくだけで必ず職務質問をされ、身元を商会をされる非常に警備の厳しい場所であった。

近年規制が緩和され以前のような厳しい警備はなくなった。着陸機が頭の真上を通過し、迫力のある飛行機の姿を見れることから一般の方も多く訪れる。

気持ちの良い青空に順光の光、PLフィルターを付け着陸機を待つとやってきのはノックスクート航空のボーイング787型機。24mmのギリギリに収まる機体。空の青と塗装の黄色が織りなすコントラストは対照的で色彩が目に入ってくるインパクトの高い写真に仕上げた。

珍しく最も簡単に撮れてしまって拍子抜け。
何も考えてない時一番上手く行くのはなんでだろうか??


コロナ禍が終わって国際線がこの頃のように復活しないかな、、、、


9

成田空港 2019.04.03

東峰神社での撮影後、満開を迎えていた菜の花を着陸機と撮影できるポイントへ向かった。

この場所は春夏秋冬で違う花々が咲き、さまざまな表情を見せてくれる。
春には満開の菜の花が咲き黄色の彩度がとても美しい。

この日は水曜日にも関わらず多くに撮影者や家族連れで賑わっていた。
さらに天気は雲ひとつない青空。
青空と菜の花に黄色の色が対照的なコントラスト。
さらにPLフィルターでさらに抜け目のない写真に仕上げた。

この日は撮影が全て順調に行ったとても珍しく日。
毎回こうあればいいなといつも思っている。(大体無理だけど)


10

松山空港 2019.08.03

四国で一番の大きな花火大会である三津浜花火大会。飛行機と花火が大きく絡む全国で唯一の花火大会。

その花火大会が開催されると知ったのは前日の8月2日。夏休み前に学校にテストがあった日で登校時に花火大会を検索していて偶然見つけていた。(この時点ではいくと決めてなかった)

テスト後に友人に誘われて神宮球場でヤクルトvs中日の試合を観戦しに行っていた。ビール半額デー的な日だったらしく、たくさん飲んでいい気分になっていた。いい気分のまま羽田→松山便の予約商会をするとわずかながら席が空いていることがわかった。

※翌日空港に行って席が空いていれば飛んでしまおうという考えになっていた。

※(ANAにはスマートU25という運賃形態があり、25歳以下で当日席に空きがあれば格安で乗ることができる。そのため予約を当日にする必要があった。)

翌日朝空港に行くと「普通席△」の表示。
天気が晴れであることを確認しその場で購入。ホテルも予約。


お昼頃に撮影現場に着き、三脚を置いて場所取り。(この時点で三脚が15脚ほど)
夜まで時間がありすぎるので、ホテルのチェックインも兼ねて道後温泉へ。
足湯に入ったり商店街ふらふらしてちょっとだけ観光。

4回目の道後温泉(改修工事中)

夕方になって撮影場所に向かうため伊予鉄松山市駅に向かうととてつもない混雑に巻き込まれる。四国一番の花火大会を舐めてた。都内の帰宅ラッシュにも負けない混雑。

数人程度しかいなかった松山市駅が大混雑


そして夜になり撮影場所へ向かうとたくさんの人で溢れかえっていた。
大人数の中花火大会がスタート。
順調に1時間半程の撮影を終えバスと電車を乗り継ぎ松山市駅に戻ってきた。
しかしここで事件発生。松山市駅→道後温泉駅間の路面電車の終電が終わっていたのだ。疲労Maxで絶望しながら約4kmを50分かけて歩いたのを覚えている。ホテルに着いたのは日付回って午前1時過ぎであった。

歩いて戻ってきた道後温泉駅。ホテルはすぐ近く。

計画性が全くなく勢いだけで全ての物事を決めたことで、移動が全てうまくいかなかった。道を間違え終電の逃し、歩数が半日で30000歩と記録されていた。

唯一撮影だけがうまくいったのが幸いであった。ギリギリまで見極められたことが天気が確実に晴れという確証を得られたという発見にもつながった。この経験がギリギリまで状況を見極めてから決めるという遠征の計画を立てる指標になった機会でもあった。


11

2019.08.04

花火の翌日。帰りの航空券を取っていなかったので夜の最終便を予約し、それまでの時間を撮影の時間に充てることにした。

というのも前日は花火しか撮っておらず、外周を周れなかったせいであまり撮影ができていなかったのだ。

松山空港は海に面した空港であり、その近くには漁港がある。海の近くの空港を示すことができるのでそこに向かった。天気は快晴であり夏の強い日差しが降り注いでいた。道路と漁港の間にある仕切りの上に登り滑走路を見た。

