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月明かりふんわり落ちてくる夜は

この曲聴くと、過去の恋愛を思い出す
そんな思い出の曲、みなさんにもありますか?

僕はちょうど今ぐらいの秋口の涼しいか生暖かいかの中間くらいの優しい風を感じる頃。
人気の無い夜道を歩いている時にふと思い出す曲があります。

クレヨンしんちゃんのエンディング曲の
『月明かりふんわり落ちてくる夜』です。

当時、僕は西日本の田舎に住んでいて
東京にいる人と遠距離恋愛をしていました。

彼は東京から、なんにもない僕の住んでいる田舎にいつも会いに来てくれていました。
ここにはなんにもないけど、ひろトがいるから
それだけでここにくる理由は十分だよと
いつも言ってくれていました。

彼は東京で自分のセクシャリティをカミングアウトして生活をしていました。
彼はいつでもキラキラしていて、友達もたくさんいて、おしゃれで、可愛いアクセサリーをつけていて、いい香りがして、八重歯が可愛いそんな彼でした。

僕なんかにはもったいないし
僕なんかには釣り合わないとも思ってしまうこともたくさんあったけど

だけど彼は、そんな僕のことをいつでも大好きだと言ってくれて
僕の全部が大好きだと言ってくれていました。

僕は彼のおかげで、色々変われた部分があったし
僕は彼みたいにキラキラした素敵な人になりたいと
僕にとって彼は憧れに近い存在でもあったと思います。

そんな彼は、外でも人目を憚らずに
イチャイチャしたがるタイプの人でした。

僕はゲイバレするのが嫌とかそういうこと以前に
公共の場でイチャイチャという行為をすることに抵抗が強くて
いつもそれを拒否していました。
なんなら辞めてほしいと強めに怒ったりしちゃっていました。



「夜、人が全然いないところだったらいいじゃん!」

そう彼に強く言われて、僕はしぶしぶ
夜の人気の無い道でなら
指を繋ぐことを承諾しました。

前から人が来たときに
車が近くを通ったときに
すぐに離せるように
小指と小指だったら繋いでもいいよと
彼の押しに負けて
僕たちは指を繋いで近所のコンビニまで
寝巻きを着てお散歩をすることが
デートの定番になっていました。

その時に僕たち二人がいつも口ずさんでいたのが
『月明かりふんわり落ちてくる夜』でした。

指を繋いで歩いている時間は
とても幸せだったし
とても嬉しかったし
とても楽しかったし
だけどそんな中でも僕は不安でした。

僕は彼と付き合うまでに三人の男性とお付き合いをして
別れてきた経験がありました。

僕は彼とずっと一緒にいられるのだろうか
この幸せな時間はずっと続けていけるんだろうか
いつかどちらかがどちらかのことを好きになってしまう日が来てしまったらどうしよう

僕は幸せの中にも
いつかくるかもしれない別れを
どこか心の中で怯えていました

結局、僕たちは二年半のお付き合いを経て
別れました。

彼とは恋人関係を解消しましたが
今でも大事な家族であり、親友であり、僕にとっての一番のよき理解者だと思っています。

彼と別れてからもう10年が経ちますが
10年経った今でもこの時期、夜道を歩いているとふとこの曲を思い出して口ずさみたくなるんですよね。

僕はどんな気持ちでこの曲を思い出しているんだろうか。


色んな気持ちが複雑に絡み合っているような気がします。


楽しかった時間、嬉しかった時間
悲しかった時間、苦しかった時間

彼とは本当に色々ありすぎたけど
泣きながらお互いの気持ちをぶつけ合ったり
ひどいことを言ってしまったこともありました。

僕は彼と別れたことは後悔していないけど
だけど彼に謝りたいことはたくさんあります。

もっといい彼氏でいてあげられたら
彼のことをちゃんと幸せにしてあげられたかもしれない
彼のことを傷つけずに済んだのかもしれない

彼に伝えたいありがとうの数と同じくらい
ごめんねと伝えたいことがあります。

彼と僕が今でも一番の友達でいられているのは
彼が本当に素敵で、こんなダメな僕のことを許してくれて
恋人から友達へと関係性が変わっても僕との関係を諦めずに続けていく努力をしてくれたからです。

僕は彼にとても感謝しています。
感謝しているからこそ、僕が彼にしてしまった間違いをこれから僕が大好きになった相手には絶対にしてはいけない。
同じ悲しい思いをこれから出会っていく人には絶対させてはいけない。
僕は僕が大好きになった人とちゃんと幸せになる。

それが僕にできる最大限の彼への贖罪だと思い
僕は僕が決めた自分への約束を果たすために
恋愛を続けています。

彼とのエピソードは、まだブログにまとめられていませんが
またそのうち少しずつ書き起こしていこうと思います。


みなさんの思い出の曲もエピソードと一緒に教えてください!

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