左側の堤防のような場所に登ると滑走路を一望できる。

そこに離陸機が来るとほぼ並行になる場所で離陸して行った。それを逃さず水平に気をつけながら撮影。海の近さを象徴できる画を切り取った。

垣生山山頂からの景色。太陽光線で海面がギラギラになる。

その後松山空港を見下ろせる垣生山に登ったり夕日を見たりして空港へ戻り羽田へ。
ほとんど当日予約の弾丸遠征は幕を閉じた。


12

羽田空港 2019.10.13

2019年10月12日。大型の台風17号が関東に接近。
甚大な被害を広範囲にもたらした。家の近くを流れる多摩川も堤防ギリギリまで水位が上がり大災害寸前のところまでいった。水位をずっと眺めていた記憶がある。

台風が去った後台風一過の青空と視程の良さ。
これは撮影のチャンスと急いで羽田空港へ向かった。

羽田空港では前日欠航した国際線が出発ラッシュを迎えるなど、いつもより飛行機が多かった。

そんな中あることに気づいた。
国際線の飛行機が概ね短い滑走距離で離陸していくのだ。
これは前日のキャンセルの影響から搭乗数が少なく、貨物の積載量も減っていたことが関係しているようだ。機体が軽くなっていたことで滑走距離が短くなっていたと考えられる。

羽田空港を離陸する飛行機はスカイツリーをバックに飛んでいく。スカイツリーと離陸した飛行機が絡むのは大体が燃料の軽い国内線の飛行機。国際線は重く滑走距離が長いことから絡むことが数少ない。

しかし上記の状況で国際線が軽く離陸していたため、チャンスと踏んで国際線機を待つことにした。
絡んだのはドイツ・フランクフルト行き(記憶が正しければ)のANAの大型機ボーイング777。空に舞って行くような軽さで迫力ある離陸。それに加えてスカイツリーをバックにベストポジションを通過し離陸していった。

非常に珍しい光景にちょっとだけガッツポーズ。台風一過の視程の良さを狙い、それが狙い通りにうまく行った時ほど気持ちいいものはない。

(コロナ禍だと飛行機が軽いのか結構見る光景になってしまった。)

さらにこの日は満月。1機が飛び込んだ。

13

熊本空港 2019.11.16

熊本空港。全国でも数少ない太陽の沈む方向に滑走路が伸びている空港だ。(もう一つは出雲空港)

11月に日没と滑走路が重なる機会がやってくる。
それに合わせて3日間の日程で熊本へ向かった。


しかし日没と飛行機が絡むかは微妙なところであった。
なぜなら日没の時刻の15分前に到着する飛行機しかトラフィックがないためだ。
少しの遅延を期待して向かう他なかった。

日没に期待を寄せ15時頃滑走路のエンドに向かうと既に多くの人が待機していた。みんな考えは同じだ。
500mmのレンズに1.4倍のテレコンをつけ飛行機が来るのを待つ。

羽田から飛行機が離陸し、熊本へ向かってくる。
残念なことに遅延はなかった。(定時性すばらしいけどね、、、、)
しかし熊本空港ぐるっと回るようにアプローチするため、多少の時間を稼ぐことができる。

太陽早く沈め!!!!!!ってずっとお祈りしながら待っていた。(早くなるわけがない)

やがて到着機が見え旋回を開始する。
旋回時に驚きの光景が目に飛び込んできた。


太陽を貫くように旋回して降りてきた


夕陽の色をした太陽を貫くように飛んできたのだ。衝撃的な光景。
これにはシャッターを押す手が震えていた。

しかし手が震えてもいられない。飛行機はこちらに向けて高度を落としながらやってくる。ファインダーを覗きシャッターを切りながらも、太陽の位置を常に確認しながら最後の切り取り方を考える。

そして着陸。滑走路は傾斜があり下っている為着陸の瞬間は見えない。こちらに向かってくる際機体の姿が徐々に見えてくる。
機体の姿がはっきり見えたところで太陽がフレームに入りシャッターを切った。バランスはいい。

及第点ではあるが完璧ではないという状態だった。太陽の位置がもう少し水平線に近い位置で捉えられたら最高だったなと思う。ものの数分の差であるがこの数分を確実にものにするのはとても難しい。運も必要だ。
卒業制作はこの写真だが、これ以上のものを求めて再び足を運ぶつもりだ。




14

熊本空港 2019.11.17

夕日の興奮から一夜明ける。

泊まった場所から見ると温泉が沸いてた♨️

11月17日
朝7:00に起床し、朝一番で阿蘇を一望できる大観峰へと向かう。その場所は雲海が見れる場所であるが確率が低く期待できなかったこともあり、遅めに起床し向かった。

大観峰。奥では阿蘇山が噴煙を上げている。

高台からカルデラ地形の阿蘇の風景がよく見える。阿蘇山は噴火警戒レベル2の噴火状況で噴煙が多く、景色は少し霞んでいた。

カルデラ。淵をミルクロードが走っている。

その後高台の淵に沿うように走っている道ミルクロードを通り撮影のため再び熊本空港へ向かった。

この日は風向きの影響で噴煙が空港から見て左方向に流れていた。
しかしそこまで風が強かったわけではなかったので、滑走路のどちらからも離着陸が行われているような状況だった。ただ阿蘇山側からの着陸してくる機体は少なかった印象がある。

噴煙が出ている阿蘇山をバックに離着陸する飛行機を撮影したかったので、離陸、着陸の両方が撮影可能な場所で待機することにした。

すると一機阿蘇山方向から降りてくるという無線が入っていたので撮影に入る。着陸してきた飛行機は阿蘇山をバックに滑走路上へ。シャッターを切った。噴煙が左方向に流れていたことで空の空白ができず、点景ながら迫力のある写真を撮影することができた。


ここからは次の日撮影をしなかったため観光編


11月18日。曇りのち雨の予報。撮影を後回しにし観光することにした。
7時過ぎホテルを出発し、上色見熊野座神社へ向かう。

上色見熊野座神社。神秘

この場所は映画「るろうに剣心」のロケ地や漫画・アニメ「蛍の杜へ」の舞台になったことで一躍有名になった。とても神秘的な雰囲気を感じることができる神社である。

人があまりいない朝に訪れその雰囲気を味わうことができた。

地下から水が湧き出ている。(写真まともに撮ってなくてこれしかなかった。)


次に白川水源。名水100選に選ばれており常に14℃の水が沸き続けている。
当たり前だが透明度が非常に高かった。(語彙力皆無)



いまきん食堂。あか牛丼


お昼が近くなり、遠征前から調べていたいきまき食堂へ。ここは阿蘇名物であるあか牛丼が食べられる。
いつも1時間半以上の行列ができているとのことだったので開店時間の10時の前に到着。
開店直後に入店できたので待ち時間なしで食べることができた。
ほんとにおいしかったのでぜひ訪れて欲しい。


最終日は雨になってしまったが撮影ができなかった分、観光を楽しむことができた。いつか撮影ではなく観光として熊本に再度行きたいと思っている。

30分遅延した到着した帰る便。制限エリア内の撮影もしやすくて楽しい。


この日の羽田行き最終便で帰京した。



15

富山空港 2020.02.12

2月の富山。市内からも立山連峰が望むことができる。雪を纏った立山連峰はその他の山を圧倒するほどの景色を見せる。この景色を撮るためたった二日間の遠征計画を立てた。

富山空港はその市街地の外れにあり、着陸、離陸の両方で立山連峰のバックを飛ぶ姿を捉えることができる。

しかしそう簡単には撮らせてもらえないのが実情だ。
1つは山の天気は非常に読みずらく、急変しやすいところ。
山の天気は変わりやすいが立山もそれに当てはまる。雲に隠れていた状態から一気に晴れる。その逆も然り。

2つ目に便数の少なさだ。
富山は2015年に北陸新幹線の開業により鉄道が大きくシェアを伸ばした一方で航空便は羽田便を中心に減便や機材の小型化が進んだ。
立山が順光になる午後では2020年2月では羽田一便、台北便が隔日一便、中国本土から一便の1日3本しか撮影チャンスがない。


さらに追い討ちをかけるように新型コロナウイルスが中国で感染拡大していた影響があり中国本土からの便が無期限欠航中のため二日間で3便のチャンスしかないこと。

1日目の2月11日天気は晴れ。立山連峰は少し淀んでいて雲もかかっている状態。状態はあまり良いとはいえない。午後の2便に賭けてみる。
結果はほぼ失敗。雲が覆ったためいい状態とはいえなかった。

雲が多く霞んでいた。
山に中間部に分厚い雲。離陸後に急速に晴れることになる。

そして二日目の2月12日。この日のチャンスは1便のみ。自身の誕生日を迎え何か起こって晴れるのではと空想してみる。(運が必要だった)

この日の午前中の天気は曇り。ただ立山連峰はそこまで曇ってはおらず少し纏っている程度。これから起こるドラマを期待させた。

しかしここでウェザーニュースで発表されている立山眺望予報を見てみると30%と予報されていた。(多分見れない絶望)
しかし失うものがなかったのし、なんか起こりそうだなという漠然とした考えが撮影場所へと足を動かし午後の1便を待つことにした。

午後になり羽田便の到着が近づくにつれ天気が回復。それに付随するように立山を覆っていた雲が次々に退いていく。そして羽田便がアプローチに入ってくる。あまりの天気の変わりように鼓動は早くなり緊張感が増した。
夢中でシャッターを切り山々の表情を克明に写した。

この時の状況をいつ思い出しても奇跡だったと思っている。
たった3便しかチャンスがなかった中で最後の最後で大逆転が起きた。
心の隅にある少しの勘がこのような結果につなげてくれた。
最後まで粘れば一瞬で物事を変えられるということを学んだ富山2日間。


16

羽田空港 2020.08.11

2020年8月。新型コロナウイルスの感染者数が多少横ばいに落ち着いた中。再び撮影を始めることになる。

8月11日。快晴、気温は37℃。(は????暑すぎ)
自転車で羽田空港周辺を巡り撮影することにした。

城南島海浜公園。奥には着陸してくる飛行機が見える。

10kmほど自転車で移動し、城南島海浜公園に到着。ここは着陸機が真上を通過して行くところを近くから見ることができる。暑すぎて汗が止まらない。日陰で水分補給と休息を取りつつ撮影を始めた。

上を見ると真夏の思い描くような青空であった。PLフィルターを付けて青空をより強調させる。公園内では家族連れや友人同士でそれぞれの時間を楽しんでいた。

そこに飛び込んできたのはJALボーイング777型機
大型機の迫力に視線がみんな上を向く。その瞬間を切り取った。

次の撮影の向けて移動…


17

羽田空港 2020.08.11

先程の撮影を終え、同じ城南島内にある貨物コンテナが置かれている場所に向かう。ここは※都区内ルートを使う着陸方法の時に、貨物コンテナと一緒に撮影できるのではと目星をつけていた。

※2020年4月から着陸枠拡大のため東京都区内を飛行し羽田空港に着陸機するルートが新設された。南風時の15:00〜19:00で運用される。

時刻は15:00をまわり着陸方法が変更。狙い通り貨物コンテナの後ろを経由しながら飛行機が着陸体勢に入ってくる。羽田空港周辺の様子を感じられる写真に仕上げた。

これら2枚の撮影を終えた後も移動しながら撮影と続けていた。自転車の走行距離は40kmを超えていた。

夜に帰宅後熱中症を発症することになる。水分補給をこまめに行い、塩分不足にならないように水だけではなくスポーツドリンクや塩分タブレットを混ぜながら飲むなど熱中症対策を万全に行っていた。
しかし最高気温37℃の中動き回る、ましてや自転車でかなりの距離を移動しながらというにはそれをもってしても危険ということ。
加えて脱水症状を起こしやすい体質も影響。

撮影で2度目の熱中症になってしまった。
本当に無理をしすぎないことが大事だ。
これを最後にしたいと思う。


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福岡空港 2020.11.28

富山に遠征したのち、新型コロナウイルス流行が全国に広まりどこにも行けなくなっていた2020年。

しかしGotoトラベル事業が夏に始まったことで、遠征に行こうとふと思い1月末に一週間弱福岡へ行くことになる。(2020年11月26日から5日間)

福岡空港は全国の空港の中でも都心部から近く、博多から電車で10分かからない場所にある。
周りを住宅街に囲まれた空港だ。生活の中の一部に空港があり、人々の生活感を写し込める空港といえる。

遠征3日目の11月28日。天気は晴れ。黄砂やPM2.5の影響で多少視程が悪い。

早朝から飛行機の着陸を上から見下ろし撮影ができる井野山という山に登山した。登山自体は舗装された道を歩いて登るため比較的簡単に登ることができる。30分程度で山頂に到着する。


井野山山頂。前方には福岡空港が見える。

住宅街の上をかすめていくように上空をで旋回し着陸に向かう飛行機たち。
400mmのレンズで圧縮効果を狙い、住宅街の真上を飛行機が飛んでいるような迫力のある写真を撮影していた。

しかし広角側で撮影しても面白いかなと思い100mm程度まで引き撮影をしてみた。飛行機を撮影する際は圧縮効果を出すため、できるだけ被写体に寄るのがセオリー。そのため迫力自体は失われる。迫力のカットは他にあるため広角側で撮影することで街中を飛ぶ様子を強調した。

卒業制作は一枚の出来も大事なポイントであるが、順番を含め25枚のバランスを最適化する必要がある。迫力のカットは他にあるためバランスを取るために雰囲気を優先させ撮影を行った。


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女満別空港 2021.08.06

一年延期されていた東京オリンピックが終盤を迎えていた2021年8月。再び思いはひまわりへと向いていた。3年前に開花時期を見誤り北海道に行っただけとなりかけた(エアフェスティバルでなんとか回避)遠征のリベンジをどうしてもしたいと思っていた。

8月初旬に入りデルタ株の流行により感染者が過去最高を更新していたため県境を跨ぐ移動に自粛要請が出ていたしかし大学4年生になり最後の夏休みかつ最後の撮影チャンスであるということ。また新型コロナワクチン2回目を接種してから2週間を経過していたため、気をつけながら遠征を決意した。

開花時期は天候によって大きく変わる恐れがあり、様々な予約を開花状況や気温、天気などを加味した上で直前に手配することにした。(3年前の教訓を生かす)

余談ではあるがこの時点で就活は内定は得ていたものの決まっている状況ではなかった。でも頭の中はひまわりでいっぱいだった。

毎日のようにTwitterで開花状況を調べ、満開状況に合わせ遠征できるように準備を行なっていた。

そして満開時期を定め8月6日から11日での北海道遠征を決めた。

6日の昼ごろ女満別空港の降り立ちレンタカーを借りひまわり畑へ向かう。


🌻


少し背丈が低いもののほとんど満開の姿を見せてくれた。求めていた景色はこれだ。


しかしここで問題が発生する。
通常飛行機は向かい風の方向に離着陸を行う。しかし便数の少ない地方空港では弱風であれば向かい風でも離着陸を行う空港がある。女満別空港もそれに当てはまる。


下の図を参考に解説する。基本的には赤矢印の方で着陸が行われる。なぜ白矢印の着陸方法が避けれられるのか。答えは最短ルートで着陸ができるからだ。新千歳や羽田など、どの空港から到着するのにも赤矢印の方が最短ルートで到着できる。白い矢印の方向から着陸する場合、大回りをするため10分ほど到着が遅くなる。
そのためひまわり畑の上をかすめて着陸する方法ではなく反対側から着陸するルートををメインに使用するのだ。これではひまわりと飛行機を一緒に撮影することはできない。

基本的には赤の矢印の方から着陸を行う。そのためひまわりと飛行機が絡まない。


遠征1、2日目は風がほぼ無風だったため、ひまわり畑の上を飛行機が飛ぶことはなかった。そのため空港の外周をまわって北海道らしさを探すことにした。

外周を走っているとこのような風景が見えてきた。

麦ロール。


黄金色の大地に麦ロールが見えてきた。この光景を見ただけでほとんどの人が北海道を思い浮かべるだろう。


しかもこの場所ひまわり畑から反対の方向にあり、着陸機が後ろを通過する絶好の場所。(3年前に訪れていたため飛行機が通ることを知っていた。)
さらに午後になり順光で撮影できることから羽田からやってくるJAL便を待つことにした。

14:20に着陸体勢に入るJALのボーイング767型機。

着陸時は離陸時と違いあまりコースに差がない。思い描いた場所に飛行機は飛び込みシャッターを押した。

麦ロールだけではなく黄金色の大地が華やかさを加え、The 北海道夏の空港という雰囲気に仕上げることができた。

その後東京から友人が1日半だけ北海道に来るといい、女満別空港へ迎えに行った。
その翌日同じ場所同じ時間に撮影に行くと、とんでもない光景を見ることになる。

目のまで回収されていく焦


なんということでしょう。麦ロールが次第に片付けられているのだ。唖然として回収されるのを見ていた。そして羽田便到着の30分前にすべて回収されてしまい、残ったのは黄金色の大地のみ。遠征1日目に撮影できて本当によかったと思っている。

隣で友人が回収するなーって嘆いていた(笑)のもあり、とても記憶に残るような撮影だった。



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女満別空港 2021.08.09

遠征は3日目、8月9日の朝。曇り気温は20℃。前日から10℃以上気温が下がり8月に経験したことのない気温であった。


朝6時半に起床し天気をチェックすると風が吹いてる。しかもひまわり畑の上を飛行する可能性が非常に高くなる北風予報。この日は飛行機を撮影せず朝から斜里町の方でドローン空撮をする予定であったが急遽予定を変更し、慌ててホテルを出てひまわり畑へと車を走らせた。

8:45同時刻着の羽田からやってくるAirDo、JALの2便に狙いを定めた。先に到着したのはAirDoのボーイング737型機。小さい機体ながらひまわり畑の上をかすめて着陸した。

737だと少し小さめ。


その後にJALがボーイング767型機中型機がやってくる。さらにディズニーリゾート特別塗装機で飛来したことで、ひまわり畑に花を添えた。

天気も曇りながらも到着直前に晴れ間が出てきたことでなんとか作品として完成した。しかしこれに完全に満足しているわけではない。大学卒業後もこれを超えるものを目指して撮影に励んでいきたいと思う。


2便の撮影を終え道東の景色をドローンを使い空撮を行った。(天気悪かったけど)

北海道っぽい。


ここからは観光編。せっかく道東にきたからには楽しまなければ。
遠征後半は雨や霧など天候が悪かったがドライブしながら道東を楽しんだ。

天に昇る道(上から)
調べると廃線ではなく、建設途中だった未成線の跡らしい。


野付半島で食べたいくら丼
野付半島にいるとき16℃しかなくて、防寒着を求めユニクロを探していた。
神の子池。青く透明度の高さから浅いように見えてるが、実際の水深はかなり深い。




道東の最終日8月10日。台風が温帯低気圧に変わったものが直撃し大雨で気温12℃。網走刑務所や流氷館を観光しお気に入りの牧場でソフトクリームを食べるなどし過ごした。


12℃で半袖しか持ってなくてマジで焦った。
お気に入りのソフトクリーム。チーズ味。
流氷館。初めてクリオネを見た。


北見で〆に焼肉を食べる。
北見市は緊急事態宣言が出ておらず、飲食店が遅くまでやってたので助かった。
深夜バスで新千歳空港へ向かう。(女満別空港発羽田行きが高すぎたため新千歳経由で帰ることにした。)

焼肉後のセコマのアイス。これ関東で売らないかな、、
新千歳空港到着後。昼からクラシック。

台風きながらも遠征も観光も充実していた一週間。
お昼過ぎの便で羽田へ帰京した。

AirDoの特別塗装機。乗るのは3回目?かな。2021年12月で引退しちゃった、、



21

羽田空港 2021.09.15

2020年。羽田空港は東京オリンピックを見据えた発着枠増に向けて大きく変化した。都内内ルート新設が大きなトピックになったが、羽田空港内の工事も進められた。駐機場の拡張が進められたことで、新たな撮影場所が誕生した。

羽田空港へ向かう天空橋駅近くの環八道路沿いに駐機スポットが完成。道路の近くから飛行機を眺めることができる。

スマートフォンでも撮影可能な近さ


日常風景に溢れている信号機と、それと普段同じ風景に絡まないであろう飛行機を入れることで非日常感を演出。


テーマである情景的さに加えて機械的な要素を入れることで他24枚にはないアクセントを加えることができた。


22

羽田空港 2021.10.03

10月に入り空気の澄み方もよくなってきた。10月3日は良い視程の中南風。久々に羽田空港周辺で撮影することにした。
向かったのは2020年7月にオープンした天空橋駅直結の羽田イノベーションシティ。複合施設ながら南風時の新たな撮影地となっている。 

話が若干逸れるが、この場所に着いて撮影をしているととある電話がかかってきた。面接を受けていた企業からの電話で内内定の連絡があった。この時点で就活を終えことができた。

話を戻す。施設内を歩いていると飛行機が大量に駐機している光景が目に飛び込んできた。コロナ禍の需要低迷に加え、ボーイング777型機の一部機体に搭載されているプラットアンドホイットニー社のエンジンが安全性の問題で運行停止中。そのため駐機場は飛行機で溢れかえっていた。

夥しい数の飛行機が駐機していた。

思い返してみれば飛行機と風景を絡めた写真が中心であったため、空港らしい飛行機の写真を撮影していなかった。

そしてこの日は南風運用であり駐機場を背景に飛行機が着陸してくる。
飛んでいる飛行機と共に撮ることで、飛べない飛行機との対比表現ができる。そのため機種は同じだがエンジンが違うことで飛行できているボーイング777に狙いを定めた。
17:10着のニューヨークからやってくるJAL5便にはその機種が投入されており、それを待つことにした。

太陽光線がギリギリ沈まないところで着陸してきた。10月の少し淡い夕焼けの日差しに照らされた姿が美しかった。

この写真はもうすぐ撮れなくなることが予想されている。コロナ禍が収束に向かうこと。エンジンによる運行停止が若干緩和されたこと。そして撮影場所と駐機場の間に新たな建造物が建てられていること。
撮影できる時に撮影をしておくというのは本当に大事だと実感させられる。


新たな施設の建築が進められている。


23

松本空港 2021.10.10

Jリーグの公式アプリでチケットの抽選ができ当選すると無料で試合を観戦することができる。普段川崎フロンターレを応援しているが、その他のクラブの試合も行きたいなと考えていた。抽選の権利が25回も溜まっていたので抽選を回していると松本山雅FCvs栃木SCの試合が当選した。
試合日は2021年10月10日。


スタジアム周辺を調べると松本空港と隣接していることがわかった。もしかするとスタジアムと一緒に撮影ができるのではと思い、カメラも持ちスタジアムへ向かうことにした。

立川駅から特急あずさ一号に乗り込み一路松本を目指す。約2時間をかけ松本駅に到着。シャトルバスを利用して松本山雅FCのホームスタジアムであるサンプロアルウィンへ。

松本空港の発着便はとても少なく、撮影できるのは16:00頃に到着する一便のみ撮影が可能であった。試合は14:00キックオフのため試合終了直後に到着するような感じ。試合中の撮影は無理でも、観客席に人が残ってれば良さげな絵が撮影ができそうだなという考えで試合を観ていた。

サンプロアルウィン。ここから試合を観る。

試合は松本山雅FCが0-1で敗戦。J2残留を争っていた栃木SCに痛恨の敗戦。
(シーズンを終えると松本山雅はJ2最下位でJ3降格)

試合終了後すぐに遠くに着陸機が見えてくる。咄嗟にカメラを構え、観客席が映るようにフレーミングを整えた。

背景には青空と山々。そして偶然にも飛行機のカラーが松本山雅FCと同じ緑色。電光掲示板を入れサッカーの試合らしさを演出する。
様々な要素が仕事をしてくれて狙い通りの写真を撮影できた。

そして帰宅の途につく。
シャトルバスの時間が読めなかったことから特急あずさの指定席を取っていなかった。そのため帰りのシャトルバスで塩尻駅に向かう際に特急券を取ろうとしていた。しかし日曜日で快晴かつ気温も比較的高かったこともあり、登山やハイキング客が多かったのだろう。特急券が売り切れだったのだ。

仕方なく塩尻から甲府まで1時間かけ普通列車で向かい、そこで特急かいじに乗り換え立川へ。その後帰宅した。早めに特急券取りましょうという反省点。

普通列車。道中が本当に長い

24

出雲空港 2021.10.24

10月中旬。卒業制作の締め切りが2ヶ月後に迫ろうとしていた。枚数自体は足りていたがより満足度の高い作品制作のため遠征を決めた。

東京→大阪→出雲→広島→(福岡)→大阪→名古屋→東京

非常に忙しく移動するルートになってしまった。(汗)

移動距離が長いもののそこまで予算が取れず、どうしようかなと悩んでいた。
そんな時JR西日本のページを見ていた時にこんな切符を見つけた。


JR西日本どこでもきっぷ


なんとJR西日本管内の全線新幹線特急列車含め乗り放題という「JR西日本どこでもきっぷ」というお得な切符が発売されていた。22000円で3日間乗り放題であり、指定席も6回まで利用することができる。

これを使えば遠征の中心である西日本をお得に効率よく回れると思いこの切符を購入した。有効期限は10月23日から10月25日までの3日間。


10月22日深夜。この切符を使用するために深夜バスで大阪へ向かった。朝の7時過ぎに梅田に到着すると、宿泊先のホテルがある新大阪に向かい余分な荷物を預ける。

大阪で一日中なにも予定がないのは勿体無いので伊丹空港へ向かい撮影をする。
外周を回りながら一日中撮影した。
そして今回の遠征で超広角レンズを友人から借りていたため、それを中心に使い撮影に励んだ。


翌日10月23日。目的地は出雲市。5時に起床し準備、新大阪駅へ向かう。

新大阪6:00発のみずほ601号で岡山へ向う。岡山から特急やくもに乗り継ぎ出雲市へ。10時過ぎに到着した。


新大阪発のみずほ。朝早くて眠い💤
特急やくも。駅弁を食べながら出雲市へ向かう。


出雲市到着後ホテルに荷物を預けて出雲大社へ向かう。
出雲空港のトラフィックは少なく、撮影に間に合わないと判断し少しの間観光することにした。

10月は神在月。全国神々が年1回集まる出雲大社。

午後出雲空港へ向かいレンタカーを借りて撮影を始めるが、この日は撮影ポイントを探る時間に焦点を当て翌日の撮影に備えることにした。

ロケハンをすると出雲空港は本当に外周ポイントがすばらしく、撮影のしがいがある空港だと感じた。
特にランウェイエンドの風景が素晴らしく、宍道湖の眺めが非常に良い。(作品はここで撮られたもの)

宍道湖の湖畔にある出雲空港。この真上を通り着陸する。


翌日の撮影に備え夕食をとり早めに就寝した。

夕ご飯美味しかった。(写真適当すぎで草)


10月24日。天気は晴れで風は弱風。
朝一番の便から撮影するため出雲空港へ向かう。
ロケハンしてランウェイエンドに向かい着陸機を待つ。

狙っていたのは羽田からやってくるJALの中型機ボーイング767形機。
朝一便で隠岐島からやってくるプロペラ機でイメージを膨らませ、羽田便がやってくるのを待つ。

アプローチに入りシカメラを構える。
真上を通過するため、はみ出さないよyにフレーミングに気をつけながら撮影をした。

秋らしい青い空と雲の模様。その真上を通過して行く767。超広角レンズである14mmを使うことで、迫力がありながら広大な空と湖の広さも表現することができた。
点景の多かった作品の中に、テーマに添いながらインパクトのある写真を入れ込みたかったので満足度の高い写真だ。

強いて言うならば湖面の穏やかさと光線が足りないなという感じ。全ての条件を揃えるのは難しいがこれもまたいつかリベンジしたいなと考えている。


撮影終了後レンタカーを返し、宍道駅へと向かう。
特急やくもで岡山を経由し新幹線へ乗り継ぎ広島へ。


翌日の天気予報を見ると広島の予報は雨。そのため広島空港での撮影を諦め、翌朝から福岡空港へ向かうことにした。翌日の新幹線の指定席を取ってからホテルへ向かい宿泊。

次に続く……



25

福岡空港 2021.10.25

10月25日。広島に天気は雨。福岡の天気は晴れ予報であった。

朝ホテルで朝食取る。
支度をし広島駅からからさくら541号で一路博多駅へ。
博多駅のコインロッカーに撮影機材以外の荷物を預け福岡空港の撮影へと向かった。

微妙な天気。

しかし午前中は微妙な天気だったため、お昼ご飯を食べに一度空港を後にした。

海鮮丼大盛りで1000円。美味しすぎる。

箱崎ふ頭にある「海鮮丼てんや箱崎ふ頭店」。
一年前にも福岡に来ていたがここには行っていなかったため訪れた。
個人的に福岡は行けば行くほどラーメンを食べなくなる。それほど魚が美味しい。

さて午後になり雲一つない快晴になる。急いで空港に戻り撮影を開始。展望デッキを移動しながら撮影をする。


15:55発羽田空港行きJAL320便の出発風景と撮影しようとカメラを構えるとこのような光景が目に飛び込んできた。

JAL職員によるお見送り風景。

このようなお見送り風景を見るのは初めて。感動する光景であった。同時にこの風景も卒制に加えたいなと瞬間で思った。
どのように撮影するのが一番良いか思いを巡らせる。

出発作業が始まり機体が滑走路に向く。午後になり太陽が反対側になったことと10月の低い日差しにより機体の影と人の影が大きく伸びていた。逆光を生かし影を表現として使うことにした。


機体の影と横一列に並ぶ職員の方々の影がよりドラマチックに映る。
飛行機は乗客の下で多くの職員の方の協力があって飛ばせているもの。
そう深く感じられる写真になった。空港自体の風景写真もあまりなかったため26枚の中でアクセントをつけることができた。


その日のうちに大阪に向かう必要があったので博多から最終の山陽新幹線で大阪へ向かった。大阪に宿泊し翌朝名古屋へ高速バスで向かった。(バスの中でオンライン授業を受けていた。)

名古屋到着後、中部国際空港内にある商業施設「フライトオブドリームス」へ。

フライトオブドリームス。実機で本当に大きい。
スタバ。リニューアル中で営業している店が少ない。


ボーイング787のテスト機が1機飾られているおり、施設の中はシアトルの街並みを意識した造りになっている。コロナ禍かつリニューアル工事中の訪問だったため営業している施設は少ないものの、スターバックスでひとときを過ごすことができた。


その後東名高速ハイウェイバスで帰京した。

めちゃくちゃな日程とルートで駆け抜けた遠征で思ったことはJR九州の車両で運行される新幹線みずほ、さくら号の指定席がとても快適であるということ。2-2の座席配置で内装も豪華なことからグリーン車?って一瞬思った。グリーン車乗ったことないけど。

これにて卒業制作の撮影が全て終了。
お疲れ様でした。


4年の撮影を振り返り思うこと


課題や自主制作などで様々な撮影を行ってきたが、飛行機の写真だけはモチベーションを失うこともあったが4年間撮影し続けてきた。

「継続は力なり」という言葉はよく耳にするがこの言葉の意味をこの4年間で痛感した。1枚1枚の撮影では作品完成のイメージは湧かなかったし、気の長い撮影だなと思っていた。
しかしいいものを創るために、遠征への決断力も早かった分析も怠らなかった。そうして年月が経って作品をまとめていると、我ながらいいものを創ってきたなと感じ感慨深かった。これは自分の財産だと思っている。


また年月が経ってからこの作品を見返した時に、やっていたことは間違っていなかったを感じられば尚更成功だと思う。そう思えるようにこの4年間で終わらず被写体あるかぎり撮影を続けていきたい。




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